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都市を退化させる

早いことでもう2020年もそろそろ終わりとなりました(編集中にあと一日になってしまいました😅)
皆さんにとっては、どのような1年となったでしょうか?新型ウイルスによって、様々な影響が生じ、今までの常識が塗り変わるような1年でした。今年の始めなんて、東京オリンピックに浮かれていたので、本当に何が起こるかなんて誰にもわからないなと感じます。

さて、末も年末ということで、皆さんはどこで過ごしていますか?今年は、地元に帰らないという人もいるでしょうが、だいたい近くに住んでいる人は帰るのではないかと思います。
僕の地元は長崎県諫早市で、過疎化に苦しんでいる地方自治体の一つなのですが、皆さんの地元はどうでしょうか?
今回は、この過疎化をテーマにnoteを書いていきます。

都市と生命体は似ている



交通機関を血液のような循環機関として、建設物は細胞として、というように都市を生命体として捉える概念が地理学には存在します。
難しい話をすると僕がわけわからなくなっちゃうので、ちょっと正確ではなくなりますがまるーく説明すると、生き物と都市を重ねて考えてみようという感じです。

そこにおいて、都市の発展を生命の進化として捉えようとなっています。
競争に勝つために身体を大きくした草食動物のように都市は成長とともに大きくなり、羽を身に着けて空を飛ぶ鳥のように、都市も新たな仕組みを身に着けて発展していきました。

しかし、今のところ地方都市は過疎化の一途をたどっており、夕張市のように破産した自治体も存在します。
そこで、生命が絶滅を避けるため退化したように都市も衰退を避けるため、退化するような工夫が必要ではないかと考えられてきています。

都市の退化

一見、退化と聞くと悪いことのように感じますが、今を生きる私達人間だって退化した部分が存在します。
それは水かきですね!

もともと人間の祖先は水生生物であり、もちろん水かきがありました。胎児のときには皆さんにも水かきがあるので、まだ少し名残がありますね。

この水かきの退化に似た都市の退化が存在します。デンマークのコペンハーゲンでは、フィンガープランといって、2007年からコペンハーゲンを中心に鉄道を伸ばし、その沿線のみを発展させ、その間「水かき」の部分の発展を抑えるという40年規模での試みが行われています。
これを行ったことで、デンマークでは都市が集約化され、かつコペンハーゲンに機能が集中することも同時に防いでいます。

これが日本の場合であると、沿線に沿いながら土地価格の安い郊外にも都市を伸ばし(スプロール現象)、結果過疎化に伴い、沿線郊外問わず衰退しています。これは骨粗鬆症に例えられ、非常に重要な問題だとされています。

実際には、もっと複雑なことも考えられていますが、このことを知るだけで、都市を常に発展させる必要はないことが伝わりますよね。なんなら、発展させることに重きを置きすぎると、太古の時代に滅んだ恐竜のように、都市が荒廃してしまう可能性があるのです。

現在、日本の地方都市では退化させるような改革が行われており、その度に多数の批判が出てくるのですが、これは衰退を避けるためなのだということを理解する必要があると考えています。
生命でも都市においてでも、生き残るのは強い者ではなく、変化に対応できるのではないかというお話でした。

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