まぁ、何とかなるんじゃね?


柴田です。表題のような気持ちで脱会社員→独立へのモラトリアム期間中に受講を決意した編集スパルタ塾だったけれど、まぁ、正直なんとかなる。愛と情熱と好奇心があれば。

ぶっちゃけると全17回の課題のうち、仕事のスケジュールの関係もあり(言い訳です)提出できた回数も多くないのけれど、幸運なことにサバイブすることができたし、中村勇吾さんと松浦弥太郎さんの回でMVPをいただくことができた。

中村勇吾さんの回、お題は
「あなたは、ある活動を、1日1回、10年間にわたって、毎日やり続けるとします。そして10年後の最後の日にそれらを統合し、一つの作品とします。1日1回、どのような活動を行い、最後にそれらをどう統合しますか?」。

美大出身。アートディレクターでデザイナー。
広告の世界にいない人には、自分の仕事はちょっと世間一般の仕事に比べて異質なものに見られがち。
絵を描く人だと思われたり、感覚で生きている人だと思われたり、見た目だけこだわって中身を考えない人だと思われたり、何それハイパーメディアクリエイター?と言われたり、芸術作品を作っている人だと思われたり。
(今回、お題に「作品」という単語が出てきたせいか、切り口は斬新でもアウトプットが結果を可視化して終了。と、美術館の展示品やメディアアートのようなものにしている人が多数だったように思う。)

私は言いたい。作品と呼ばれるものも決して意味を持たないものではなく、
問題解決のための問いであり提案であり答えである。
本当は、他の人がやっていることと変わらない。
だから今回の課題にも、ちゃんと問いと提案と答えがなければいけない。


私が学生時代から興味があり、たびたびテーマにするものとして
・目に見えないものを可視化する(例えば、「ちょっと遅れる」の長さを分で、人の命の重さをkgで)
・アナログだからこそできる遊びを追求する
というものがある。

私は勇吾さんがWeb/メディアアートの人だからこそ、「紙」を使ったアプローチをしたかった。
紙は、歳をとる。私の両親の白髪が増え、最期は骨だけになるように。
触れば触るほど劣化していくし、そこに在るというだけで場所をとる。
だから愛しい。
私が30歳から40歳になる過程なんて正直どうでもいいけれど
両親の10年後を想像したら、父親なんてもう70歳近いおじいちゃんである。
ありがちだけど、あと何日一緒に過ごせるのだろうか、と考えた。
私にとって、私の10年間と両親の10年間の重さは違うのだ。
両親の10年後を想像してショックを受けたのもあるけれど、
単純に両親の命の重さ、寿命の長さを本の厚みにしてみたい、という興味がわいた。

そんなこんなで私なりに出した答えはこちら

当然だけれど、「こういう作品をつくりたいです!おわり!!」
というのは答えになっていないので、これをサービスとしてもっとライトに利用できないか、その先が見える物を提案しなければならない。


そして、もう一つの松浦弥太郎さんの回は
「クックパッドユーザーである40代主婦の暮らしを助ける新しいサービスを提案する。」
というお題で、奇しくも10年後40代に突入する自分を想像して考えたプレゼンが、まさかのMVP。

プレゼン内容は非公開。最終的にはプレゼンシートではなくちゃんと形にしたものとして世に出したい。


熱血バカにしか突き抜けられないし、今を変えられない

私がこの一年間を通して菅付さんやゲスト陣、同じ塾生から学んだのは、これにつきる。30歳前後になると、周りの(特に)女性は「私もそろそろ落ち着かなきゃな〜(仕事の話)」なんて言って、いや自分自身に言い訳をして、何かを諦めて落ち着いた大人になってしまった人がたくさんいる。
江戸っ子のべらんめえ精神にのっとって、おこがましくも一言つっこませてほしい。


落ち着く前にキミ、盛り上がってもいないよね?と。

今いる緩い場所に甘んじて、学ぶことと挑戦することと外に放出することを怠ったら、一気にババアになります。
社会に出て10年足らず。まだまだ学び足りないことも、悔しがり足りないことも沢山あるでしょーが。人生の1/3も生きてない人間が、「そろそろ…」だなんて、おこがましいにも程がある。
30前後でババアになるか。衰えない努力をするか。
毎度発表者陣に選ばれる人たちのプレゼンや、ゲスト(個人的には特に高崎さん)の言葉を聞いて、あぁなんてどうしようもないくらい熱い人たちばかりなんだろう、と。きっとこういう人たちでないと、何かを動かすこともできないんだろうなと感じた。
勿論、私自身もまだ当然たいしたことの一つもできていないので、落ち着くなんて軽々しく呟くには未熟すぎる。
だって私がスゲェなと思った人たちは、絶対にそんなこと言わないもの。

一年間を終えてみて、悔しさとやる気でまだまだ燃えている。
菅付さんの最後の講義でも、その話につながるような熱い言葉が聴けてよかった。熱量は伝導する。私もまた熱を繋がなければ。
スタートラインに立たない人間より可能性はあるでしょう。

柴田春菜 Art Director & Graphic Designer
web portfolio GIG_ANTIC
http://gig-antic.com

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