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メガシンセシス・ケンブンロク pt16・ステップ・シーケンサー V

基本メガシンセシス1台でメガドライブゲームの名曲を再現するMEGA SYNTHESIS CHALLENGE
だんだんとコツがわかって来たのか、最初の頃に作ったものと後になって作ったものとで何となくニュアンスが変わってたりします。
久しぶりに打ち込み(死語?)してて面白いシンセです、メガシンセシス。

さて今回はステップ・シーケンサーの5回目。
シーケンスをより有機的に魅せる事ができるロック機能について。
メガシンセシスにはパラメータ・ロック、そしてサウンドロックと言う二つのシーケンス・ロック機能があります。
前者がサウンドの各種設定値をステップごとに記録する機能、後者がサウンドのプリセット(音色)をステップごとに記録する機能となっています。
※メガシンセシスのマニュアルでは「パラメーターロック」の記載となっていますが本記事ではこれまでの法則に則り「パラメータ・ロック」の記載とさせていただきます

パラメータ・ロックはステップにサウンドのパラメータを記録する機能。
特に便利なのがステップを押さえながら何らかのノブを回す事により、その値を直接ステップに入力・編集できると言う部分。。

私がその存在を初めて知ったのはELEKTRONのMonomachine SFX-6だったんですが、それまではリアルタイム入力での記録はされていましたが、それを後から変更する場合は別途エディタ等を開いて値を編集する必要がありました。
そんな作業を該当ステップを押しながらダイレクトに、直感的にパラメータを設定できるって事でビックリ子機マロしたもんです。

そんなパラメータ・ロック機能は名称が違う場合もありますが、現在では様々な機種に搭載されていますね。
メガシンセシスを含めたLIVENシリーズにも搭載されており、これを利用する事で無機質なシーケンスを有機的に動かす事が出来る様になります。
メガシンセシスに搭載されているのはパラメータ・ロック・レコーディング中にシーケンサーを走らせながら各種パラメータを変更することにより値を記録していくリアルタイム入力、ステップを押さえながらノブを回してその値を記録していくダイレクト入力、そしてステップにサウンド・プリセット(BANKおよびSOUND)を記録するサウンドロック入力の3種類となります。

ここで混同しがちなのが操作としてはほぼ通常のステップ・レコーディングとなる為、全てが同じ層(レイヤー)に存在しているように見えます。
しかし実際はノート関連のレコーディング、ステップへのパラメータ・レコーディング、そしてサウンド(プリセット)のレコーディングと3層構造であると言う事です。
またパラメータ・ロック/サウンドロックは無効化する事もでき、状況に応じて通常のシーケンス、ロック情報を読み込んでサウンドが変化するシーケンスのいずれかを再生させる事ができます。
尚、パラメータ・ロックはBPM、VOLおよびFX(黒色ノブの2か所)は記録されません。

メガシンセシスのパラメータ・ロック・シーケンサーのイメージ図。
これらの情報が1ステップごとに記録でき、状況によってステップ内に同居している形となります。


パラメータ・ロックの手順
パラメータ・ロックを有効にするには[PRM LOCK]キーを押し、緑色の点灯状態にさせます。
パターンの初期状態ではPRM LOCKは既に有効になっています。
もう一度押すとオレンジ色に点灯し、サウンドロック入力のモードになります。
この状態で再度押すと消灯し、パラメータ・ロックは無効状態となります。
無効状態ではステップにパラメータロック情報が記録されている場合でも、この情報は読みだされず記録されたノート情報のみを読み出します。
またfunc+PRM LOCKを押すと赤色に点灯し、リアルタイム入力状態となります。
この状態でシーケンサーを走らせながら各種ノブを回すと、ステップにリアルタイムにパラメータが記録されていきます。
シーケンスがループし、既にパラメータが記録されているステップに新たに同じ値を記録すると情報は上書きされます。
尚、パラメータ・ロックではOCTAVEは記録されません。
パラメータ・ロックはトラックごとに無効・パラメータ・ロック、サウンド・ロックを設定できます。

リアルタイム入力
1.func+PRM LOCKを押し、このボタンを赤色点灯状態にさせます
2.再生(▶)を押し、シーケンサーを走らせながら各種パラメータを変更(ノブを回す)すると、現在のステップにその時に変更した値が上書きで保存されます
3.リアルタイム入力を終了する場合はPRM LOCKを押し、赤色点灯から緑色点灯状態へと移行させます

SWEEP項目のSPEEDとRANGEは値としては記録されますが、SWEEP CURVEモードがベンド系(LINE、EXP、LOG)だった場合はサウンドに変化は現れません。

ダイレクト入力
1.PRM LOCKを緑色点灯状態にさせます(パターンの初期状態ではすでに緑色)
2.パラメータを記録するステップをホールド(押さえ)しながらノブを回します。
この時、複数のステップを押さえながらノブを回すとホールドしているステップ全てに同じパラメータが記録されます(BANKとSOUNDは除きます)。
また、ダイレクト入力の時にステップをホールドした状態でOKを押し、Valueノブを回す事でそのステップの発音確率を25~100(%)の間で設定する事ができます。

サウンドロック入力
1.PRM LOCKボタンを2回押しオレンジ色点灯状態にさせます
2.BANKまたはSOUNDノブを回し、そのステップに対するサウンド(プリセット)を設定してからノート入力をします。
この時にタイノート入力を行うと、その範囲全てが同一サウンドにロックされます。
尚、サウンドロック入力はステップ入力だけではなくダイレクト入力やリアルタイム入力でも行う事ができます。

※サウンドロックはステップごとに設定されます。
ノートキーでのタイノート入力時はタイノートに設定したステップが全て同一サウンドにロックされますがダイレクト入力の場合、サウンドロックを施していないタイノートのステップは無音になります。
タイノートを含む長音ノートの最初のステップ(発音開始ノート)にサウンドロックを設定した場合、連続する同じサウンド情報を持つタイノートステップのみ発音します。

サウンドロック設定を行ったタイノート・ステップのイメージ図。
ノートが音程、サウンドロックA・Bは音色です。
白色の部分が無音になる箇所です。

この例では1ステップ目がFのサウンド、2ステップ目がAのサウンドとなりますが、2ステップ目からはタイノートのステップとなる為、音は無音になります。

こちらは1ステップ目~7ステップがAサウンド、8ステップ目~がBサウンドとなり、タイノートステップに同一のサウンドロックが入る為、音が鳴り続けます。

この例ではステップ2~7のタイノートステップに別のサウンドロックが入る為、無音になります。
一方で8ステップ目からはサウンドロック情報が無いタイノートを含むノートステップになる為、音は鳴り続けます。
この場合、8ステップ目~のサウンドは現在のBANK/SOUND情報の音色が鳴ります。


サウンドロックの設定はPRM LOCKが緑色、オレンジ色の時に有効です。
オフにしている場合は現在のBANK/SOUND情報の音色が鳴る他、上記の様にタイノート部分のロック変更によりで途中で音が途切れる場合においても継続して鳴ります。


シーケンサーに含まれる情報:
先に記述した通り、メガシンセシスのシーケンサーは3層構造となっています。
各構造は以下の様に分かれているので構造の全体像を頭の片隅に置いておくと良いでしょう。
ちなみにこの概念はマニュアル等には記載は無く(そもそもレイヤー構造の考え方ではないかもしれません)、完全に個人的な考えに基づいて記載していることを理解ください。
また実際の操作を行った結果に基づいて記述しているので、何らかの間違いがある可能性がある事を予めご注意ください。


ノートレイヤー:このレイヤーに含まれる情報はノートごとに記録されます。
記録される情報はノート(音程/OCTAVE含む)、タイノート情報、ベンド系SWEEP CURVE情報、ベロシティ(VELO)情報となり、サウンドのパラメータは現在のサウンド設定(ノブ位置)の情報で再生されます。

ステップレイヤー:このレイヤーに含まれる情報はトラック全体に影響を及ぼします。
記録される情報はATTACK、RELEASE&GATE、SPEED(SWEEP)、RANGE(SWEEP)、PAN、LEVEL、→FX、VELO(※)となり、サウンドのパラメータはパラメータ・ロック情報が優先的に読みだされます。
※ステップにVELOが設定されている場合、ノートごとにVELOが設定されていてもステップのVELO値が優先されます。
PRM LOCKが無効の場合はノートのVELO情報が有効になります。

サウンドロック・レイヤー:このレイヤーに含まれる情報はトラック全体に影響を及ぼします。
記録される情報はBANKおよびSOUNDとなります。
前述のとおりタイノートを持続させる場合は同一サウンドロックが設定されている必要があります。

パラメータ・ロック情報を削除するにはCLR+PRM LOCKを押す事で、そのトラックのパラメータ・ロック情報がすべて削除されます。
またCLRをホールドするとパラメータ・ロック情報が記録されているステップLEDが点滅し、その状態でステップキーを押すとそのステップのパラメータ・ロック情報(ノート情報が入っている場合はノート情報も)が削除されます。

パラメータ・ロック情報はノート情報が無くても記録されています。
リアルタイム演奏時にダイナミックにサウンド設定を変更したい場合とかにも利用できます。
サウンドロック情報も同様に記録されますがノート情報が記録されない場合、最後に読み込まれたサウンドロックの情報が演奏されます。

ノートが記録されていない場合(リアルタイム演奏時)はサウンドロックの最後に読み込まれたサウンドが演奏されます。

タイノートではないノートが記録されている場合はサウンドロックが記録されていないステップはトラックの現在のサウンドが演奏されます。


と言った所で今回はこの辺りで。
先にも書きましたが実際の操作に基づいて記載している内容となる為、間違いとか勘違いがあった場合に微修正等が入って行くかもしれません。
しかしまあ、相変わらず複雑な感じになってしまいました・・・
おそるべし、シーケンサー。

てな事で、次回”も”シーケンサーの続きを書く予定よ!
(シーケンサーの)冒険は、まだまだ続くのです。



メガシンセシスには現在、3月出荷予定の分までが予約で埋まっている状態となっています。
4月以降出荷分の予約が始まっていますので超気になる!って人はMEGA SYNTHESIS製品ページ(こちらのページから予約ページへとジャンプできます)にとりあえずレッツゴーです。
またページ上部の[オンラインマニュアル]からMEGA SYNTHES日本語マニュアルやPCMリスト等、各種マニュアルをダウンロードする事が出来ますので併せてチェックしてみてください。

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