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あなたがやらないといけないんですよ?

定期ゲームアドベントカレンダー2020竹 15日目

はじめに

 また会いましたね、いえ初めましてでしょうか。Sotoこと、そとんてです。
 性懲りもなくロールプレイについて論じます。いいですよねロールプレイ、色んな人と言葉や描写を重ねに重ねて形にすることが大好きです。興が乗るともう止まらなくなります。暴走します。できていないときは、この熱量が恋しくなって、たびたび枕を濡らしたものです。いや、うまくできたらできたで泣きたくなるんですが。
 この記事は、そんなロールプレイにおいて、私が一番気持ちよくなる時に掲げる標語「あなたがやらないといけないんですよ?」を紹介します。そうだよお前がやらねえといけねえんだよ。やれよ。

私がやらないといけないんですよ?

 「なんでだよ。義務感で遊んでんじゃねーよ」といいたい方もいるかもしれません。でも、逆に考えてみましょう。「俺がやらなくても大丈夫だよ」はどうでしょう。けっこう、そう思いがちじゃないですか? 定期ゲームの役者、あまりに多い。皆様、主役にヒロイン、名脇役、やりたいロールがあってロールプレイをしていることでしょう。壇上に登り、すっぽりとその枠に収まりたいんじゃないですか? でも代わりはいくらでもいる。しかも自分より魅力的……。「俺は何もできない」。だからこそ胸に刻みましょう。「あなたがやらないといけないんですよ?」。一度きりの物語というものは儚く、逃せば空しく消え去ります。「よその子は勝手に死にます」だから救おう、というわけではないですが、そこに爪痕を残せるよう、貪欲に生きましょう。もしくは豪快に死にましょう。「やってよかった」って、言いたいですよね。
 いや、無暗にそう狙っても難しんですけど……。毎度都合よくそんな自分が求められる場に居合わせられるとも限らないし、空回りしたり、失敗したり。そういう時、キャラクター造形の時点で「できること、したいこと設計図」を作っておくといいかもしれません。特技とか、目的ですね。ただ設定するだけじゃなく、それができそうかした結果ほかのキャラクターと繋がるか、を考えるとなおよいです。いや、できなさそうなことをやってのけたり、一人で変なことして注目されることもあり得るんですけど。それは置いておいて、集会場みたいな場所でしたいことと、個人のやりとりでしたいこと、2種あるといいですね。例えばみんなのいるところで歌を歌ったり。特定の種族(エルフとか)が大好きで見つけ次第声をかける、って決めていたり。
 本題から大きくそれている気がしました、そう、ただ、そうやって設計した「できること、したいこと」を積み重ねて、時にはその内容が増えたり変化したり。いろんな人と関われば、結果として、「あなたがやらないといけないんですよ」と、思える瞬間は来ます。つかみ取りましょう。

 突然ですが好きなTRPGの話します。この記事を見てる方はご存じでしょうけれど、TRPGは、創作キャラを持ち寄って、ロールプレイを交えて進行するボードゲームです。私は中でも冒険企画局様のシノビガミが好きでして、これはTRPGの中でも珍しく(?)対立要素のありえるゲームなのですけど。それが私の掲げる「あなたがやらないといけないんですよ?」の要素をはらんでいて好きなんですね。
 世の闇を生きるシノビをキャラクターとして作成し、それぞれ、設定、シチュエーション等をある程度ゲームマスター(ゲームのまとめ役、大まかな筋書きを描く人)から指定されます。その時配布されるのが「秘密」です。そこには物語に関わる重大な何かしらが隠されていて。キャラクター達は腹の探り合いをしつつ、目的を達成しようとするわけですね。最初は自分の秘密は、目的は自分しか知らない。目的を果たすために。まさに、「あなたがやらないといけないんですよ?」ですね。前述した積み重ねの話、それらがなくても筋書きやゲーム性である程度シチュエーションが保証されている。こうした状況、ロールプレイの盛り上がり、楽しさを味わうためにはお勧めしたい一品です。PVPボードゲームとしてみるとちょっと、人を選ぶかもしれませんが。(逆に私はシノビガミ以外だと「俺がやらなくてもパーティメンバーがなんかしてくれるだろ」と、問題を投げがちです。ふざけたロールプレイと敵の殲滅がお仕事)

おまえがやらないといけないんですよ?

 逆に仕掛ける側、投げかける側を考えます。中々難しい立ち位置だと思います。いかに、相手を「俺がやらなきゃ」と、思わせるか。これができる人は間違いなくロールプレイ勝ち組です。誇ってください。
 基本的に事を起こすまではやる側と同じですが、やる側以上の根回し、積み重ねを要求されます。また、立ち上がる側は複数人であることが多いので、全員を捌き切る度量が必要です。(私は積み重ねるだけ積み重ねて捌き切るのは控えめだったので、必須というわけではないかもしれません)(あとは、一体一で投げかけることも十分あります。その時はそいつを殺す勢いで渾身のロールプレイをすることでしょう)結果がどうあれ、自分のために動いた全員に、「やってよかった」と満足感を与える力が必要です。そんな顔をみて、「してやったぜ」という笑みが浮かべられるといいですね。
 あとは、美しい流れ、設定の下準備があるとよりやりやすいでしょう。事件は数多の積み重ねの上に成り立ちます。伏線を散弾銃のごとく、多少わざとらしく、ばらまいて。種が芽吹き、育ち、収穫の時を待ちましょう。物語は作物!
 説明もわざとらしく、拾いやすくするとより良いです。「はっ……そういえばあの時!!」と、誘発できるようになれば、それが今この瞬間だけのできごとでなく「ひとつながりの物語」となることでしょう。これちょっと前に言った気がする。「それは伏線だ。気づいたな、気づいちまったな? じゃあお前がやれ」と、たたきつけてやるのです。

おわりに

 いかがでしたか? 今回はいかがでしたか? って言っていいよな。「あなたがやらないといけないんですよ?」がロールプレイの全てだというわけではありません。しかし、自他共に満足感を得やすい、花形の一つといえるでしょう。こうした快感を共有できるように、この場を以て記事としてまとめさせていただきました。心にこの言葉が少しでも皆様の力になれば幸いです。ここまで読んでいただきありがとうございました。

 ロールプレイは、あなたと、我々で作る物語です。だから────

「あなたがやらないといけないんですよ?」

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