マガジンのカバー画像

リスクマネジメント【SPARKLE LEGAL】

23
スパークル法律事務所が発信したリスクマネジメント関連の記事を集めたマガジンです。
運営しているクリエイター

2023年11月の記事一覧

【令和3年改正法】新手続下での発信者情報開示命令事件/却下決定に対する異議事件(却下決定認可)

ポイント 今回は、プロバイダ責任制限法(※令和6年(2024)改正法で情報流通プラットフォーム対処法[略称「情プラ法」]に名称変更)の発信者情報開示命令事件手続(同法8条以下)の事案をご紹介します(東京地判令和5年7月6日令和5年(ワ)第70144号)。この事案では、写真の著作物性を認めずに著作権侵害を否定し、発信者情報開示命令申立てを却下した原決定に対し、原告が異議の訴えを提起したものの、やはりその主張は認められず、原決定が認可されています。  法改正後も、従来の発信者

コロナ緊急事態宣言下で、政府系金融機関の従業員が顧客の悪口を投稿:発信者情報開示(認容)

ポイント 原告の従業員と思われる匿名の投稿者が、5ちゃんねる(5ch)に、顧客への侮辱を含む記事を投稿(本件記事)をしていたため、原告自らが対応し、当該投稿者の発信者情報(本件発信者情報)について、アクセスプロバイダに開示請求をし、認容された事案(東京地判令和3年9月1日令和3年(ワ)第1897号)をご紹介します。  東京地裁は、本件記事が国民生活の向上に寄与することを目的として設立された原告に顧客を蔑視する風潮がある事実や原告が不合理な融資審査を行っている事実を摘示して

アンチスレでのYouTubeスクショは著作権侵害か?:発信者情報開示(認容)

ポイント 今回は、YouTuberである原告が、インターネット上の匿名掲示板のアンチスレに原告のYouTube動画のスクリーンショット画像等を投稿した第三者の発信者情報(本件発信者情報)について、アクセスプロバイダ3社に対して、著作権(複製権及び公衆送信権)を侵害するものであると主張し、プロバイダ責任制限法4条1項に基づき、本件発信者情報の開示を求めた事案をご紹介します(東京地判令和4年11月10日令和4年(ワ)第11853号)。  東京地裁は、本件発信者情報の開示請求を