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防音室の工事から完成まで

実はだいぶ前のお話ですが、やんどろこない事情によりどうしても家を建てなくてはいけなくなり。ならばどうせ作るなら防音の部屋も作っちゃおうと勢いで決めてしまいました。。。(後々大変な目に遭うのですが...)


この家を建てる前、前の家では街の大工さんに軽い防音工事をした5畳ほどの部屋を2階に作ったのですが、これがまたちょっとイマイチでして。

もっとも2階に防音室という事は四方八方、前後左右上下全て音漏れしないようにしないといけないんですが、面に対してはいいんですがどうも角のつなぎ目とか隙間から音が漏れるようで、お金(多少ですが)かけた割には弱めの防音となっていました。

そんな過去の反省を手にしつつ、今回は1階に防音室を作ろうと決心をしたのです。しかもちゃんとしたやつ。



基本として
・スピーカーを置く防音のコントロールルーム
・ナレーションや楽器の収録などマイク録音が出来るデッドなブース
・普通の部屋で、音がうるさい+熱が出る機材を置くマシンルーム
の3部屋を作る事にし
・コントロールルームは中から外に音が漏れない
・ブースは録音するから、外の音が中に入ってこない+中の音も漏れない
このスタンスで防音設計をお願いしました

コントロールルームからブースの中の状態を確認できるようにしたかったんですが、それをするには部屋を隣同士にしてはめ殺しの防音ガラス窓を設置して、と色々防音を強化しないといけないと思い

「ブース」「マシンルーム」「コントロールルーム」
というマシンルームを真ん中に配置して、ブースとコントロールルームを離しました。さらに外から防音室に入るには、マシンルームを経由しないと入れない構造にしました。これにより大きな音を出してる最中に出入りしても大きな音が外に漏れない構造になり、またドア経由の防音効果もUPする「サウンドロック」の機能も兼用できます。
ちなみにこの間取りは私が考えました💪

スクリーンショット 2021-08-20 0.34.54



下の写真は基礎の状態です
奥の四角い横長いのがスピーカーを置くメインのコントロールルーム
真ん中の青いホースが横になっているところが普通の部屋でマシンルーム
画像左下の広い四角いのがブースになります。基礎に関しては他の部屋と同じ作りとなっています。

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頻繁に見にいけないので急に柱が立っています。これはブースの方ですね
普通に壁が出来ていて、一般住宅とちょっと違うのはブース室の下には発泡スチロールが敷き詰められています
手前の木の板が床なんですが、見ての通り床より下に下げてあります。

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と思っていたらその上にコンクリートを塗りました。だいぶ厚くしています。

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あっという間に乾きました(•ω•)

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ブースは他の部屋から見ると下に掘り下がっています
手前がブースの床で一段高くなっているのが、通常の床の高さです。金属の柱で枠を作っていますが、ここに防音扉が設置されます。

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徹夜仕事とか徹夜仕事とかやっている間に
あっ という間に完成してしまいました

画像はホールからマシンルームに入る扉です防音扉になっています。奥の右側の扉がコントロールルームの扉、反対の左側にブースの扉があります。

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ホールの壁紙はスタジオ側の方だけコルクの壁紙を使っています
コルクと言っても壁紙なのでペラペラで防音効果はありません、雰囲気です。
実はこの反対側の壁紙は普通の壁紙です、一応スタジオ側と普通の部屋側と分けているつもりです。実は外観もスタジオ側と一般住居と色を分けているんです
写真出さないけど

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スピーカーを置くコントロールルームです、まぁまぁ狭いですが必要十分です。
部屋の形としては本当は台形にしたかったのですが、そこまですると湯水の如くお金が流れ出ていくのでコントロールルームは長方形であきらめました。
若干、反響がありすぎかな?とも思っていますが良しとしています。

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まだゴチャゴチャやってる頃です
2つ折り携帯やタバコが写っています時代です
 ※注意 現在禁煙となっております

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両脇は厚めのコルク、前は吸音する生地を貼っています

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後ろの壁もコルクなんですが、施工会社が出している吸音パネルを2枚吊るしています。これを増やしたり減らしたりする事で吸音と反響のコントロールができます。
が、何もしていません。

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コントロールルームの壁厚です
厚みは約30cm弱
コントロールルームの壁は通常壁と防音壁の2重になっていて壁と壁をちょっと浮かせて空気層が作ってあります。

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コントロールルームの扉は防音扉一枚
厚さは約3.5cm 普通の扉と同じくらいです
基本全ての扉はこの仕様になっています

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ドアノブは固定されていて、しっかり閉めるとノブが上に上がりドアがロックされます。

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マシンルームです、まだ設置中の時です

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この部屋は防音では無いので壁紙は普通のクロスです

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ブース側です
ブースの扉は内側と外側の二重扉になっています

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ブースの壁厚は約40cm、ちょっと厚いです
ブースの壁は、通常壁と防音壁×2の3重層の壁になっています。やはり壁と壁の間には空気層があります。

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ブースの床は約30cm下に下がっています
階段作ってくれました

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ブース内は多少変形をしていて、色違いのところにケーブルボックスを設置しています。ブースから出たケーブルは壁の中を伝ってマシンルームの壁から出てきて、コントロールルームに入っていきます

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ブースの壁は二面だけ吸音層が設置されています
壁も吸音をする生地になっています

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マシンルームの壁から出てきたケーブルです
右がコントロールルーム
実は2階のリビングともここで繋がっています

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バラバラーっと写真を出してきましたが、もろもろこのような工事をしてどの程度の防音効果があるのか
防音室施工会社の方に実際にスピーカーや打音を出して公式に測定をしていただきました。いくつか細かいデータが出ているんですが、、、

ブース内で90dB〜98dBの音を出した時に、ホールのドア前で計測した場合
聞こえるのは29dB〜45dB で遮音等級はDr-50

ドア前


ブース内で90dB〜98dBの音を出した時に、家の外で計測した場合
聞こえるのは26dB〜40dB で遮音等級はDr-65
(下のグラフでは周波数によって測定不可となっています)

そと


じゃ体感的にどれぐらいなんだと言うと、会話が困難なほどでっかい音を出して、
隣の部屋では薄ら聞こえる感じ。

外では深夜に壁の方に耳を向けて注視するとやっと聴こえるかな?ぐらいでした。



サウンドフレームの防音室のご紹介をしましたがいかがでしたでしょうか
一戸建ての改装や新築をお考えの方は、後から考えるよりいっその事作っちゃった方が思うような防音効果を上げられます

ご参考になれれば幸いです

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