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獣医のわたしが、いち飼い主として愛猫を看取った話 #LLACにゃらティブ

はじめまして。
犬猫の獣医師をやっているSoheyと申します。

診察するなら🐶が好きですが(😼は症状わかりにくい!)、
一緒に過ごすなら断然😽派です。
とくに茶トラが好きです。

ひょんなことからWEB3というものに興味をもち、
ひょんなことから Live Like A Cat #LLAC というコミュニティーに入り、
LLAC内で、にゃらティブ投稿という企画があり、
この度、ようやく重い腰をあげてNOTE書きました。

茶トラを看取ったお話です。


獣医だって猫からしたら、ただのヒト

診察の際は、飼い主サマに偉そうなこと言います。
あーしなさい、こーしたほうがいい、と。

でも、家に帰ればみなさんと一緒で、猫からしたらただのヒトです。
むしろダメな飼い主かもしれません。

大きな声では言えませんが、
すこしばかり太らせますし、
トイレのなかの💩を見て見ぬ振りをするときもあります。


気づいてしまった、アレに

でも残念ながら獣医だから、アレにすぐ気付いてしまったのです。


そうです。
お腹の中の腫瘍に。


実は、便がゆるいなーって知っていたんです。
4、5日目くらいに下痢止め飲ませはじめました。
10日経っても下痢、治りませんでした。

休みの日、
ふとお腹を触って血の気が引いたのを今でも鮮明に覚えてます。

診察の基本は身体検査なのに、
自宅では獣医の仮面をどこかに投げ捨てていました。

お腹の中には(正確には腸に)5cmくらいのかたまりがありました。


抗がん剤

消化器型リンパ腫という診断を自ら下し、
翌日から抗がん剤をはじめました。

留置針という針を血管に設置して、なんども注射を打つもんだから、
嫌われて、まいど注射のときは逃げられました。
捕まえるの悲しかった。


寛解。そしてその先に

しばらくして寛解しました。
寛解とは、
悪性腫瘍が悪さをすることを抑えて、
通常通りの生活を送れる状態です。

しかし、腫瘍は無くなりません。
再燃といって、いつかまた悪さをします。

そして、その悪さは、最初の比ではありません。


約半年後、再燃しました。


これが生きるということ

みるみる元気が無くなり、
ほとんど食べず、
あっという間に体重は減っていきました。

再燃したな、って感じてから10日くらいでした。
本当にあっという間でした。

最期の数日は、逆にものすごく針が進むのが遅いと感じました。
お迎えが来るのが判っているからか、
脳が彼と一緒の時間が永く感じれるように、
気を利かせてくれてたのかもしれません。


知っていたのか、彼は、わたしの仕事が休みの日に旅立ちました。
そこが泣かせる奴です。
最期までいい奴でした。


最期の瞬間は、子供たちと肩を組みながら見届けました。
みんな涙が止まりませんでした。

でも、最高の経験をしたと思っています。
生きることの尊さを教えてくれました。
子供たちも、
生きることは死ぬことと同じであること、を学んだと思います。



いま犬猫の救急医として仕事をしていますが、
最期の瞬間に立ち会う機会が多くあります。

彼から学んだことを活かすために救急医をやっているのかもしれません。

ありがとう。



#LLACにゃらティブとは?

しゅうへいさん がファウンダーを務める
Live Like A Cat というコミュニティーの企画です。

にゃらティブとは、
自分のストーリーを語るという意味の『ナラティブ』をもじった造語です。

つまり『猫に関する自分のストーリーを語る』ということ。

つぎは、みなさんのアツい猫への思いを教えて下さい!

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