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女神転生Ⅰ・ⅡRearrangeラフ・アレンジ版の解説文

 女神転生Ⅰ・Ⅱ Rearrange、Rough Arrange Ver.がバンダイナムコさんの通販サイトASOBI STORE( https://shop.asobistore.jp/ )にて一般発売されました。

 黒いアルバムのRearrangeのジャケット内側にはKickstarterの高額投資者の名前をスペシャル・サンクスとして掲載し、外側にはCDジャケット裏表とスタッフリストが刷られています。そして4つ折りの歌詞カードが入っています。
 そして白いアルバムのRough Arrange Ver.には曲の制作に関する解説文が入っています。黒いアルバムのみ買った人はこの解説文が読めないので、読みたい人もいるかな?と思い、こちらのノートに置いておこうと思いました。

 黒いアルバムのみを購入された方で興味を持たれた方は、よろしければ聞きながら読んでみて下さい。大したことは書いてありませんけど。(汗

1.DAEDALUS
ファミコン容量対策曲でもありました。フレーズの繰り返し+キースライドに馴染む曲ですね。気がついたら長い曲になっていました。作った当時は飽きられないかな?と心配もしたりしましたが、思いの外好評を得た曲でした。
今回はヴォーカル曲としてアレンジをしましたが、80年代の英国パンク系を意識しました。というかヴォーカルの人には「ビリー・アイドルで」と。w

2.ANFINI~無限宮
女神転生の曲です。メインテーマでもあるアルペジオとベースを柱に新たな展開を加えたインストルメントとして作成しました。ゲーム内ではもっと展開をして欲しいと思われた人も多かったと思います。自分もそうでした。
オリジナルは神秘的だけど怖いイメージを意識しましたが、このアレンジは更にスピード感を加えたいと考えました。ギターのリフが入ると安心してしまうのはもう体質と呼んで良いでしょうきっと。ヴァイスの音源のリアルさやPCの中だけで完結させるという恩恵はファミコン制作当時には考えられない・・・こともないMIDIやFM音源が広がった時代でしたが、同時にROM容量が全く足りない時代でもありました。

3.Battlefield~戦場
何回も繰り返し聞く通常戦闘曲は一番時間をかけて作る曲でした。テンポが早く刻みも多い曲は自ずとデータも大きくなります。しかもバンク切り替えなら常駐させなければならない曲ということで、データ圧縮も一番手を入れてあります。
どのくらいノイジーなサウンドに出来るかが目標だったのは、柔らかい音やキラキラした音が主流だった時代に逆らっていたな~と振り返ります。そして出せない低域との戦い。三角波でベースの音に慣れなかったことを思い出します。

4.Recollections~回想
初代・女神転生のエンディングです。アメリカン・ハードロック・バラード的なイメージでした。今回は更にメロディを乗せる形でアレンジになりましたが、高域の伸びる男性ヴォーカルのイメージです。ギターソロも定番チックに入れてみました。自分の曲のアレンジされている方の動画などを見るときに、自分だったらこうしたいという切り口が見えると楽しくなります。なのでこの曲も自分なりに展開したいように広げました。楽しかったです。

5.Ex-convict~前科者
一発録音でやってみたいなとの思いつきで候補に入れた曲です。コードも簡単なのでアドリブ大会になるかな?と思ったら、歌詞作りも歌のメロディも結構大変でした。考えてみたら一部はギターの音色で考えた曲だったことを思い出したりも。ラフアレンジではメロディ部分を何でやろうかと試行錯誤でした。何気に難産でした。

6.Devil Speak~導き
アルバムに入れるべきか悩んだ曲でもありますが、アレンジで壮大感とか包み込まれる感じをだして中心に女性が歌うようなイメージを作り上げてみたいという動機で作ってみました。表現できていると感じていただければ嬉しいです。

7.Death Match~死闘
女神転生2の通常バトルです。今回はヴォーカルとオルガンを加えています。ソロ祭りになっていますが、戦闘曲は自由でありたいと常々考えています。容量などの関係で長くすることは出来ませんが。でも戦闘曲ってテンポも早く細かく刻むので作るのには体力が必要です。最近は作るたびに息切れしています。(笑)

8.Hallucination~魔界幻想
今回のアルバムを作る動機ともなった成沢氏が大好きでいてくれた曲です。そして多くの方に愛された曲でもあります。自分も大好きです。今回のアレンジは更に深く気持ちよく展開できたと思います。自分の大好きを詰め込んだ曲ですね。聞いて頂けた皆さんが好きになってくれたらもっと嬉しいです。

9.OMEGA~聖戦
コードとか気にしないでとにかく一音ずつを積み上げた曲でした。不協和音や音のぶつかりも関係なく自分の中で気持ちのいい響きがあればそれが正解。ファミコン音源+カスタム音源という中での話で、音源を変えるとまた響きが違って四苦八苦することになりました。不気味感・緊張感・荘厳感を感じていただければ嬉しいです。

10.Epilogue~神々の黄昏
この曲も作ったとき、台詞を入れてみたいなと考えていました。Rearrange版には素晴らしい声を入れることが出来ました。こちらには入っていませんが、脳内補完を宜しくお願い致します。
オリジナルも長い曲ですが、展開が大きくないバックグラウンドに徹した曲なので眠くなってしまうかもしれません。よく眠れる曲も理想ではあります。

11.Dawn Of The Human Being
完全に歌手を想定して作った曲ですが、実際に歌を入れてみたら音域広すぎ!な曲でした。これも手探りで作った記憶があります。ゲームを遊んでくれた皆さんの脳内補完に頼り切るファミコンという媒体ならでは曲でしたが、楽器に展開してみるとコード的にとか色々出てきてしまいます。それでもオリジナルに忠実に、更に要素を加える程度にしてみました。曲は歌う人によって全然イメージが異なるので、可能なら色々な人に歌ってもらいたい曲です。


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