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My First ODEN.

昨日、おでんについて、

調子のいい話をしてしまいましたが。

ごめんなさい。
違うんです。ホントは。

出会いは、トラウマ級のインパクト。
ファーストバイトは、飲み込むことすら、
噛み切ることさえ叶わなかった。

というのも、わたくし、10才の時、
父親の転勤により、ソウルから大阪へ引っ越しをし。
右も左も、ハイもイイエも知りようもなく、
いきなり日本語と日本の文化に揉まれることになりました。

「建国小学校」という
韓国人学校に入学することになるのですが。
生徒間の共用語も、授業も、基本は日本語。
日韓の文化がマッシュアップされたその場所では、
たった10年という短い人生ではありながらも、
自分なりに築き上げてきた人生観が一瞬でクラッシュ。

わわわわわ、ナニコレ。ウソでしょ?
というハプニングの連続でした。

その1つ目、「異食」との出会い。

建国小学校は、幼・小・中・高まであるマンモス校だったため、
給食は巨大な食堂にて。
小さい子から、時間差で食べる決まりになっていました。

そうです。その食堂です。
おでんと出会ったのは。

転校初日でした。
自己紹介もなんとか終えて、
お昼休みになって、
クラスメイトたちと食堂へ。
やった〜お昼ご飯だ〜!!!
のはずが。

?????

茶色い平たい丸いのと
茶色い細長いのが、
うす茶色い汁に浮かんでる。

そして、象の肉。
そう、象の肉。

黒い点々のあるグレーで四角い、
象の肉。

これがもし、
日本の国民的愛され食材だとしても、
だとしてもね、
ママ、こわいよ・・・。

「おいしいのよ♡」って、
ママが「あーん♡」してくれたとしても。
愛せないでしょ、このビジュアル。

あ・・・これ、ヤバい。

なにがこわいかって。
みんなが、美味しそうに食べてのが、こわい。

あ・・・わたし、試されてる。
これは試練だ。試練だよ。
食うか。食われるか。どちらかだな。

だって、象は、
アフリカとか遠いところにいるんでしょ?
テレビでみたもん。
そんな象さんが給食に出てくる。
日本って、しゅごい。しゅごすぎるよ。
韓国のクラスメイトに教えてあげなくっちゃ。

・・・いただきます。

心臓バクバクなのを隠して、
象さんの肉を一口。

あ、何この弾力。

噛めない。噛み切れないよ。
ウソでしょ?
どうしてこんなぶよんぶよんするの?
みんな、笑顔で食べてるけど。
ウソでしょ?
慣れたら、笑顔で食べれるの?

・・・・・・・・。

そしてその後、
わたしは一言も発さなくなる。

口のいっぱいに象さんを詰め込んで、
うっすら涙と微笑を浮かべながら、
小走りで食堂を去ったのだった。

これが、おでんとの出会い。
正確に言うと、こんにゃくとの出会い。
あれがもし象の肉だったとしても、
今なら食べれなくもないかもなぁ、と思う。

お母さん、
こんな娘に育ってしまって
ごめんなさい。

#同時日記 #おでん

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