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人類の知をアップデートするために「ユーラボ」をリリースします


この事業については、今いるメンバーたちとずっと構想を練ってコンテンツを作り続けてきて今に至ります。
自分がトップに立ってやる事業なのでその分だけ思い入れも強いですし、ゴールとして20兆円企業を掲げています。(この数字が妥当なのかどうかについては後日別のnoteで詳細に解説しようと思っています。)

このnoteでは私がユーラボという事業をやらなければいけない理由、そしてビジネスの狙い、マーケットについて解説したいと思います。

全てのビジネスは非対称性によって成り立っている

全てのビジネスというのは非対称性を利用しています。みんなより歌が上手い人のライブにお金を払うし、料理の上手い人の料理にお金を払う。これはビジネスの原則であり、自分でやった方が安価に質も良くできるなら経済活動はそこには成立しません。全部自分でやった方がいいなら人類は今も自給自足をしているはずで、経済活動とは非対称性(比較優位を含む)を利用した役割分担と言えます。

その非対称性の中には当然のことながら情報を利用したものも存在しています。
例えばコカコーラは1886年にアメリカで開発されてからレシピを非公開にし続けています。

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こんな大袈裟な金庫の中にレシピを保管しているほどで、また現社長、副社長もそのレシピについては知らないというほどの徹底ぶりです。
これは誰もコカコーラのレシピを真似できないからこそその情報にこそ価値があり、情報(レシピ)を利用してコカコーラ社は毎年3兆円以上の利益を上げています。(レシピ自体はほぼ模倣可能でコモディティであり、むしろ秘伝のレシピというブランド自体に価値が生まれているという話はいったん無視します。)

これはコカコーラに限った話ではなく、次から次へと新しい技術を開発するテクノロジー企業も同様ですし、情報というのは金になるし他の企業がそれを持っていなければなおのことというのは説明する必要はないでしょう。

情報の非対称性は維持し続けるインセンティブが働く

この情報の非対称性を利用したビジネスとして分かりやすいのは戦略コンサルです。(ITコンサルなどは成果物の納品を対価としてフィーをもらう仕組みであるためいったん戦略コンサルに絞って話をします。)

企業の経営に関わるノウハウや知識を持つコンサルタントが企業に助言をすることで収益を受け取っています。
企業というのはその事業領域、ビジネスに関するプロですがコンサルタントは幅広い知識や問題解決のフレームワークを持っているので自社にはない情報を得ることができます。

つまり、戦略コンサルからすればそれだけの知識や頭脳を持っていることが価値を占めていて、クライアントの持たない情報があるからこそお金を払ってでも依頼をするわけですね。(アクセンチュアやベイカレントのような高級派遣業態で伴走型のコンサルが最近台頭していて、ニーズはそっちの方が強いのでは?という話もいったんスルーします)
すると不思議な現象が起こります。コンサルからすれば自分たちの持っている知識が世に広まってしまったらコモディティなものになるのでできる限りそれを隠したい、他の人に知られないからこそ有利なんだというインセンティブが働くわけですね。
コカコーラも自社のレシピは公開していないわけですし、別にこのこと自体に大きな問題があるとは思えません。問題はここからです。

見えない、存在しないものを売る人たち

情報の非対称性を利用してビジネスをする場合、そしてその情報を売ることによって対価を得る場合においては顧客にとって見えないものを売ることになります。
前述のコンサルも顧客からすれば見えない(見えていれば知っていることなのだから価値が成立しなくなってしまう)ものにお金を払っています。

その結果として「そもそも存在しない情報を売る」という行為に手を染める人間が出てきます。顧客は購入前には知らない情報なのだからそれが嘘だとしても気付かないことがあります。情報の非対称性を利用する場合これが起こりやすく(というより、容易にできるように)なります。

「てんちむ」というYouTuberがいます。
彼女はAカップからDカップになったという触れ込みでバストアップサプリやナイトブラなどの商品をプロデュース、販売していたのですが実はこれは豊胸だったということが発覚して騒ぎになりました。(※現在は返金などの処置を行なっているそうです。)

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彼女が売っているのは「バストのサイズが大きくなる」という情報であり、その情報を持っていることに価値があって、それをサプリやナイトブラという形で販売していました。顧客の購入していたのはサプリでもナイトブラでもなく「バストのサイズが大きくなるという可能性」だったはずです。

いわゆるインフルエンサー市場はある種の"夢を売る"ビジネスとして成立しており、そこには虚像どころか虚偽も存在します。
情報の非対称性を利用したビジネスにはこのような落とし穴が存在します。

書籍もそうですし、予備校や大学も情報を教えるということによってお金を稼いでいます。情報を教えるビジネスというのは当然ながら需要があるから成立しているわけでそれはなんら批判されることではありません。
ただ、客観性が担保されていたり中身を事前に確認できる書籍と違って夢を売るインフルエンサービジネスやもっと直接的に情報を売る情報商材やnoteはずるいやり方がワークしがちです。(上述のナイトブラも、AカップからDカップになりましたという結果だけ載せて過程は実は豊胸でしたというオチです。)

人はなぜ怪しいものに手を出すのか

ここでみなさんは思ったのではないでしょうか。
「そんな本当か分からないものに手を出さなければいいのに…」と

至極真っ当な正論だと思います。誰でも稼げる方法なんて存在しませんし、童貞がこれをやるだけで女優と付き合えるみたいな裏ワザもありません。成人女性がAカップからDカップになることも医学的にはかなり可能性の低い話だと考えるのがまあ自然です。

ただ、人は信じたいものを正しいと思ってしまうのです。
これは極めて根の深い問題で、宗教や疑似科学そして民間療法などにハマる人も同じメカニズムです。情報商材で数万円、時に数十万円を失うのならば「そんなものを信じるのが悪い」で終わるかもしれませんが、そのことで自身のキャリアや人間関係、命を失うような事例だって当然たくさんあるでしょう。

人間というのは追い込まれた状況であればあるほど一発逆転の道を探ろうとする、判断能力が低下することが研究により分かっています。
ただ胸のサイズを大きくしたいだけの人は科学的根拠のないものにお金を払わないかもしれませんが、これがものすごくコンプレックスを抱えて生きている人だったらどうでしょう?どうしてもモテなくて散々女性にバカにされてそれが辛くて人生を悩んでいるレベルの状況にあったとしたらはたしてどうでしょう?

Appleの創業者でありiPhoneをこの世に生み出したスティーブ・ジョブズ氏は胃がんで2011年56歳にしてこの世を去りましたが、西洋医学での治療を拒んでいた期間があったとされています。

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側から見れば科学的根拠のない民間療法にハマるのは本人に問題があって正しい判断のできない情報弱者として映るかもしれません。
この世に大きなイノベーションを残しiPhoneを生み出した人間でも自分の生死に関わる事態に直面すると合理的な判断ができなくなるのです。
にも関わらず、それを情弱と言って切り捨てることができるでしょうか。

自分の中で「正しい判断ができない残念な人たち」として映っていた民間療法被害者たちのイメージはこのスティーブ・ジョブズ氏の1件で大きく変わりました。
これは個々人の問題ではなく、社会が悪いのではないかと。

プログラミングに一攫千金を夢見るワナビーたち

さて、そろそろ本題に入りましょう。我々のユーラボというサービスに関するビジネス系のインフルエンサーやコンテンツ市場についての話をします。

少なくとも日本社会において、新卒で入った会社によってその後のキャリアというのはほとんど決まります。
理由は単純で、そこでまともな仕事のやり方を身に付けなければ次のキャリアが存在しないからです。

プログラミングスクールがブームになっているのはこれを如実に表していると思っていて「現在のキャリアに不満があるが、だからといって今の仕事を生かして転職してもっといいところに行ける可能性も見えない。だからプログラミングを学んで完全に違うキャリアを歩みたい」というリセット願望のようなものが見え隠れしているように私の目には写ります。
(プログラミング志望者の数は本来プログラミングを生業にすべき素養と適正をもった人の数より遥かに多く、私はそれを好ましい状況だとは思っていません。)

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プログラミングスクール卒業生の初年度年収はだいたい270万円くらい。これが高いか低いかはよく分かりませんが、少なくとも彼らの夢見る数字よりは遥かに低いのではないでしょうか。
情報の非対称性が利用されたビジネスと言えそうです。(この事実に対して私は否定でも肯定でもなく、顧客が満足しているのであればそれは正しいサービスであると思っています。)

先のないキャリアと情報の乏しさ

少なくとも日本社会においてはキャリアの連続性があまりありません。

・今の会社で頑張っても給料が上がるわけではない
・不満があれば転職するしかない
・ただ、今の会社での評価や仕事の仕方が転職に有利になるかは分からない

プログラミングスクールはそれに応えたサービスであると思いますし、そこに対して私はなんら異論はありません。
問題があるのはそのような日本社会のキャリア設計だと思っています。そして新卒一括採用でみんなが同じリクルートスーツを着て同じように金太郎飴のようなESを提出してなぜかサークルの副代表が異常に増える、そんな状況をめちゃくちゃ気持ち悪いと思っています。控えめに言って異常だと思いますし、もし自分が同じことをしなければいけないと想像したら吐き気がします。

じゃあ彼らはそんなキャリアを正しいと思っているのか?望んで喜んでその選択をしているのか?
それ以外の選択肢を知らないだけなのでは?

プログラミングスクールを選ぶ彼らもそれしか選択肢を知らないだけではないでしょうか。(プログラミングスクールが悪いとは言っていません、と同時に多分それ以外のキャリアの方が向いているのでは?と思う人たちもたくさんいるような気がしています)

選択肢は人からしか生まれない

現代社会において情報はたくさん存在します。
ググればおおよその物事は調べることができます。何か壁にぶち当たったとき、すぐに検索をすれば答えらしきものが出てきます。
ただし、人間は知らないものを調べることはできません。自分の頭で思いつかないことについては知る機会がなければ一生知らないままです。

自分のキャリアに迷い、どうにかして現状を打破したい彼らが必死にググったところで出てくるのは少なくとも彼らにとっては現実的ではない手段か、身も蓋もない正論か、の2つではないでしょうか。

だいたいの場合、知識や人生の選択肢というのは人から与えられるものです。
私が今経営者として生き延びることができているのは大学1年生の何もできないときから良くしてくれた先輩経営者の存在があったからです。もし、誰との関わりも持たずググることしかできない状況だったら情報商材を買い漁っては稼げる方法がないかと借金を膨らませていたからかもしれません。

目の前に成功者としてのロールモデルがいて、彼らとの対話の中で知識を得ることができそれがレールとして確立されたからこそ自分は今それなりに人より恵まれたキャリアを歩めているだけなのかもしれません。

ググれば情報は出てくるけど、それは点の情報でしかなくて、その点と点をつなぎ合わせて自分の歩むべきレールにするには周囲の人間の協力が必要です。そして思考というよりも対話によりそれは形成されるのではないでしょうか。もしあなたが自身のキャリアについて対話をできる相手がいるのであればそれはものすごい恵まれた環境であり、特別な存在です。

そこにレールはあるのか

私は起業家、スタートアップ経営者というレールを歩んでいます。あらゆるテック企業の成功事例を研究し、自社のプロダクト開発に活かすには、少しでも利益を生み出すにはどうすればいいかを日々考えています。

スタートアップは1つのレールです。自分自身で道を開拓していると思いこむのはただの傲慢です。我々は先人の舗装した道を歩くことで移動ができ、先人の開発したパソコンという機器を利用して仕事をし、先人の生み出したインターネットという概念を使って今のこのnotを書いているように情報のやりとりをしています。
あなたがもし自分自身のキャリアを自分の力で築き上げたと思っているのならばそれは大いなる勘違いです。無人島に生まれて1人で生きてたら絶対今のような生活できてないですよね、どれだけ少なく見積もっても99.99%は我々の祖先を含む他人のおかげです。

レールが1つしかないからみんな同じように就活をします。レールがそれしか見つからないからおおよそ合理的に思えない選択でもそこに一縷の希望を懸けるのです。

そのレールをたくさん作ることこそ社会の義務なのではないでしょうか。不完全なレールでもそれを舗装しながら突き進むことのできる人もいますし、そこまでの能力やタフネスは備えていない人もいます。
そして、そのときの体調や人生で置かれている状況に判断能力や精神的タフさは大きく左右されます。これは先ほど民間療法の話で触れた通りですね。

「あんなものに手を出すなんて情弱w」
と笑うあなたはたまたま周りの人に恵まれてたくさんのレールがあったからかもしれません、だからより良い選択をできていただけです。あなた自身が優れているわけではなく環境や周りの人々のおかげです。

誰かが悪いのではなく、これはただただ社会の課題です。そしてこれを解決すべく我々はユーラボというプロダクトを開発しました。

ユーラボはたくさんのレールを敷くプロダクト

ユーラボはたくさんのレールをユーザーのみなさまに対して提供します。
「プログラミングなんてやめた方がいいよ!こっちの方がいいよ!」とは言いません。「選択肢は色々あるからその中で選ぶといいよ」というレールをたくさん敷くのが我々の役割です。

その中であえて"稼ぎ方"を扱おうと思っています、それも数十種類の。大量のレールを、選択肢を情報として提示します。
世の中でタブーとされている領域ほど誰も情報を出したがらないのでアングラと化して非対称性が激しく、時に情弱ビジネスと呼ばれるような市場になりがちです。だからこそそこに突っ込んでいきます。

みなさんも経験があると思いますが、親や大人はだいたい仕事やお金のことについて触れたがりません。将来お金を稼ぐために勉強を頑張って選択肢を広げているのに、多くの子供はその選択肢について1番肝心なところは知らないままです。

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結果、中学生男子女子ともになりたい職業にはYouTuberがランクインしています。これは至極当たり前のことで、それだけ彼らにとって身近で仕事を目にする機会があり、しかもお金についても開けっ広げに知れる(YouTuberが収入を公開する動画は多く存在します)選択肢に価値を感じるというだけのことです。

情報を変に隠して、お金について言うのは汚いとか蓋をしていればその分だけ子供からすればキャリアにおける選択肢は減ります。その結果が過度な特定職業への憧れの集中、むしろそれ以外の選択を知らないという今の状況ではないでしょうか。

みんなが話したがらない、触れないけどそれだけ誰もが知りたがっている情報にこそ価値があります。そしてそこにお金を払うくらいのニーズが事実として存在しています。

不透明にも関わらず顧客のニーズの強いインフルエンサー界隈

我々がSOM(Serviceable Obtainable Market)としてアプローチするのはいわゆるインフルエンサー界隈と呼ばれる市場です。昨今において、SNSの影響力は強くなっています。私自身も書籍から得る情報がどんどんSNS経由に可処分時間がシフトしてきました。

書籍からSNS(YouTube含む)へのシフトの理由は明確に2つで「リアルタイム」と「リアリティ」です。

書籍にある情報はかなり遅れています。かつ、体系化されてまとまった情報であると言うことは連続性に乏しく、過去を都合よく切り取られた内容かもしれないし答えも予測可能であることがほとんどです。
一方、SNSではリアルタイムで状況が変わります。発信者自身もオチの読めない中、毎日状況が変わるものを発信しています。

そして、書籍は客観性を担保します。綺麗な言葉でまとめあげることで知としての体裁を保つことを求められています。
SNSに客観性などはなく、本人が思ったことやありのままが投稿されます。それは却ってフォロワーにとってはリアルで信憑性のある、自分ごとの情報に映っています。

そこらへんのインフルエンサーが出した有料noteの信用性はかなり低いでしょう。書籍なら事前に内容を確認できるので大きく外すことはない上に多くの書籍は出版社を介しているので第三者のチェックが入っています。一方でnoteは間違った文章もあるだろうし、そもそも誇大広告かもしれません。詐欺商材と言われるようなものも書籍に比べたら遥かに割合として多いはずです。

なのになぜnoteは売れるのでしょうか?文章量に対する価格で考えてもものすごい割高なはずです。でも買う人がいます。
答えはシンプルでそれだけのニーズがあるからです。世間一般の人が認めるかどうかはともかく、顧客が納得してお金を出していればそれは立派なビジネスです。
ソーシャルゲームも「スマホのアプリにお金を使うなんてw」と笑われていましたが、今どうなっているでしょうか?すでに家庭用ゲーム市場よりモバイルゲーム市場の方が遥かに大きくなっています。

リアルタイムとリアリティという2点においてインフルエンサーの牽引するSNSは書籍よりも優れています。
それだけのお金を出してでも、信用性に乏しいようなビジネスの構造であっても買うほどに顧客のニーズは強く存在しています。これを健全化すればさらに大きな市場になることは間違いありません。

強いニーズのある市場を圧倒的な透明性で取り切る

ユーラボで追求するのは透明性です。
上述の通り、インフルエンサー市場は不透明性が顕著なのにも関わらず強いニーズによって市場が成立しています。
その市場において圧倒的に透明性があり、ユーザーのニーズを満たすマーケットを形成することが短期的なゴールです。

これを解決するカギとしては「収益構造」と「継続性」にあると考えています。

<収益構造とコンテンツ(商品)の関係性>

例えばNetflixは地上波の4倍のギャラを出演者にかけていると言われています。

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日本のキー局と比べて圧倒的に大きな金額の制作費を投じていますが、これができる理由は単純で収益の構造が違うからです。
ユーザーの課金によって成り立っているNetflixは毎月かけられる制作費が大きく、かつチャーンレートを考慮すればどのくらいのリスクをとれるかが計算できます。
さらに、1本のヒットコンテンツで大きくユーザー数を増やせるNetflixと視聴率が2,3倍程度が限界(さらに大晦日など限られたタイミングでしかアップサイドのある状況がない)のテレビではかなり大きな差があります。

上記の例で言いたいのは、収益構造によってコンテンツは変わるということです。
noteなどは単体のコンテンツを売るのでどうしても「このコンテンツでできる限り稼ぐ」というインセンティブが強くなります。

一方、サブスクの仕組みであればユーザーは一時的に射幸心に駆られて入会したとしても満足するようなものでなければすぐに退会します。ちゃんと価値を提供し続けることへのインセンティブが発生します。

<継続的かつ連続的であること>

信用に足りうる情報が発信されるためには継続的であることが大前提として掲げられます。今日この瞬間で人生が終わるのならば最適解は強盗をすることになるかもしれません。ただ、今後の人生を考えると犯罪に手を染めるのは明らかに非合理的であり期待値がマイナスの行動です。

継続的にビジネスをすることは基本的に顧客の信用を蓄積する方向にインセンティブが働きます。
継続的だったとしても顧客の買い物が一度だけなら情報の非対称性によって顧客をハメ込むような状況が起こるかもしれません。そういった傾向があるのが不動産業界や老人に投資信託を売る証券会社なのはおおよそイメージがつくものと思います。

継続的でかつ連続的であること、顧客が何度も意思決定をしたり何度も商品を受け取ったりそのコミュニケーションが相互的に行われることは透明性が生まれやすくなります。

実際に、今SNSで商品を販売するインフルエンサーはインスタライブなどでフォロワーからの質問に答えたり実際に商品を映したり相互的にコミュニケーションをとるようになっています。相互的な仕組みによって顧客が一方的に損をすることは限りなくゼロになっています。

マーケットに関する考察

スタートアップにおける最大の失敗は「マーケットがない」ことです。なぜニーズがないという表現ではなく、マーケットがないという表現をしているかというと、ニーズ自体はユーザーの反応に合わせてMVPを変化させていけばどこかしらでそれっぽいものに当たるものの、マーケットのサイズ自体はどうにもできない部分が大きいからです。

そしてほぼ全てのスタートアップの天井はマーケットのサイズに依存します。ここまで偉そうなことを言ってきましたが、そのマーケットが小さければ人類どころか社会に対しても十分な影響を与えることはできません。

我々がいるのは実は出版の市場です。

そして、ユーラボにおけるTAM(Total Addressable Market)として定義しているのはグローバルの出版市場です。

メディアの王は出版

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↑は世界におけるメディア(教養娯楽メディア産業)の各ジャンル別の市場規模です。
書籍の推定価値は1510億ドルとなっており、映画 (1330億ドル)、雑誌 (1070億ドル)、ゲーム (630億ドル)、音楽 (500億ドル)よりも大きく最大です。
雑誌と書籍を合わせた出版産業は2580億ドルで映画、ゲーム、音楽を合わせたものより大きくなります。

映画であればNetflix、ゲームであればEpic Games、音楽であればSpotifyといったプロダクト、企業が存在していますが出版におけるそれは未だ存在せず、かつ上記3つの企業以上に大きなマーケットが眠っていると解釈しています。

一方で、出版業界は年々数字を落としています。1996,7年の全盛期以降市場規模は半分ほどになっています。

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これは、出版の担っていた役割がデジタルなものに転換されていることを意味します。紙の媒体→電子書籍にシフトしたのではなく、紙→インターネットメディア、SNS、YouTubeという具合にシフトしているのです。

出版業界はディスラプトというよりもリプレイスされていると解釈する方が正確なのではないでしょうか。出版業界がデジタル化、進化する方向としては電子書籍ではありません。紙の媒体で生まれていた体験をデジタルに最適化させ届ける方がどう考えてもユーザーにとってプラスです。

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例えばNewsPicksは上記のような月1500円でのプレミアム会員が用意されていますが、これらは良質コンテンツの動画や記事を見れる、読めるという付加価値になっています。
NewsPicksはビジネス書や日経新聞などのビジネス誌をリプレイスしていると言えます。本を1冊買って読み込むよりも、毎日色んな記事が出てきて細切れで読めるNewsPicksの方が通勤時間を利用することもできるし便利かもしれません。

このように、出版が今まで果たしていた価値はインターネット上の多くのサービスやコンテンツがリプレイスしていくことになります。
出版産業自体は市場として小さくなっていきますが、出版の果たしていた価値というのはどんどんアップデートされ、それが無になることはありません。

新聞というめちゃくちゃ市場があるのにめちゃくちゃ付け入る隙のあるマーケット


もう1つ紙媒体に関する衝撃的な話をします。
新聞の市場規模は1.6兆円です。これは、日本の世帯数が5000万であることそのうち60%が契約をして毎月4000円を払うと仮定すると14.4兆円という計算になりイメージと一致します。(スポーツ新聞など定期購読以外の購入や複数契約する世帯もいることを考えると1.6兆いきそうだなという認識です)

そしてこれが我々世代、20代10代以下の新聞に対するイメージです。
ニュースという即時性の求められるコンテンツにも関わらず1日遅れで届く(1日も情報が遅いインターネットメディアは存在しないのではないでしょうか、YouTubeもニュース要素のあるものに関しては1日以内に動画を作って出します)、しかも紙で月に4000円以上する。

そう考えるとなかなか時代錯誤なビジネスだなと感じる人は決して少なくはないのではないでしょうか。
上記書籍や新聞の市場の背景には「紙の方がちゃんとした情報であるという思い込み、今までの習慣や常識を消費者が引きずっていることでのスイッチングコストが大きく、結果として価値に見合わないビジネスが成立している。」といった側面があるように思います。

情報は複製可能なのに高い

例えば映像コンテンツについてNetflixであれば月に1000円ほどで全てのコンテンツが見れます。出版の場合はこれでは月に1冊も買えません。
これ自体は書籍が高すぎるというよりもビジネスの構造が今の時代にアップデートされていないというだけの話なのではないかと思っています。

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社会人が毎月にかける書籍の購入額はおおよそ1600円くらいと言えそうです。
ものすごい極端なことを言えば2000円のサブスクの仕組みで書籍が読み放題であれば出版業界に入る収入は大きくなり、おそらく今の5倍は消費者は書籍を手にすることができそうです。

書店はどうなるんだとか、そもそも本の印刷代が〜とか、出版元へのインセンティブ設計は〜とか色んな声が上がってきそうですが、要するにこれらを解決して既存の消費者や出版に関わる事業者がWinになる仕組みを構築するのが我々の役割と言えそうです。

ユーラボはどう戦うのか

ビジネスを考える上でどう戦うのか(現実と理想をどうすり合わせるのか)を考えることが最も重要だと思っています。
ユーラボにおける理想とは、出版や情報、コンテンツの仕組みが今の時代に最適化され出版をアップデートすることです。

なお、ユーラボ事業をフライングホイールで表現すると以下の図のようになります。

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コンテンツによって顧客体験が形成され、そのことでシェアや口コミが起こります(前述の相互的という部分はこのシェアや口コミにつながるユーラボにおける核です)。
そのことでまた新しいユーザーが入ってきて売上が生まれ、再投資によってコンテンツが充実します。

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そして、今まで述べてきた情報の非対称性の部分がこの赤い四角で囲んだ部分になります。
初期におけるプロダクトの立ち上げは鶏が先か卵が先かという話で、全てが足りないところから始まります。コンテンツ→顧客体験→シェア・口コミ→売上→コンテンツ→…という理想のサイクルがありますが、そのためには初期段階のブーストが必要です。

それがユーラボの場合は不透明な市場とそこに存在する強いニーズを、非対称性の是正によって解決するということでした。

以上ユーラボという事業について説明させて頂きました。最後まで読んで頂きありがとうございます。

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