生活検査に引っかからない感じで 12/16(木)

僕は散髪に行くのが苦手だ。正確に言えば散髪に行って、髪型を注文するのが苦手だ。何が正解かわからないし、自分のセンスが問われる気がして頭がおかしくなる。「写真を見せるといい。」と簡単に言ってくる人がいるが、写真を見せると相手により具体的に「こんなのが好きなんだー。」と思われる気がして恥ずかしくてたまらない。
しかし、中学生になると、散髪の注文が毎回不安でたまらなかった僕に最高の武器が手に入った。それは「生活検査に引っかからない感じで」だ。これを言うと、どこの散髪屋さんでもすぐに何も聞かず、髪を切ってくれる。しかも、全く個性のない髪型であるため、「この人ダサい。」と思われることもない。誰もが「この子は生活検査に引っかからない感じの髪型だ。」と思うだけだろう。この髪型はオシャレとかダサいとかそんな次元に僕はいないということを一瞬で相手にわからせることができるのだ。
しかし、現実は残酷だった。大学生になると校則はなくなり僕の最強の武器を使うことができなくなったのだ。しかも、大学生はオシャレとかダサいとか気にする人がウジャウジャいる。僕は、相手に自分はオシャレとかダサいとかそんな次元にいないと思わせたい。そうすることでとりあえず、センスがないとは思われないからだ。だから、僕は今日もあえて寝癖を直さず授業を受けている。あー、明日から校則復活しないかなー。

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