見出し画像

パーソナリティーは奥深い~#125編集後記

パーソナリティー番組が溢れる時代


不思議だなあと思うことばの一つに「パーソナリティー」がある。「人格、性格」という元々の意味のほかに、「特定番組を担当するタレント」という意味を持つ。1950年代のアメリカで個性的魅力を持ったラジオ番組の司会者を「パーソナリティー」と呼んだことから定着したようだ。

それから70年。今や、多様なパーソナリティーを持つ人がパーソナリティーを務める “パーソナリティー番組”が世の中に溢れている。ラジオだけでなく、ポッドキャスト、YouTubeなど番組形態も進化している。パーソナリティーも多様だ。政治家、学者、料理人、アーティスト、塾講師、主婦、子ども…。老若男女、職業も様々。誰も彼もがパーソナリティーになれる時代は夢があってとても素敵だと思う。
 
私たち資生堂S/PARKの「美のひらめきと出会う場所」もその一員。化粧品メーカーの研究員がパーソナリティーとなり、ゲストとおしゃべりするポッドキャスト番組だ。
 

パーソナリティー診断を信じますか?


そんなパーソナリティー全盛時代だから「パーソナリティー」の元々の意味「人格、性格」に対しても関心が高まっているように思う。
 
MBTI診断が人気だ。MBTI診断とは、個人の好みや生まれ持った能力、行動や考え方の傾向を16タイプに分けて診断してくれるパーソナリティー診断。他者への関心を高め、距離を縮めるためのコミュニケーションツールとしてMBTIを楽しみながら使っている人は多いだろう。同僚や友人、家族らと各々の診断結果を伝えあったとき、その意外性にハッとさせられたりする。
 
一方で、この診断結果は「適職」を考えるのにも有効だと言われる。たとえば、16タイプの1つ「建築家」は職業そのものズバリを指しているし、「幹部」とか「仲介者」なども名前を見ただけで組織の中での役職を何となくイメージできる。
 
だが、この診断結果を鵜呑みにし過ぎるのはどうだろうか。なりたい職業があるにも関わらず、診断結果を見て「自分には向いてなさそう」と自信を喪失し夢を諦めるキッカケにとなってしまうとしたら、もったいない。

パーソナリティーを開拓しよう


私は昨年、こちらのポッドキャスト番組の推進チームに入った。企画やパーソナリティー、ライターを経験してみたいと思ったからだ。研究員という本業では得ることのないユニークな経験を通して自分の可能性を試してみたいと思った。

嬉しいことに、 #125 の社員ゲスト回でパーソナリティーを担当させてもらった。MBTI診断によれば私は「討論者」なので、番組司会には向いていなさそうだったのだが…

案の定、結果は散々で、自分の理想のパーソナリティー像(たとえば、坂上みきさんのような)とはほど遠い路頭に迷った進行しかできず、凹み、打ちのめされ、もう2度とパーソナリティーやらない!と心に誓った(ただし#125でパーソナリティーをご一緒した森谷さんはとても自然で素敵な進行をされていますので、緊張した私と対比しながらぜひ聴いてみてください)。

でも今この記事を書きながら、またチャレンジしてみたい気持ちに変わってきた。確かに私は、パーソナリティーの定型にはピタリとはまりそうになかった。でもそれだけを理由に怯むこともない。やる気があれば、自分の個性を活かしたパーソナリティースタイルを開拓して行けばいい。それにこの番組は、そんなやる気を受容してくれる懐の深さがある。
 
“パーソナリティー“は、磨くもよし、拓くもよし。

「個性」と「ラジオなどの番組司会」… 2つの意味を持つこのことばが、寛容で奥深いものに思えてきた。優しく、勇気までくれる不思議なことばだ。
 
編集後記担当ライター:ナミコ(SAKURAI)



#125のエピソードはこちらから