轟音
こんな不安な世の中で、本当に来てくれて感謝しかない。
果たして本当に自分が行っていいのか不安ではあったけど、不安なまま楽しもうとしたら、逆になにかにやられるような気がした。
やっぱり本当にこの人達を今から目の前にできるの??と緊張していた。ずっと。
何度も何度も過去のライブ映像で聞いた、あのSE。きっと奥で、歌っているのだろうなと目を閉じて思った。メンバーが出てきて、もうダメだった。感情が溢れ出してしまった。アンプの上のマリア像をじっと見て、何を思ってたのだろう。
短い映画を見てるようだった。白黒の冬の美しさがあった。きっと寒さがもつにおいがした。
「ブラックバードカタルシス」のギターと声に、鼓膜を持ってかれた。
あの轟音。
この耳鳴りがなくなってしまうと思うと悲しい。
激しい、徹底した轟音の中で、希望しか歌われていないのだ。
心が狭くなっていたけど、何だかなと思えてしまった。木偶の坊で、卑屈なままだろうけど、小さな愛を。
追伸:最後、幻想を抱えて生きることにする。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?