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実は超大切なビタミンB

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2023年5月5日の記事


こんにちは、精神科医の諸藤えみりです。
お出かけから帰ってきました。
お出かけすると食生活が乱れがちだなと思ったので、今日は栄養についてです。

先日はビタミンCについてお話しました。


今日はビタミンB群についてです。
ビタミンB群とはビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビオチンを総称したものです。


ビタミンB群はエネルギーを作るときに必要です。補酵素として作用します。

酵素と補酵素について簡単に説明しますね。
酵素は食べ物の消化・吸収・代謝などの化学反応を促進しています。
補酵素は、酵素のサポート役です。
補酵素がないと酵素はうまく働きません。
補酵素があってこその酵素なのです!

つまり、三大栄養素の炭水化物、タンパク質、脂質を摂っても、ビタミンB群が不足しているとエネルギーを作れません。
ビタミンB群も摂取する必要があります。


今日はビタミンB群の中でも、メンタルに関係するビタミンB6についてお話します。
ビタミンB6は脳内の神経伝達物質を産生する際、補酵素として使われます。
幸せホルモンセロトニンの合成にもビタミンB6が必要です。
ほかにもGABAやドパミンの合成にも使われます。

つまり、ビタミンB6が欠乏するとメンタルの面では気持ちが落ち込む、やる気が出ないなどの症状が出やすいです。


また、ビタミンB6はタンパク質合成でも補酵素として働きます。
タンパク質代謝が良くなると皮膚や髪の毛のターンオーバーが活発になります。
肌のくすみも改善します。女性には嬉しいですね。

女性に嬉しい作用はまだまだあります!
ビタミンB6はエストロゲンの代謝に関わり、ホルモンのバランスを整えます。
赤血球の合成にも役立つため、月経前症候群 (PMS)の症状を改善する報告があります。
Kashanian M, et al.:. Pyridoxine (vitamin B6) therapy for premenstrual syndrome. Int J Gynaecol Obstet 2007

ビタミン B6の経口投与が妊娠中のつわりの緩和に有効性を示した研究もあります。
Vutyavanich T, et al.:Pyridoxine for nausea and vomiting of pregnancy: a randomized,double-blind, placebo-controlled trial. Am J Obstet Gynecol 1995



ビタミンB6の1日に推奨される摂取量は成人男性で1.4mg、成人女性で1.1mgです。日本人の食事摂取基準(2020年版)
ビタミンB6は多くの食材に含まれているので、欠乏症になるのは稀です。

ビタミンB6を多く含む食材としては
100g中
にんにく 1.53 mg
ピスタチオ 1.2 mg
ドライバナナ 1.04 mg
とうがらし(生) 1 mg
ミナミマグロ 1 mg
牛レバー 0.89 mg
かつお 0.76 mg
鶏ささみ 0.66 mg
鮭 0.6 mg

などがあります。日本食品標準成分表2020年版(八訂)

わたしは料理でにんにくやとうがらしを使います。
マグロとサーモンのちらし寿司も良さそう!


生理前や妊娠中はビタミンB6を意識して摂取できたらいいですね。
ナイアシン(ビタミンB3)もメンタルに関係するのでまた後日、記事にします!


#精神科医諸藤えみり

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