株式会社StockForceを売却しました

私富永創太は株式会社StockForceを売却しました。金額は数億円です。
投資家など一切入れずに自己資金で1期目から黒字を出し売却という形で終えました。

売却の理由は、そもそも創業時から売るつもりだったというのが100%です。なので特段の理由があるというよりも、むしろ色々な縁があり想定より遥かに長く事業に関わらせて頂いたなという印象です。
創業時には日本一という目標は掲げていませんでしたし、まさかそういうチャンスがあるとも思っていませんでした。そういったことも含めて自分の想像していたよりも多くの機会と時間を頂きました。

もともとStockForceは社内ベンチャーのような形で、SEOの事業をやっていた際に「これからはSNSの時代なので、インフルエンサーにバンバン商品を売ってもらおう、とりあえず会社作るか」という感覚で作ることを決めた会社でした。
社内で「新しい会社やるけど誰かやりたい人いる?」と聞いて手を挙げた大学生を社長に指名したくらいでした。やる気がある人がやればなんでもいいやと思っていました。(なので謄本を見て頂くと分かりますが取締役は何回か変わってます。)

そのくらいのノリだったので、もともと深く関わるつもりはなく株式も言い出しっぺの私が100%というわけではありません。自分が業務をやるつもりはないからその分は代表に渡そう、くらいの感覚でした。なので一貫して取締役にも入っておらず株だけ持っていました。
風向きが変わったのは2020年の新型コロナウイルスが本格化したタイミングでした。既存事業では売上ゼロになるものもあり向かい風を受ける中で、17LIVEはコロナ禍で急成長して実際に会社の売上も1ヶ月で2倍、次の月にはまた2倍、というあり得ないレベルで伸びて気付けば私の中で一定のウエイトを占める主力事業になっていました。

もともと事業としては「ライブ配信の仕組みをある程度ハックすれば、あとはオペレーションさえ整えば誰がやっても稼げるだろう」くらいの認識で取り組んでいたので、
2020年の10月あたりからは「もう自分がいなくても回るくらいの仕組みにはなったので、いいかな」という一通りのところまで事業が育ち、あとはいつ抜けるかというタイミングを伺っている状況でした。しかし、年末にライバーさんのマネジメント体制に問題があることが発覚し、どうしても看過できなかったために感情的な要素も入ってしまいだいぶ介入したのがコロナの次の想定外の出来事です。
その過程でトラブルも色々と起こったため、創業時に描いていた形よりStockForceで働く時間は長くなったというのがこれまでに一定のコミットをすることになった理由です。
17LIVEの中で日本一というのが見えており、それを達成するまではやりたいというエゴが自分の中にあったのも理由の1つです。(日本一という目標がなければ良くも悪くも副業で作った事業、で適当に終わらせていたかもしれません)

ライバーさんのマネジメントを本格的にさせて頂く中で(それまでは私はデータや事業のKPI周り、イチナナ本社とのやりとりが中心で担当ライバーさんなどはほぼいませんでした)これは実際に自分が配信をして結果を出さないと偉そうなことは言えないなと猛省しまして、自分自身も比較的積極的に17LIVEで配信するようになったので色んなライバーさんやリスナーさんと出会う機会がありました。
理由があってギフターと呼ばれる"月に1000万円以上課金するようなVIPリユーザー"とたくさん会ったりもしたので、この事業を通じてでしかつながれないレベル感の成功された経営者の方々と時間を過ごせたのは自分のキャリアについて考えるきっかけになりました。
※特に資金が潤沢なギフターの事務所中心で引き抜きの話をいくつか受けましたが、さすがに自分が言い出しっぺで日本一になると言っておいてそれはなと思い全て断りました。一方、このあたりで自分自身単体の市場価値がここまでつくんだなというのは意識するようになりましたし、でかいマーケットで戦わないとという焦りも生まれました。

あなたの会社が日本一になるために私は24時間365日捧げると言って頑張ってくれたライバーさんもいますし、StockForce箱推しですと宣言して応援し続けてくれたリスナーさんもいました。人生をかけて事業をやっている人間でもなかなか頂ける言葉ではないと思いますし、めちゃくちゃ嬉しかったです。
そういった楽しいこともたくさんあったので未練がましく予定より長く居続けてしまいました。

その一方で、フルコミットしてるわけではないしょせん週の30%くらいで稼働している人間が「こうあるべき」というのを社内で強い口調で掲げるのはそれが論理的には正しく聞こえたとしても、相手は人間であり会社が急成長しているからこその歪みは当然生まれるわけで、それまでずっと実力主義を掲げて強いインセンティブ設計によって「結果出したやつが正義、俺たちは上しか目指さない」くらいのノリでずっと学生起業から続けてきた自分としてはそうした組織や人たちが変わっていくこと、価値観のずれが生まれることには色々考えさせられました。
ライブ配信という性質上、表に出るような形も多く自分自身の挙動が様々なところで噂されるなど、色んな方に迷惑をかけたなと思う節も多々あります。

2021年8月あたりには現場を離れており、私も10月からオフィスを別にしたのでその後はM&Aのディールに関して動いていたのが中心でした。
なので会社の売却をすることで私の働き方に変化などは特にありません。引き続きユーラボに人生を捧げて、日々目の前のことに全力で働き続けたいと思います。
ユーラボは自分がゼロベースで考え抜いて、10年20年スパンで最高の事業だという確信をもってスタートしたものなので事業計画も10年スパンで考えていますし、死ぬまで売るつもりはありません。

SNSマーケの世界で日本一になるためにユーラボをやっています。

「SNSの世界には力がある」

そんなこと知ってるよ、とみんな言うでしょう。今さら何を言うのだろうかと。
まだまだみなさんはSNSという、半分リアルで半分インターネットのその世界を過小評価しています。もっと多くの購買がここから生まれますし、時代のトレンドや人々の情報のやりとりの中心です、そしてもっともっと多くの才能がSNS発で生まれます。

今25歳前後で成功している若手起業家を挙げてと言ったらどんな人が浮かびますか?
では、それがSNS上で成功している、インフルエンサーとしてビジネスを営んでいる人間なら?

事実、国内のスタートアップの中でも上位の企業の"売上"をYouTuberが1人で(少なくともフロントとしては1人で担っている)超えていくことが珍しくなくなりました。利益ではなく売上です。スタートアップはどれだけの資金を調達して、どれだけの人数を雇ってその売上を作っているのでしょうか?それがYouTuberに負けるのは非常にショッキングかつ、もう誰も逆らえない時代の大きな流れを示唆しているのではないでしょうか。
もう今の時代は経営者よりもSNSによってエンパワーメントされた個の方が強いのかもしれません。少なくとも私はそれを強く確信しているのでユーラボという事業に人生を捧げることを選びました。

そこまで大袈裟に、そして危機感をもって言ったとしても数億円のイグジット済み起業家が言うなら少しはそこに説得力が出るかもしれません。私はまだ人生で一度も成功したことはありませんが、そのくらいのちょっとした説得力はもてるようになったのかもしれないな、とうっすら期待したりもしています。

自分の実態より、やりたいことや視座がどんどんと速いスピードで突き放すように大きくなっていくのを日々感じます。人類のためになった、と言える事業をしたいです。
日本一になるのは手段であり、通過点でしかありません。誰よりも真剣にやっていたらそりゃあ1位になれるのは当たり前です。問題はその先に何が生み出せるかです。


今日からも変わらず週7で働き続けます。


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