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リーディングシアター「緋色の研究」2日目【ステージレポート】

文化放送インターネットラジオ「超!A&G+」で放送中の朝のワイド番組「あさステ!」のパーソナリティである有澤樟太郎、松村龍之介、矢崎 広、東 啓介、染谷俊之がゲストと共に立ち上げる朗読劇「緋色の研究」が、今月17日からスタート。

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2日目は有澤樟太郎×鈴木拡樹の2人がシャーロック・ホームズとワトソンを演じた。
役者が違えば、別の作品かのように感じられるほど、1日目と全く異なった「緋色の研究」を観ることができた。
むしろ、同じ作品を連日さまざまな役者が演じるからこそ、それぞれの違いや変化を見つける面白さもあるのだという気付きを得た。

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有澤が演じるホームズは、落ち着く低めの声で語られる推理に聞き惚れる。
ダブルのスーツを見事に着こなしたすらっとした体躯とスマートな動きに思わず目がいく。
推理のシーンでは事件現場でしゃがみ込んだり、遺留品を拾い上げたりする動きを見せ、神経質に物に触れる仕草や、興味を失うと対象物に見向きもしなくなる姿はまさしくホームズ。

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その様子を隣で見守るのは鈴木演じるワトソンだ。事件現場でホームズの動き一つ一つに解説を入れるシーンでは、興味津々の表情でホームズを見つめるワトソンの視線がどこか彼を見守っているように感じる瞬間がある。
それは、普段から鈴木自身が舞台全体を俯瞰して見ているところによるのかもしれない。
舞台に立ちながら、今舞台上で起きていることや動いている人間について全て把握しているという鈴木は、いつもそんな包容力を持って板に立っている。有澤も「拡樹くんって本当に優しいですよね」とアフタートークで語っている。

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そんな2人が共演するのは舞台「どろろ」ぶり。
「どろろ」で演じた百鬼丸と多宝丸という役と今回では、関係性が真逆の役どころだったかもしれない、と口にしたのは有澤。
今回、鈴木と新たな関係性の役を演じられることに、胸を躍らせていたようだ。

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1日目の公演もそうだったが、2人で物語の登場人物全てを演じきる本作では、ホームズとワトソン以外の役を演じているシーンにも注目してほしい。
2人がそれぞれどの役を演じているかは、観た人のみが知るところとしたいので役名を表記することは控えるが、有澤が演じたとある役での狂気を滲ませる演技は圧巻だった。
恨みを持つ人間のドロドロとした感情が流れ込んでくるような声、表情に飲み込まれそうになる。
対して鈴木は小さな男の子から果ては老婆まで……老若男女を見事に演じ分けてみせた。
「声に表情をつける」という表現がしっくりくるような、朗読劇だからこそ見せられる演じ方をしてくれたように感じる。

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また、この公演では、有澤と鈴木がそれぞれ同じ役を演じるシーンがある。
その役を先に演じるのは鈴木で、有澤曰く「クセの強い」演じ方をしている。
後に演じる自分も最大限、そんな鈴木の演技を真似ようとしたが難しかったと、アフタートークで笑いながら暴露する場面も。

声の出し方一つ、話し方一つで何もかもが変わる朗読劇の面白さに引き込まれるとともに、2人の引き出しの多さにただただ驚かされた。

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これまでも朗読劇をやる機会が多かったという有澤は「(朗読劇は)舞台と照明と音楽のある、この空間……そこで生まれる集中力が無いとできないものだと思う」と発言。
その言葉からも分かるように、舞台上で演じるという行為がもたらす役者への影響の大きさを改めて感じた。
そしてその集中力や場に生まれる緊張感を間近で“生”で感じるからこそ、ペアを組んだ鈴木にも波及していき、素晴らしいやりとりが生まれていくのだろう。

この“生”で演じる舞台の魅力については、6月24日発売の本誌『Sparkle vol.41』でも2人にそれぞれ深く話していただいている。

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そして、朗読劇を終えた鈴木は「喜びが一番にありました。板に立てるって幸せだなって」と発言。
心の底から、演じる楽しさや舞台に立てる喜びを噛み締めているその言葉に、観ているこちらも嬉しくなった。
有澤も、「拡樹さんとできて楽しかった。ペアが拡樹さんと知って、何より嬉しかった」と述べ、2人で再び共演できた喜びを分かち合った。
2日目もまた、役者同士の尊敬と信頼が成す、素敵な公演となった。

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3日目は染谷俊之と佐藤流司のペア。ドラマ「REAL⇔FAKE」ぶりの共演となる2人が、次はどんなホームズとワトソンを演じてくれるのか楽しみだ。

文化放送 超!A&G+『あさステ!』スペシャル
リーディングシアター「緋色の研究」

原作:アーサー・コナン・ドイル
脚本・演出:毛利亘宏(少年社中)
日程・出演者:2020年6月17日(水)~21日(日) 全5ステージ
6月17日(水)19:00 松村龍之介×鈴木勝吾
18日(木)19:00 有澤樟太郎×鈴木拡樹
19日(金)19:00 染谷俊之×佐藤流司
20日(土)18:00 東 啓介×橋本祥平
21日(日)18:00 矢崎 広×相葉裕樹
※上演時間は休憩を挟み、約1時間50分程度を予定しております。
内訳:第一幕 約55分 休憩 10分 第二幕 約25分
アフタートーク 約20分(予定)
配信チケット:ZAIKO(有料配信) 4,500円(税込)
https://study-in-scarlet.zaiko.io/e/online2020
※5日間の生配信はZAIKOによる電子チケット制、無観客ライブ配信。
※各日チケットは配信日翌日22:00までご購入いただけます。配信終了後、チケット購入者は翌日23:59までアーカイヴでご覧いただけます。
後日、ニコニコチャンネル「あさステ!チャンネル」にて期間限定有料配信(4,500 円(税込))
「あさステ!チャンネル」放送日時・出演者:
6月29日(月)21:00 有澤樟太郎×鈴木拡樹
30日(火)21:00 松村龍之介×鈴木勝吾
7月1日(水)21:00 矢崎 広×相葉裕樹
2日(木)21:00 東啓介×橋本祥平
3日(金)21:00 染谷俊之×佐藤流司
※ 「あさステ!」各曜日毎のレギュラー放送(20:00~)の後、放送(配信)されます。
※ 「あさステ!チャンネル」会員の方は特別価格(3,500円(税込))で視聴できます。
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写真:金丸 圭
テキスト:田中莉奈

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