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島袋千栄 カベドールのいるところ

島袋千栄さんの個展「カベドールのいるところ」、創意に充ちた楽しい展覧会でした。
島袋さんは、美しいラインの線画もフリースタイルのペインティングもすごく達者に描かれて、個展ではずい分色々な作品を拝見させて頂いておりましたが、ここ数年の間に「カベドール」というオリジナルな作品が創出されました。「カベドール」は、創出というより発明といった方が良いかも知れません!
何しろ島袋さんご自身の楽しさが伝わって来ますし、ペインティング技術満載のオブジェなんて、どこにも存在しない、すごく魅力的なものではないでしょうか?
また、南欧も北欧も含めたヨーロッパの家々のイメージを彷彿とさせるテーマの作品の数々は、不思議な新しい風を感じさせられます。
現在も戦時のようにコロナという災禍を抱えて生きている私たちですが、2011年の福島原発の厳しい時代をスタッフとして一緒にお仕事して頂いていた島袋さんと過ごした時間を感慨を持って思い出しております。
島袋さんから寄せられた素敵な文章をご紹介させて頂きますね。

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 2019年11月に初めてカベドールだけの個展を開催し、会期が終わって直ぐに次の個展を1年10ヶ月後に決めた時は新型コロナウィルスの存在など誰も知りませんでした。
2019年12月にそのウィルスが世の中に出現し、それ以来その名前を聞かない日はありません。
ほんの2年足らずで世界が変わってしまいました。
その間の制作は複雑でした。
何をテーマにするべきか…

 東日本大震災の時に私はスペースユイのスタッフとして働いていました。あの時も日本中が暗く重苦しい空気でした。
そんな中、毎週明るく元気な作品が展示され、心を前向きにしてくれたのを思い出しました。
アートの必要性を感じたものです。

 私もそんな風に見て頂く方が
少しでも心が軽くなるような作品を作りたいと思い、
今回のテーマを
素敵な所、可愛いモノ。
にしました。

 お家時間が長くなり
読書をしたり、知らない街に想いを馳せたりした方も多いことと思います。

そんな絵やカベドールを制作しました。

 お陰様で沢山の方にご高覧いただきました。
感謝申し上げます。

 こんな時だからこそ、
明るく心軽やかになる
作品作りをしていきたいと
会期後、改めて思いました。

 一日も早くマスクなしで明るく笑い合える日が来ることを祈っています。

 最後になりましたが、
スペースユイの木村さん
そしてスタッフの皆様
大変お世話になり
有難うございました。

島袋千栄

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