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『Sparkle vol.41』発売記念 「#舞台の力」キャンペーン 優秀作品発表

「舞台の力」をテーマに掲げた『Sparkle vol.41』発売に当たり、Webを通じて募集させていただいた「あなたの思う『舞台の力』」キャンペーン。
たくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。

ツイート、ブログ、note、イラスト……
多種多様な手法でさまざまなご意見ご感想をお寄せいただき、これほど選考に悩んだことはありませんでした。
今一度、ご投稿いただいた全ての方、そしてハッシュタグ等を通じてご覧いただいた全ての方に厚く御礼申し上げます。

全ての投稿を拝見し、悩みに悩んだ末、5点の作品を選出させていただきました。
こちらは完全に編集部の主観が入っておりますので、この他の作品が劣っているといった訳ではない点、ご理解いただければ幸いです。
特に共感させられた、大きく心揺さぶられた作品を選ばせていただきました。

想像力と一回性と。「舞台の力」をめぐって考えたこと

そんな大好きな存在である舞台の持つ「力」とはなにか?ということを考えたとき、
ちょっと変わった捉え方になる気はするのだが、わたしの回答は、
「観劇後の感想を、とにかくなんとしてでも言葉に書き起こしたくなってしまうこと」である。
それほどまでに大きく感情が動くという事実そのものが、舞台の力なんじゃないかな、と常々思っている。

観劇を通して得た感情を言語化したくなるという筆者。
その言葉通り、「舞台の力」というものをとても的確に表現された文章だと感じました。
「観客の想像力」という、舞台作品に欠かすことのできない「力」に言及されていたのも印象深かったです。

「舞台の力」

私は「舞台の力」を知らない。

逆説的な書き出しで語られるのは、これから楽しみにしていた初めての公演が中止となり、未だ劇場に足を運ぶことができないでいる一人の俳優ファンの思い。
しかし自粛期間の中、その俳優を、そしてこれまでの出演作品を追っていくうちに確かに受け取っていた「力」。
これもまた、その俳優が、そして共演者や作り手、作品が産み出した「舞台の力」なのではないか。
この期間、配信や過去作品に救われた人は少なくなかったと思います。

主人公の瞳と舞台の力

こちらも一人の俳優の魅力にフォーカスを当てた作品です。
この文章を読みながら、初めて表紙撮影でお会いした時の印象をまざまざと思い出させられました。
こんなに強い力の瞳を持つ人がいるのかと、まさに「主人公の瞳」とは言い得て妙だと、思わず膝を打ってしまいました。

自粛期間中に何本も、さまざまな配信朗読劇を拝見しました。
言葉に重きを置く「朗読劇」というスタイルで、しかし私が惹きつけられたのは役者の皆様の「表情」でした。
劇場空間ではあり得ないカメラの近さで、時にゾクリとさせられる程の至近距離で舞台役者の「表情」の力を堪能できたのは、この期間の恩恵の一つだったかもしれません。

舞台「デパート!」

オススメの舞台作品についての投稿も数多く寄せていただきました。
その中で、可愛いイラストとテキストの訴求力で個人的に最も「観たい!」と感じたツイートを選ばせていただきました。
クリスマスセールを前に老舗デパートで巻き起こるさまざまな出来事を、魅力的なキャラクターを通じて描くオリジナル・ミュージカル作品。
絶望的な状況によって離されてしまった人々の距離が、ようやくまた近づきつつあるこれからの季節、まさにうってつけの作品なのではないでしょうか。
↓こちらのサイトの「SHOP」ページからDVDが購入できるようです。

「リーディングシアター 緋色の研究」イラスト

この「Sparkle note」でもレポート記事を掲載させていただいた、リーディングシアター「緋色の研究」。

5日間行われた公演の2日目に、シャーロック・ホームズとワトソンを演じられた有澤樟太郎さん×鈴木拡樹さんのお二人を、作品中の印象的な場面を交えてとても美しく描いてくださいました。

以上の5作品を、今回は選ばせていただきました。
この他にも本当に素敵なツイートやイラスト等、全ての投稿にとても大きな力をいただきました。
ご投稿いただいた皆様、本当にありがとうございました。

追記

『Sparkle vol.41』表紙&巻頭グラビア撮影時のエピソードです。

今回のコンセプトは、黒い服で喪われた舞台を観る「観客」
そして白い服で喪われた舞台を演じる「役者」を
それぞれ鈴木拡樹さんに演じていただく、というものでした。

先に「観客」の撮影を終え、白い服でいよいよ「役者」として舞台に立っていただく瞬間、私はBGMを再生するため、手元のスマホに視線を移していました。

操作を終え顔を上げると、先ほどまでいた「鈴木拡樹」は無く
一人の「役者」がそこには居ました。

さっきまでの柔和な雰囲気とはまるで違う空気、表情に戦慄を覚えました。
なぜあの時スマホに気を取られ、スイッチが切り替わる瞬間をこの目に焼き付けなかったのか、未だに後悔しています。

その後は、ありもしないセリフを無音でまくし立てる姿や(舞台『アルキメデスの大戦』を意識していたそうです)、
指先まで研ぎ澄まされたしなやかな舞踏に完全に心奪われ
カットをかけるタイミングすら忘れ呆然と見惚れていました。

役者・鈴木拡樹の「舞台の力」。
今の今まで強烈に印象に残っています。

その後、楽屋での鈴木拡樹さんを撮影する予定でしたが、急遽取りやめにしました。
この素晴らしい「役者」の、舞台を降りたオフの表情を撮るのが、急にとても野暮なことに思えたからです。

その代わりに、カーテンコールをリクエストさせていただきました。
グラビアのラスト、そして巻末の編集後記に使わせていただいたこの写真が、私はとても好きです。

「舞台の力」をテーマに掲げたこの『vol.41』は、さまざまな要因もあり、とても思い入れのある一冊となりました。
一つの雑誌を通じて役者の皆様の、そして読者の皆様の「舞台の力」を伺えたことは、本当に貴重な財産となったと思います。
この財産を大事にしながら、これからも皆様にとって宝物のような一冊にするべく『Sparkle』を作っていけたらと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

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