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過疎の村のスーパー公務員と飲んだときの話

1月22日、濃密な体験をした能登町をあとにひたすら南下。
金沢を通り越して岐阜県東白川村に19:30過ぎに到着。
今回お邪魔したのは、世間でスーパー公務員とも呼ばれる東白川村産業振興課の桂川課長と、2年ぶりにお話をしたかったという理由でございます。

近況をお話しているうちに「川口くん、うちの村は人口が減らない道筋を見つけたよ」とおっしゃいました。
東白川村さんの発表前なので、詳しくお伝えできませんが、移住・定住に関することとなり、村の人口減少という減少に真っ向から挑戦する内容です。

常に本質的な課題を設定し切り込む姿勢

桂川さんのチャレンジは、村民所得向上に真っ向から取り組み統計値でも成果が出たフォレスタイル事業をはじめ、常に村の課題の本質的なところに切り込んでいかれるところが、素晴らしいと感じています。

例えば、一時のゆるきゃらブームでいうと、ゆるきゃら自体は、イベントなどで賑やかしになるし、子どもも喜ぶので、勝手にやれば(←川口の主観)なのですが、自治体がゆるきゃら作っても経済は良くならいない、暮らしは良くならないわけです。人口だって増えない。

ゆるきゃら作りをロジックシートで要因分析していくと、地域経済の低迷、それも一つの要因とする人口減少の課題解決につながらないので、限りある時間と人材をそこに展開していくのは妥当なのか、といった具合です。
否定しているわけではなく、それはそれで良いのですが地域が抱える課題解決にはつながっていないです、ということ。

事業提案資料を拝見しましたが、フォレスタイル事業同様に、各種データと徹底した現場ヒアリングをロジカルシンキング(ロジックツリー)でまとめられたもので唸ってしまいました。

正直、似たような取り組みはあるとは思いますが、ロジックツリーで因果関係などがしっかりと定義されているので、事業評価もしやすいのではないかと思います。

行政においてこそ「顧客目線」は超大事

桂川さんの思考の特徴なのですが、どの分野においても「顧客目線」を忘れずに織り込んでおられるところです。
 
マーケティング分野でいうところの4C(Customer value、Cost、Convenience、Communication)ですね。
これを地方の実情や価値観と照らし合わせて、その事業提案が合致しているのかを検証しているところも、学ぶべきところかと。

手段と目的を混同しないことで格段に増える選択肢

地域おこし協力隊として、色々と悩んでいる村松さんにも色々とアドバイスを頂けました。

桂川さんも何人もの協力隊員に関わってきて感じたことの一つに、手段と目的を混同する人がとても多い、ということだそうです。

何かアイデアを見つけてそれを実現させたいとなったときに、本来は解決したい課題(目的)解決の手段の一つであるはずなのに、そのアイデアの実現が目的化してしまい、固執しすぎてしまい周りの理解が得られない、といったケースが多いそうです。

目的を明確にしていれば、手段は幾通りもあるはずなので、軌道修正も容易なはずですが、手段が目的化してしまうと、それ以外はありえない、という発想になりがちです。
自分でも陥りやすいところなので、常に俯瞰することが大切ですね。

地方はまだまだ可能性があるけれど、戦略は特化すること、ということが、本日の桂川さんとの対話のまとめでございます。

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