これまでの運営を通して得た気づきについて~運営とコミュニケーション~
はじめに
こんにちは! 青芳龍(あおよしりょう)と申します。
この記事は、オリエンテーリング Advent Calendar 2023裏版の1枠をお借りして投稿しております。
こうしたものを書くのは初めてなので拙い文章ですが、等身大で執筆しておりますので、気軽に読んでください!!
自己紹介
東北大OLC2016年度入学で、今はES関東クラブに所属しています。
学生の頃からスプリントが好きで、最高成績はスプリントがME10位、フォレストがME51位のスプリント型ティアです。
学生の頃はコースセットが好きで、2018年東北大大会のコースプランナーをしたり、「あしゃりぇん」という朝練のまがい物のような練習会を(ほぼ)毎週開催していました。
現在はES関東Cに最近所属し、スプリント多めでゆる~くオリエンテーリングをしています。全スプの決勝にギリギリ出場できるので、何とか競技者としてランモチベを保っています。
書くこと
「なんでまだオリエンテーリングを続けて、運営に関わっているんだろう」
イベントアドバイザーとして東北大大会の試走に行った帰り道、ふとこんなことを思ったのが今回の執筆のきっかけです。もしかしたら皆様も一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
友人や会社の同僚が休日にデートしたりショッピングしたりエンジョイしている中、なぜオリエンティアは卒業しても休日を使って大会運営に向かうのか…。
一度自分の心を覗いてみた時、見えてくるものがあったので共有します。
自分の結論は、
「人の心に何かを生み出すことができる、数少ないコミュニケーションの手段だから」
でした。
これから、過去の運営のことを振り返りながら、自分が26年を経て得た気づきについて執筆していこうと思います。皆様も、なぜ自分が運営をするのか、是非ここで一度振り返ってもらえれば幸いです。
大学時代の運営について
東北大大会
まず、僕が初めて本格的に運営に携わったのは第41回東北大大会でした。初めての大会運営ということで、緊張と同時に強いワクワクを感じていたのを覚えています。
大会では、コースプランナーを務めました。練習会で何度かコースプランナーを務めており、みんなが自分が組んだコースを走ってくれるのが嬉しくて、そんな純粋な気持ちで立候補していた気がします。
コース組みのコンセプトとして、遠方から来た人に「東北らしさ」を伝えるということを常に意識していました。
普段は全国に出向いて各地のオリエンテーリングを楽しんでいる分、今回は自分が届ける番。そんな意気込みで運営に取り組んでいました。
大会を開催した岩切というテレインは、緑が多く()、激斜も多くありながら綺麗で爽快に走れるエリアもある、まさに「The 東北」っていう感じのテレインです。ここでなら、「遠方から来た人に東北の魅力を発信する」という当初の目標が達成できる。その一心でよいコースを組もうと同期と必死にあれこれ準備していました。
競技以外の部分でも東北を楽しんでもらおうと、大会公式ブログを設立し、そこで仙台の魅力を発信したりもしていました。準備自体はかなり大変でしたが、日々みんなに東北の魅力発信を行うことを目指して夢中だったことを覚えています。
東北大大会のOK-info様の記事はこちら
東北大前日大会
翌年の東北大前日大会では、実行委員長を務めました。
この大会は自分の中で本当に思い出に残っている大会で、今からでも記事が一本書けるぐらいです。
前日大会を開催するにあたり、僕の中には「遠方から来た人に、競技だけでなく宮城県の魅力を発信したい」という思いが強くありました。
それと同時に、「斬新な競技を開催したい」という思いもあり、それらを叶えられる場所を探して宮城のいたるところに原付で旅していたのを覚えています。
そして、ここしかない!と思ったのが奥松島の集落でした。風光明媚な松島の景観があり、複雑に入り組んだ集落もあり、テクニカルな公園もある、まさに楽園でした。
そんなこんなで同期話し合いの場で、ダメもとで奥松島のシティスプリント開催を提案しました。
すると、「まあ、やってみるか!」ということになり、まさかの開催が決定!同時に実行委員長の就任が決定しました。今思うと、あの場でこの提案を受け入れてくれた同期のみんなには感謝しかありません。本当にありがとうございました。
集落での開催は前例がなかったので、一軒一軒挨拶周りをしたり、全ての分岐に役員を配置したりと、これまでにない大変さがありました。
島の集会に参加し、町長たちの前で大会のプレゼンをしたことは今でも鮮明に覚えています。
それでも、日々「参加者にこの場所を楽しんでもらいたい」という思いで、大会に向け淡々と準備を進めていきました。何度も奥松島に足を運んでくれた同期、特に渉外担当者にはとても感謝しています。
また、奥松島の良さを最大限に楽しんでもらうために、協賛にも力を入れました。そしてなんと、げんちゃんハウス様からレース後に牡蠣の味噌汁とサバのから揚げを無料で提供していただけました!!
大会当日はあいにくの雨模様でしたが、参加者の皆様から満足の声を多く聞くことができて本当に良かったです。
同期のみんなのおかげで、みんなに奥松島、宮城の良さを発信することが少しでもできたのかなと思い、一人感傷に浸っていました。
東北大前日大会のOK-info様の記事はこちら
(余談)あしゃりぇんについて
東北大では毎週、朝練としてキャンパススプリントが開催されています。僕はその流れにのっとって、「あしゃりぇん」という朝練のまがい物を(ほぼ)毎週開催していました。
名前がふざけている分実はコースの質にはこだわり、参加してくれた方がしっかりと競技力があげられるよう、いつものキャンパススプリントに彩りを加え、毎回試行錯誤しながらコースを生み出していました。
朝練の二軍感のある名前なので甘く見られがちでしたが、後輩から
「あしゃりぇんのおかげでスプリント能力が上がりました!」と声を聞いたときは、地道に続けてきてよかったなあと思いました。
社会人になってからの運営について
インカレスプリント2022副競技責任者
学生を卒業して最初に経験した大会運営は、なんとインカレスプリントの副競技責任者でした。
学生の集大成となる舞台、絶対に盛り上げて成功させるぞ!
そんな思いで最初は臨んでいましたが、正直に言ってやれていなかったことが多かったかなと思います。
振り返ると、周りで運営していたメンバーに優秀な人が多く、「自分は何ができるんだろう。」といったように、自分中心の考えで運営に臨んでしまっていました。
最初は学生のためを思って始めた大会運営でしたが、自分の実力不足を痛感し、いつの間にか自分のことしか考えられなくなっていたなと、反省しています。
それでも、みんなで夜な夜な準備して、学生たちが全力をぶつけ合う舞台を作り上げられたことに後悔はありませんし、本当にやってよかったなと思います。レースの観戦も非常に楽しく、当日はずっと感動していました。
一緒にあの時期を過ごした皆様には感謝してもしきれません。本当にありがとうございました。
大会終了後、
いつか自分も中心になって、こうした大きな大会を盛り上げられるようになりたい!といった、悔しさにも近い憧れの気持ちを抱いたことを強く覚えています。
東北大大会(イベントアドバイザー)
インカレ開催の数週間前の東北大大会にて、現東北大主将の平出に大会終了後に呼び出され、大会コントローラのお声がけをいただきました。
声掛けをいただいた当初は、インカレのことで頭がいっぱいで保留していたのですが、インカレを終えて「もっと自分も何かできるようになりたい!」と思い、引き受けることにしました。
そして運営をしていくうちに、自分の気持ちの中に変化が出ていることに気づきました。
当初は自分の成長のために大会コントローラを引き受けたのですが、コントローラとして運営を行っていくうちに、当初東北大大会を運営しているときに感じていた「参加者に良い思い出を届けたい」という気持ちを思い出すことができたのです。
結局仕事等も忙しく、テレインも住んでいる場所から遠かったのもあり参加頻度は高くなかったのですが、自分のできることはやり、心から楽しんで運営をすることができていたなと思います。
能力が高くなったわけではありませんが、自分なりに運営をする意義に気づくことができ、インカレスプリントの時よりも少しは成長できたのかなと思います。
まとめ「結局、何のために運営をするの?」
長々と書きましたが、結局なぜ運営をするのでしょうか?
僕が振り返って気づいた答えは、「人の心に何かを生み出すため」でした。
練習会でも大会でも、運営するうえで自分の大きなモチベーションになっていたことが、
「自分が価値を参加者に提供して、みんなに楽しんでもらいたい」ということです。東北大大会、東北大前日大会では「東北の良さを参加者に味わってもらう」ということをモチベーションにしていましたし、あしゃりぇんは「日頃のキャンパススプリントでしっかりと実力を身に着けてほしい」という思いで長い期間継続開催することができました。
この根底にあるのは、
「自分の提供するもので、人の心に何かを生み出したい」という、対人的な強いモチベーションです。
逆に、インカレスプリントの運営ではこの対人的なモチベーションを忘れ、自分のことに執着してしまったために、運営を心の底から楽しむことができていなかったのかなと思います。
今挙げた例では運営自体という大きな枠組みでの話になりましたが、
もっと小さなところでも、「人の心に何かを生み出す」ということは可能であり、行動する原動力になっていることは変わりないと思います。
「このレッグでどんな課題を参加者に与えよう」とか、「ここの地図表現をわかりやすいように強調しよう」とか、「誘導の看板が分かりやすいようにこう書こう」とか、「スタート地区で明るく挨拶しよう」とか、、
こうした、参加者のことを想って行動し、参加者の心の中に何かを生み出す行動こそが尊く、それが集結したものこそが運営ではないかと思います。
少し抽象的な話になりますが、私たちは当然個別の存在である以上、自分の世界しか生きることはできませんし、他の人が見ている世界を覗くことはできません。
そんな中で、誰かを思いやって行動し、何かを作り出すことで他人の心を動かす。そして他の人の世界に何らかの感情が残る。その行為がコミュニケーションであり、非常に尊い行為である。と考えています。
不器用で特技も多くない僕にとって、オリエンテーリングの運営をすることは、他者と自分の世界に橋をかける、数少ないコミュニケーションの手段だったのかもしれません。
自分で何かを作り出し、他者の心と繋がることができる。それが嬉しくて、今でも運営に関わり続けているのだろうと思います。
色んな創作物で溢れ、自分自身を満たすことならたやすいこの時代。
そんな中で、自ら何かを作り出し、人の心を動かせる。そんな人に強い憧れがあります。だからこそ不器用な僕は、人の心と繋がる手段として、これからも大会運営に関わり続けていくのだろうと思います。
おわりに
拙い文章にここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
これまで書いた通り、新しく人の心に感動を与えられる何かを作り出せる人に強い憧れがあり、これからもオリエンテーリングを通してそんな人に近づいていければと思っています。
この記事を通して、みなさんがなぜ運営をするのか、なぜオリエンテーリングを続けているのかについて、一度振り返るきっかけになれば幸いです。
それにしても、自分の思っていることを言葉にするのは難しい、、
最後に、いつ供養したらいいかわからなかった、幻の北東スプセレのコースを載せて終わります!皆さん良いクリスマスをお過ごしください!!
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