見出し画像

関係人口と震災

最近、NHKでは首都直下型地震に対する備えを啓発する番組が続いています。地震は必ず起こるものと捉え、具体的にどのような状況が想定され、その状況にどう備えていくのか。専門家の分的によれば、首都直下地震が発生した場合、188万人もの方々が住宅難民となる恐れがあると指摘しています。

震災疎開先との関係性づくり

大きな3つの課題が挙げられるそうです。
①避難所生活の長期化
②在宅被災者の増加
③震災疎開が進まない

①、②は、我々地方に住むものが出来ることは少ないのかなと思いますが、③については、迎える側であるため、日頃からは考えて取り組めることがありそうです。

今回の試算を行った、専修大学の佐藤慶一教授によると、「住宅難民になることを想定し、地方の人とコミュニケーションを図っていざという時の関係性を構築するなど事前に疎開先を見つけておくことも必要」とおっしゃっています。

地方への移住政策での重点テーマ「関係人口」

これは、昨今、地方政策でよく聞くようになったキーワード「関係人口」とも、密接に関わる要素であるように思います。信濃町でも、移住対策を進めるにあたり、いきなり移住を呼びかける前に、グラデーションがある関係性の認識を前提にした関係人口の創出に取り組んでいます。具体的には、スタディツアーの開催や都会の子ども達を民泊で迎える農山村生活体験事業、ですね。

関係係人口の創出・拡大は、令和2年度からの第二期まち・ひと・しごと創生総合戦略」における地方移住の裾野を拡大の重要項目として掲げられています。

スクリーンショット 0031-12-08 10.35.23

行政としての取り組みのひとつの方向性としては(ありではないか)と進めてきていますが、その先にある姿が現状では(そのなかで何組かが移住につながればよい)という認識の方が多いかと思いますが、関係人口のままで良い、という考え方もあるわけです。テレワークだ多地域居住だノマドだとこれだけ通信環境が整って働く場所にとらわれない時代において、ある特定の地域に一生暮らし続けるのではなく人生のステージで最適な場所に移り住むという流動性の高いライフスタイルが可能となる時代であることを真正面に捉える必要があるようにも感じています。

自治体初の疎開保険制度

このような話題の以前から、震災に限らず、災害発生時において最も心配されるのが自分や家族がゆっくり体を休められることができる生活場所の確保です。その場所を田舎が提供しますよ、とした「疎開保険」を提案しているのか鳥取県智頭町。

スクリーンショット 0031-12-08 10.16.53

家族の人数に応じた”保険代金”を支払うと、災害時に智頭町へ疎開した際、7日間の滞在(1泊3食)機会を提供する、というものです(1年間有効)。

災害が発生しなかった場合は、年1回、地元の特産品を送っているそうです。平時の地域産業の振興策につなげておられるところが良いと思います。

スクリーンショット 0031-12-08 11.05.09

ふるさと納税を含めて、特産品を送る企画というのは沢山ありますが、智頭町の取り組みは、多地域との差別化を上手に行っておられる印象です。
ちなみに、智頭町は、森林セラピーにも取り組まれておられ、やはり信濃町同様に企業の利用推進に取り組まれています。そのパンフレットも優秀w。

スクリーンショット 0031-12-08 11.09.01

ホリエモンも地方の可能性に着目

ホリエモンこと堀江貴文さんが国産ロケット開発に取り組まれていることは広く知られていますが、その活動拠点は北海道の川根本町で、自身の住民票も移動されておられます。

長野刑務所での刑期を終え、以前住まわれていた六本木ヒルズに戻ろうとしたところ、収監を理由に入居を断られたことから、ずっとホテル住まいでいるのは有名な話ですが、そういう自身のライフスタイルとスマホを利用したサービスの進化によって、地方に可能性があるとおっしゃるようになってきました。

娯楽が少ないと言いますが、都会にいてもおそらく多くの人はスマホでYoutubeやネットフリックスを観ている時間が多いのではないでしょうか。いまや殆どの田舎で通信環境が整っているのわけで、同じ時間の過ごし方は可能です。

また、生産地と居住地が近い地方には美味しい食べ物が沢山あるし、豊かな自然環境下での子育ては子どもの教育にも大切なことだともおっしゃっています(ご自身は子育てが嫌いだそうですけどw)。

いろんな視点での地方の可能性

まとめれば、いいこと尽くしじゃないか、堀江さんがおっしゃるようになってきたところに、社会が大きく動く契機が訪れているのではないか、と個人的には感じているところです。

その際、ラグジュアリーな方向に振るも良し、素朴な良さを追求するも良し、取る方向は様々だと思いますが、いずれにおいても、その地域が持つ本質的な良さと向き合うことが大切だと思うところです。

それと、その良さを言語化して地元で共有して、実践し、SNS等で地道に発信し、外の方々との良好な関係を築いていくという、言い換えれば地道な取り組みにしか活路はないと思うし、それを自分なりに実践していきたいと思っています。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?