アイドルから学ぶひとつながりの物語
定期ゲーアドベントカレンダー梅2020
はじめに
どうも、定期ゲーアドベントカレンダー梅2020 11日目を担当させていただきます、soto、及びそとんてを名乗っている存在です。洒落た自己紹介は虹の向こう側に置いてきました。
本稿ではざっくりと記事の内容を紹介させていただきたいと思います。
先日、2020年11月開催に開催された、AP配布型ブラウザゲーム「フタハナ」において、自分にとって理想ともいえるロールプレイを行うことができました。毎回そういってる気がしますが、今回はボジョレーは格別なんです。100年に一度の出来。10年ぶりの当たり年。
強引に、話を戻しますと、そもそも「フタハナってなんだよ」と、言いたい方もいらっしゃると思うので、これまたざっくり説明しますと。
「オリジナルキャラクターを持ち寄ってリアルタイムでロールプレイ、交流を行いながら無人島で殺しあいをさせるデスゲーム」ですね。殺し合いだけじゃなくて、多様な表現が可能になるよう、システムで程度サポートされており、死と隣り合わせの環境で、何をするか、様々なロールプレイが可能になるわけです。
そこで私のキャラクター(Top絵)が何をしたかといいますと。
「歌声に乗せて愛を歌い、世界と個人の繋がりを示しました」
いわゆる「私の歌を聞け!」ですね? たった数日のロールプレイの積み重ねではありましたが、多くのキャラクターが彼女のために動きました。今でも信じられません。そう、信じられないんです。
勢いのままにカレンダーに記事を登録をしましたが、いざ振り返ってみると、「あれ? わたし大したことしてなくね?」という感想が真っ先に浮かびました。がむしゃらに走り抜けたせいで自分が何をして、どういった効果を生んだか、あまり把握してないんですね。
を追います。そのうえで、皆さまのロールプレイライフに参考にできるようなものが少しでもあればいいなと、そういう話をするわけですね。どこまでも自分本位な記事です。ブラウザバックをするなら今のうちですよ?を追います。そのうえで、皆さまのロールプレイライフに参考にできるようなものが少しでもあればいいなと、そういう話をするわけですね。どこまでも自分本位な記事、雑記です。ブラウザバックをするなら今のうちですよ?
準備編
このゲームで表現したいことを出し切りたい場合、準備で8割が決まるとと私は思います。なのでしっかり準備を行いました。
今回の主役 All Over The World 通称オールちゃん
歌声で世界を繋ぐアイドルです。
彼女の設定の草案については2020年の3月にすでにまとまっていました。テーマは「繋がり」、「愛」、「世界」。アイドルらしい、希望に満ち溢れた良いテーマですね。結果として生まれたのが「世界全てが愛おしく、物理的に繋げて一つにしてしまおうとする化け物」なんですけど。
創作においてキャラクターに二面性をもたせるのは基本中の基本みたいなところがありますね。(だからこそかえって表裏のないキャラクターが映えることもある、というのはさておきまして)大切なのはそれらを舞台上で表現する方法です。そういう意味で「フタハナ」という舞台のことを、システム的にも、ロールプレイ的にも過去の経験から知っていたことは、有利に働いたと思います。あらかじめ、やりたいことができていました。二つほど、特に意識したものを紹介します。
1.手を繋ぐ、心を繋ぐ
悟り妖怪のごとく、心を読む力ですね。アイドルといえば握手。愛を知らない化け物が直感的にそれを理解する方法。また、そうやって想いを繋いだ相手が死んでしまったときに、同じ感覚を味わうことができればおいしいな、と。
このゲーム、キャラクター個人に対しチャットでRPを行う機能があり(これ、結構少ないんですよね。増えればいいのに)、それによって、密談を行ったり、パートナーと愛をはぐくんだり、いろいろな使い方があります。そういう結構個人メッセージを送るのって勇気がいりますよね。なので、「手を繋いだらメッセージを送ろう。最初は定型文でいいから送ろう」と、取り決めを行うことで、スムーズなやり取りを可能にすることを試みました。結果としてそれは成功し、たくさんの相手とロールプレイを行うことができました。
2.世界を繋ぐ、愛と破滅の歌
このゲーム、大規模魔術と呼ばれるロマンあふれる特殊行動がありまして、周囲一帯のキャラクター全てを滅ぼす時限爆弾みたいなものを設置できるんですね。ただし、それができるキャラクターは戦闘力が低くなりやすく、倒されると魔術は失敗してしまいます。多くのキャラクターが素晴らしいRPと共に魔術を行使し、そして、倒されてきました。
私も一度やってみたかったんですよね……。今回開催される「フタハナ」は、普段より致死率が高く、ロマン行動をする余裕があるかどうか、という状況だったため(振り返ってみるとそうでもなかった)、猶更、やってみたいと思いました。
愛らしく、可愛らしく、希望に満ち溢れた振る舞いを続けて、そのあとに行使する魔術の味はきっと格別でしょう。性根がよろしくないですね。
手を繋いだり、歌ったりして、人気を集める
↓
暴走、魔術を行使して死ぬ。
色々考えつつ事前に書いた筋書きはこれだけです。これだけでもちゃんと果たせるか難しいのがこのゲーム。荷物は軽い方がいいです。
そんな感じでゲーム内でやりたいことをまとめつつ、造形を完成させてゆきました。世界観を共有する合わせ企画である「滅びかけ世界」にお招きいただき、事前に幾人かとバックグラウンドを固めることができた点も大きかったと思います。
あとは、そう「これだ! と思うイラストレーターに依頼を行うこと」ですね。自前で絵を描く方なら、特に上手くいったと確信を持てる絵を描き上げることでしょうか。今回依頼したイラストレーター「めんるい」様ですがずっと前から「この人の絵を使ってフタハナに参加したい」と思っていたんですね。当時はそういった依頼を受けていない方だったため、叶わぬ夢だと思い、胸の奥に潜めていたのですが、今回機会に恵まれることになりました。進捗を頂くたびに小躍りしつつ、ますます本気で臨もうと息巻いていたのでした。
そんなめんるい様のアドベントカレンダーの記事は12月24日に公開されます。この辺にリンクを置いておくと思います↓
http://yoakenohikari.hatiju-hatiya.com/adcl/index.html
とりとめもなくしたことを綴っていますが、もう一つ、本気で臨もうと息巻いて、私、新しいことに挑戦しました。HTML/CSSですね。「フタハナ」のプロフィールページはほかのこの手のゲームにくらべてとてつもなく自由度が高く、毎回、元のページの原形をとどめないくらいの改造を施し、注目を浴びる参加者が存在します。素人ながら技術者の端くれである私は、慣れないコードを当てずっぽうや検索を駆使して少しずついじくりながら、なんとか人目を惹くくらいに雰囲気を変え、見栄え良くまとめた改造を施すことに成功しました。
最初は可愛らしく、暴走時は不気味に。大きな改変は難しいいですが、色合いを変えるだけでだいぶん印象が変わります。アニメーションもつけるとより雰囲気がでますね。
CSSを製作するきっかけとなり、大いに参考にした記事がこちら。また、製作にあたり、執筆者の25氏には度々助言をいただきました。
超実践 フタハナで学ぶWeb制作初歩 - 些末巻 https://shapa.hateblo.jp/entry/Advent_chicken
CSSに本格的にとりかかり始めたの開催一週間前くらいなんですよ……。頑張ったらできると思います。
そんな感じでドタバタとしながらも準備は進んだわけでした。
実践編
このゲームで表現したいことを出し切りたい場合、ゲーム中の立ち回りで8割が決まると私は思います。ガチガチに準備するとかえって行動を縛ってしまうので、現時点での最善を表現し続ける必要があるでしょう。それを可能にする土台が準備なのですけどね。
準備編で描いた、「たくさんと仲良くして」、「暴走する」。この筋書きをやり通すことができるのでしょうか、一種の答え合わせ編でもあります。
まず、手を繋いで相手の心を読む、試みは正解でした。個人あてにメッセージを送ると、反応率は100%。二人だけの秘密の会話ということもあり、そのキャラクターにとって、重要な設定をある程度教えていただくこともありました。一見なんともなさそうなプロフィールから、とんでもない秘密が飛び出したとき、なんてことを知ってしまったんだと度々頭を抱えました。
本来交流を深めて聞き出すべき情報を、能力一つで読み取ってしまう。少しずるい気持ちもしましたが、向こうから打ち明けていだだいているわけですし……。(実際、この手の強力な能力は脆刃の剣、行使の際は謙虚なこころが重要だと思いました)7日間という短期かつ落ち着いて話もできないような状況も度々起きうる舞台において、手っ取り早く表現したいものを引き出すの力は互いにとって都合の良いものだったと私は感じています。
初日のアナーキーさんとの念話。出会ったばかりの相手に、こうした経歴についてのやり取りができる機会はそうないです。
個人間メッセージにおけるロールプレイスタイルの一つの解であるこの繋ぐ力のように。舞台に合わせて適切なロールプレイを行うことは大切です。場の雰囲気、傾向を覚えて、うまくキャラクターを表現する必要がありました。例えば多くの人が確認する全体チャットは、売名を目的として使っていました。深く考えず歌ってみたり、デスゲームの舞台に似つかわしくない、ふわふわして明るいふるまいをしたりして、誰とでも仲良くする良い子であることを印象付けることを意識しました。この歌というロールプレイも、こうした舞台でとても使いやすいものでした。何も考えず(思い付きで歌詞をいくつも考えることには苦労しましたが)歌っているアイドルに、直接的な言葉を返さずとも、ただ耳を澄ます描写をするだけで、やりとりを行うことができました。こうした薄く広いつながりは、後々の物語で意味を持ってくる、全部終わった後に、そう実感しました。
歌にせよ握手にせよ、関わる、繋がるためのきっかけを、貪欲に提供し、貪欲につかんでいく(時として命を危険に晒しても投げかけに行きました)、キャラクターのテーマ、表現したいことと、それを実現する手法が直接的に重なっていたため、ふるまいはやりやすかったです。
基本的なふるまいに関して。ひとつながりの物語として、きっかけを投げかけた後の繋げ方は大切です。私は複雑な心情や設定、事情を考えることが得意ではないため、とても単純にしました。「恐ろしいほど前向き、頭の中お花畑」、「みんなが好き、というあり方を貫く。善悪も正負も肯定し、愛する」といった感じ。可憐で、危うく、異常。一部界隈では「可愛いんだけど不気味。絶対豹変する」と評判でした。
きっかけを投げかけて、交流して、積み重なっていった、個人的な深い関係のことについては話し出すときりがないので、ここでは割愛します。同じ願いをもつ二人の話とか、好きと嫌い、真逆な二人の話とか、誕生会の話とか、歌を送った話とか、イデオロギーの話とか、ライブを断った話とか、ほかにもつながった人たちの話が一杯。あれ、ここ本当に割愛していいんですか、ここに、私があの舞台でやったなにかが集約してないですか? 前述した異常な振る舞いが、それらの経験を経て変化していくところとか、説明しなくていいんですか? タイトル見返してくださいよ「ひとつながりの物語」ですが? ……でもここはそう、振る舞い、私がしたことに関しては、前述した通りのきっかけと振る舞いの繰り返し、なので。それを連続させるにあたって、出会いのたびに変化を反映させることは大切にしました。そんな難しいものでなく、ちょっとセリフを真似たり、歌の歌詞が変わったり。そう、開始時点が極端かつ幼稚な思考をしているので、極端な部分を、かつてRPした相手に寄せて柔らかくするだけでだいぶん変わって見えます。準備して、計画通り出会いと思い出を積み上げて、ひょっとするとここはまだ準備段階なのかも。そう、いつ死んでもおかしくないゲームなので、発火がうまくできるか開催前から不安で眠れませんでしたね。
そして、発火しました。させました。不気味なプロフィール画面と、SFチックな設定を開示。偶像が化け物になる瞬間です。と、言ってもこの段階までくるとここから私何もしてないです。オールちゃん、暴走時、ほとんど泣いてただけですから。それでもなんかみんな動くんですよね。気分はMoveEndしたTASさん。いや、それどころじゃありませんでしたが。
ある人はその危険性を呼びかけ。ある人は助けに向かい、ある人は化け物に共感して狂う。大規模魔術、いいものですね。(もうとっくに日付が変わっているというのに)(若干の申し訳なさ)(ここしかタイミングがなかった)終わった後はもうまるで大団円だったという言葉をよく頂きます。デスゲームなのでこの数日後残った人は殺しあったんですけど(オールは途中脱出しました。いきてます)。
そう、騒動の際中心となって動いてくれた人の一人、(トト王様のことですが)直接的なつながりがあったわけでなかったんですね。用意した積み重ねと舞台に全力で乗っかっていただいた形。(しかも、歌という形で止めようとして頂いたの、当初私の方から提案するつもりだったんですよね、うまいことプロフィールページをいじって、時間が足りなくてしませんでしたが)このゲーム、私がすごいとかじゃなく、参加者のロールプレイレベルが高い。全然名前見たことない人も、ちょっと知ってるくらいの人も、私の知らないところでめちゃくちゃすごいことやってる。私はただ目立つ位置でそれをやったという話。と、いうのはさておきまして、知らないところでも知ってるところでも何かは常に起こっていて、変わり続けていて、それが積み重なった結果、こうしたロールプレイ、イベントが生じることが、まさしく世界がひとつながりの物語なのだと感じたところですね。そう、今回割愛したあれそれも、あなた達の知らないところで起こってることなんですよ。それがこうして記事になったというだけです。
おわりに
いかがでしたか? いや、いかがでもないですが。頭から終わりまでテーマの一貫していない雑記でした。ここまで読んでいただいた方が少しでも得るものがあれば幸いです。(何を得てほしいとか全然考えずに書いたんですけど)
このゲームで表現したいことを出し切りたい場合、運命的な出会いや出来事で8割が決まると私は思います。縁あって関わった方、そうでなかった方、全ての巡りあわせは繋がっているのだから、その全てに感謝して。また次なる巡りあわせに想いを馳せるのでしょう。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。虹の向こうでまた会いましょう。