14.

毎日寒すぎて
春は一生来ないのではないかと思っていたけど
そんな私の悲壮感を嘲るようにあっさりあたたかくなって
知らないうちに桜は散って
春もまた終わろうとしている


最近、私は他人と長く繋がっていることができない人なのだという考えが
自分の中で濃くなっている

最初の方は頑張って道化師のように振る舞い
でも余裕がなくなってくるとそれができなくなり
そして
自分の纏っていた殻が剥がれていくのが自分でもわかり
そうすると
ああもうここから消えなくては
という気分になってしまう

汚い自分が露呈したら
もうそこのひとたちとは関わっていられないと

今いる場所からは
あと1年で去ることを決めた
今関わっている人たちともあと少しで縁が切れると思うと少し楽になる
あと1年で
みんなの前からきれいに消えてみせる
それだけに希望を見出している

もちろん、
それまでに死ねるのが本望だけど
そんなに簡単に死ねるとはやっぱり思っていないので


People In The Boxのライブに行った

会場が仕事場から少し遠かったので
行くか迷ってたけど
どうせなら行こうと
死ぬ前に一度でも、
未練は減らせるなら減らしておこうと
行くことにした

時間休をとって仕事を早退けしてライブハウスに向かった

peopleさんのライブも初めてだったし
ライブハウス自体も初めてだったから不安もあったけど
思ったよりひとりで来ている人も多くて
一緒に小さな箱に閉じ込められた人たちに対して
著しい親近感も抱かなかったし、疎外感も抱かない
心地よい雰囲気だった


月曜日/無菌室は
大事な曲で
昔大鬱時代にネットで繋がっていた女の子とようやく会えた時
歩きながら一緒に歌った曲

私を取り残すように、
さらに言えば私を突き落とすように
その子は元気になって私から離れていったけど

ずぶずぶずーぶと
蝕まれて
堕ちて
だけど、生きてしまって
愛されたくて

波多野さんの声は優しかった
この声にこのまま殺されてもいいと思った

薄くて細い肩が激しく揺れてギターをかき鳴らすのに見惚れてしまった
やっぱりライブに行くと
ロックのかっこよさを改めて強く感じて呆然としてしまう

鍵盤のない、は大好きな曲
最後の「君の心は鍵盤のようにバラバラになってしまったからね」が特に好きなんだけれど
その後のアウトロの盛り上がりがすごく良かった

波多野さんの歌声はすごく良いんだけど
曲の朗読の部分とか
MCで話している時の声が
きれいすぎて

peopleさんの歌詞は
不思議で理解しきれないところもたくさんあるけど
ふと心を刺してくる
ふと本質をついてくるような鋭さがあって
身悶えそうになる

数秒前の果物の歌詞も
うわ…てなるような
こちらの心を掠めていくような痛さがあって
すごく好きです…

旧市街は生で聴いても
奇妙でかっこよくて
すごかった…
聴いてて楽しかったし
こんな演奏、200人弱しか聴けなくていいの…?みたいな気分だった

最後のバースデイも
真夜中も
ほかの曲も
全部全部良かった


うまく言えないことばっかりだけど
行って良かった
大好きなバンドです


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