仕事より刺激的な日々でした
編集スパルタ塾に通った1年が終わりました。そのすべてのゲスト回について、欠かさずブログを書いてきたので、ここでは、受講の理由と結果得られたものを簡単に書いておこうと思います。
出版社で「営業」になった
新卒で、入りたくて入りたくて仕方がなかった出版社になんとかすべりこみました。絶対本を作りたくて、内定通知をもらった日の夜家に帰りながら、ああ、しばらく死ねないな、と思った記憶があります。でも、最初の配属は全員営業。そこから同期が半年や1年で編集に異動していくのに、わたしはずっと営業のまま4年目を迎えようとしていました。いつかは会社がそのステージに行かせてくれると思っていたのに、同期がつくったものがアニメ化されたり直木賞を取ったりする中で、わたしはいつまでも0のままでした。
このままいてもなんにもならない、異動も難しい、と思って決めたのが「編集スパルタ塾」の受講でした。編集者になりたいという思いで、みんなが日々仕事で学んでいることを、自分は仕事外で勉強しないといけないんだ、と思っていました。
とにかく怯えていました
始まる前はとにかく怯えていました。12万は安くないし、火曜日には結構早い時間に会社を出ないといけないし、土日もかなり取られる……。多趣味でいつもやりたいことに追われている上、終電当たり前な生活だったので、かなり迷いました。そこに「編集スパルタ塾」で検索すると出てくる二期生のブログと、梅木さんや濱田さんのポスト。みんなが「えぐい」「きつい」「大変」って書いているので、めちゃくちゃ怯えて、振り込むその瞬間まで迷っていたような気がします。笑
きつい、よりも刺激的です
とにかくきつい、という前段階の印象があったからか、感想としては、思ったよりも「きつい」成分より「楽しい」成分のほうが多かったです。一度だけ遅刻してしまったけど、すべての回に出席できたし、受講生のプレゼンはひとつも欠かすことなく聞けました。課題も出さない回はなかったので、やろうと思えばできると思います。ただ、火曜19時に重いタスクを与えようとしてきた上司を無視したり、担当ごと増やされそうになったときに「残業代が出ない他人の分の仕事より自分のためにお金と時間を使いたい」って啖呵をきったりしたので(笑)、会社では問題児だったかもしれません。
一番ぴったりな言葉は「刺激的」でした。最初のBRUTUSの回、来る日も来る日も、ずっと映画とBRUTUSのことを考えていて、自分の中にその世界観を取り込んでいく感じがして、やればやるほどたりないことが見えてきて、もうそれが、仕事を始めてからの3年間の中で、何よりも楽しい日々でした。同時に、自分が普段いかにクリエイティビティのない仕事をしてるのかを思い知らされて、より一層仕事がどうでもよくなりました。笑
環境じゃなく自分次第だ、というけれど
環境じゃない、どこにいてもやれる人はやれる、というけれど、わたしは完全にそうだとは思いません。営業で本をつくる提案をすると「営業なのに」って思われる空間ではやっぱりその提案はできないし、クリエイティビティよりもとめどなく流すことを求められる流通では、効率化くらいしか工夫できません。「営業でもやれることあるでしょ」という言葉は、塾に行けば行くほど、「世界ごと違うんだよなあ」という気持ちになるようになりました。
むしろ、「より良い環境を選ぶ」ことこそ、その人次第だと思います。「この部署だと」「この上司だと」「この会社だと」「いまのままだと」できない、と思うなら、環境を変えるように努力するのもひとつの方法や策略で、その意味で、わたしは環境を変えるための一歩として、この塾に出会えてよかったなあと思っています。
これから
会社では、4月以降も営業残留のお達しが出ました。ごめんね、という便利な言葉とともに。まだ環境を変えるところまで届いていませんが、この塾で3回、「一緒に働きたい!」と講評で言っていただけたので、自信を持って、諦めずに、機会を探し続けたいと思います。
そして何より、めちゃくちゃ人見知りで、後半まで飲み会も行かなかったわたしでも、あたたかくて楽しくて頼れる同期ができて、この1年の間にたくさんヒントをもらって、それがとても嬉しかったです。まだ飲みたいし誰かと仕事したい。
一番学んだことはある意味、「実力や実績がないとスタート地点にも立てない」ということかもしれません。わたしにはまだどちらもなさすぎて、ステージを変えたり、おもしろいことやろうぜって言える状態にないけれど、少しずつでも登って行って、菅付さんや、ゲストのみなさまや、同期に、仕事で会えたらなあと思います。それはきっとめちゃくちゃ最高だと思う。
最後に。わたしが課題を考えるとき二期生のブログにめちゃくちゃ助けられたので、毎回書き残してきました。もし興味がある方は、
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