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リスクマネジメント【SPARKLE LEGAL】

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スパークル法律事務所が発信したリスクマネジメント関連の記事を集めたマガジンです。
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#名誉毀損

アンチスレでのYouTubeスクショは著作権侵害か?:発信者情報開示(認容)

ポイント 今回は、YouTuberである原告が、インターネット上の匿名掲示板のアンチスレに原告のYouTube動画のスクリーンショット画像等を投稿した第三者の発信者情報(本件発信者情報)について、アクセスプロバイダ3社に対して、著作権(複製権及び公衆送信権)を侵害するものであると主張し、プロバイダ責任制限法4条1項に基づき、本件発信者情報の開示を求めた事案をご紹介します(東京地判令和4年11月10日令和4年(ワ)第11853号)。  東京地裁は、本件発信者情報の開示請求を

アイドル本人による「なりすまし」への発信者情報開示(認容)

ポイント Twitter(現:X)において、あたかもアイドル本人が「裏垢」として運営しているかのような「なりすまし」アカウントを作成し、アイドル本人になりすまして問題投稿を行っていた第三者の発信者情報について、アクセスプロバイダに対して開示請求をし、許容された事案(東京地判令和4年8月24日令和4年(ワ)第14708号)をご紹介します。  東京地裁は、原告の高校の入学式の写真の投稿について、「自己の容貌を撮影した写真をみだりに公表されない人格的利益」を侵害すると判断し、ま

「100%ブラック企業w」という投稿の発信者情報開示請求(認容)

ポイント 本件は、情報サイトに「100%ブラック企業w」等と書き込まれたことに対して、そのような書き込みをされた企業が発信者情報開示請求を行った事案です(東京地判令和4年7月29日令4(ワ)3808号)。  東京地裁は、原告の社会的評価が低下したことは明白であるとした上で、違法性阻却事由も存在しないとして、発信者情報(氏名又は名称、住所及び電話番号)の開示を認容しました。  本判決のポイントは、以下の点となります。 1.事実関係と争点 原告は、「株式会社XY」という商