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日本無線株式会社様 事例紹介

日本無線株式会社(以下、日本無線)様は通信技術のリーディングカンパニーです。日清紡ホールディングスの中核であるエレクトロニクス部門に属しており、産業用および公共用無線通信システムなどを製造・販売しておられます。100年を超える歴史があり、優れた通信技術をもとに、差別化された製品を数多く有している日本無線様ですが、その内実に比べて、文系学生からの認知度が高くないという課題をお持ちでした。そこで日本無線様は事務系採用の強化を目的としたインターンシップコンテンツの開発を行うこととしました。その具体策として、日本無線様は気象レーダーとダムコン(ダム管理用制御処理設備)の2製品の営業を追体験できるデジタル版ビジネスシミュレーション制作を創作株式会社にご依頼されました。当事例紹介では、コンテンツの概要と人事採用ご担当者様のインタビューをご紹介いたします。


コンテンツ概要

用途:   新卒採用ワークショップ(約3時間)
対象学生: 事務系採用
種類:   ウェブブラウザゲーム(オンライン)

トップ画面

社内や社外の人に話しかけに行ったり、自分で調べることを選択できます。

アクションの選択肢

トップ画面から人物を選択した画面です。その人と何について話したいか選択できます。

会話が展開されていく

話題を選択するとその人との会話が進んでいきます。会話が終わると信頼度などのパラメータが変化したり、新たな選択肢が増えたりしてストーリーが進んでいきます。

資料一覧

ワークを進めるにあたり参考にすべき資料類は左側のボタンから閲覧可能です。

クライマックスの入札画面

受注の成否が決まる入札画面です。どんな機能や設備を入れて利益をどれくらいに設定するのか意志決定します。ワーク内の架空の競合他社に勝てれば受注となります。

最終得点画面

【顧客満足度】と【利益】の合計が【最終得点】となります。

制作依頼の背景

人事部 人財開発グループ 黒木 陽子様

ーー今回のコンテンツ開発の背景を教えてください。

黒木:当社はBtoBメーカーで、取り扱っている製品は無線機器です。無線機器は目に見えない機能を取り扱っているので、文系の学生にはつかみどころがない製品です。また採用競合である電気総合メーカーに知名度で劣っており、コンテンツで魅力を感じてもらって、学生の志望度を上げたいと考えました。当社がこれまで使用していたコンテンツ以外のもので、事務職を目指す学生に向けて魅力を伝えられるものが用意できないか、頭を悩ませていました。

ーー今回は官公庁向けの仕事内容をテーマに選んだのですが、それはなぜだったのでしょうか。

黒木:当社の売上の6割を占めるのが官公庁向けの製品です。そのため、民間営業でなく官公庁向け営業のコンテンツを用意できたら、当社の他のコンテンツとも採用市場での競合とも差別化ができるのではないかと考えました。そこから、官公庁向けの仕事について魅力付けしたいと考えました。
これまで官公庁向けの製品の魅力は、「社会インフラで貢献できる」というキーワードで押し出してきましたが、結果的に学生の志望動機も「社会の役に立つ」という漠然としたものになっていました。分かりにくい官公庁向けの仕事内容について具体的な例を提示し、こういうところで、こういうお客さんに役立っていて、そのためにこういう苦労があるんだよ、という具体的な例を提示したいと考えていました。

ーー苦労についても伝えたかったのは、なぜでしょうか?

黒木:楽しいことが仕事じゃない、ということは学生も知っています。しかし、実際にどういうところが大変なのか、具体的にわかって入社した方がいいと考えました。また、その結果、早期離職防止につながることへの期待がありました。オンライン開催だと、学生の参加へのハードルが下がっていて、気軽に参加いただけます。その中で、ゲームという方式が持つ面白さ、楽しさを背景に、仕事の大変さとやりがい、醍醐味を伝えていきたいと考えました。

コンテンツ内容

ーーできあがったコンテンツの品質はご期待にかなうものでしたか。

黒木:学生がこのコンテンツを体験すると、最初は専門用語が多くてとまどって、明らかに動揺している様子が伺えます(笑)。しかし、ストーリーが進んでいくと、専門用語への抵抗が薄れて、ストーリーにひきこまれていき、盛り上がっているのがよく分かります。終了時には、学生から面白かったです、難しいけどこういう仕事をやってみたいと思いました、という感想をもらいます。とても成功したコンテンツだと思います。
また当社の差別化のポイントである、少数精鋭で営業、開発から納品、メンテナンスまで幅広く仕事ができるという点がアピールできていると思います。総合電機メーカーだと売上高・社員数が大きいので、営業は営業、保守は保守と仕事が縦割りになりがちです。当社はちょうどよい規模感なので、幅広く仕事ができる、という点が良く伝わっていると思います。
今回、お願いするにあたり、企業理解や当社の強みへの理解について不安がありました。もっと話をした方がよいのではないか、資料を提供した方がよいのではないか、という意見もありました。でも、心配は杞憂でした。当社のことをよく調査いただき、期待していた以上のものを作ってもらえました。その結果、学生に対して「やってもらえれば絶対当社への志望の動機付けになる」という自信をもって、「面白いからやってみて」と言えるコンテンツになったと思います。

共にプロジェクトを行った感想

ーープロジェクトの進め方はご期待通りでしたか。

黒木:まず、企業を理解していく姿勢が素晴らしかったと思います。ターゲット学生をどうするか、会社の強みに基づく打ち出したいメッセージをどう決めていくか、私たちが伝えた以上の回答を出してもらえました。
また、通常は一人のインタビューに基づいてコンテンツを作るのだと思います。今回は、複数人にインタビューしてもらい、その中から一番良いところを抽出して、実際のコンテンツに反映してもらえたのは、さすがだと思いました。途中のテストプレイでも、軌道修正に快くのってくれて、フットワーク軽く対応してくれたのがありがたかったです。

コンテンツ導入後の効果

ーー内定承諾の量や質など本当の成果はこれからですが、現時点でどのような成果を感じておられますか。

黒木:当コンテンツの後、キャリアセミナーや先輩社員との座談会などを案内していますが、予約の入り方は上々です。次の選考やイベントに興味を持ってもらえていると感じています。また、学生が楽しく真剣に取り組んでいるので、素に近い部分が見れています。
実は社内で一つ心配していることがあります。学生が官公庁向けに魅力を感じすぎて、みんなが官公庁向けの部署を希望するのではないかという点です。嬉しい悲鳴だと話し合っています(笑)

インタビューを終えて(創作株式会社から)

日本無線様のように、技術力があり、市場で高く評価されている企業が、学生、特に文系学生からあまり知られていない、という状況を良くみかけます。文系学生には数多くの選択肢があります。その中でメーカーは理系や技術・製品が主役の企業に見えすぎていて、文系の主人公感が伝わっていないのかな、と思います。実際は、メーカーにおける文系(事務系)の活躍の幅は広く、司令塔のように活躍することが求められています。
当コンテンツの制作にあたった山内、柿崎はそれぞれ総合化学メーカー、総合電機メーカーの出身者として、もっと文系学生にメーカーの魅力を知ってもらいたいと考えていました。
当コンテンツの体験を通じて、一人でも多くの学生にメーカーの面白さ、日本無線様の魅力をお伝えすることができれば大変嬉しく思います。