見出し画像

日記(春季〜夏季)

日々の些事を忘れないための簡易的な日録です。普段のnoteほど推敲はしないため、お粗末な文章が多いですがそれもまた味ということで。

3月19日 時間不明

旧知の仲の友達から唐突なプレゼントと手紙を貰う。曰く「お世話になっているから」らしい。誕生日を祝われるのが昔から苦手で(負担をかけた気になってしまうから)、特に公表する気もない。人の誕生日を祝うのは好きなので祝いたい側の気持ちもわかる。だからこそ何でもない日の手紙やプレゼント、差し入れなど純度の高い行動にはどうしようもなく心が動いてしまう。すごく嬉しい。

肌を綺麗にするぞ2023年

3月23日 午前10時23分

「倖せ」のMV撮影。早朝から撮り始めるため普段では考えられない早起き。ハレラマさんと連続で作品を作り続けているので、会うと自然と体がしゃっきりするようになった。主演の田中珠里さんと川島祐樹さん、撮影がはじまるとすぐに即興みたいな会話をはじめてくれるのだけれど、その精度の高さというか、一気にその場が"二人の家"になる感覚に驚いた。珠里さんの表情筋を余すことなく使うような素敵な笑い方と、川島さんの一歩引いたところから見守るようなそっとした笑い方の対比がとっても好きでした。写真は川島さんが丹精込めてこねたパン。激レアです。

美味しい

3月28日 午前10時41分

東京に来てから毎年この日は同じ桜を撮る。一番最初にこの桜を撮った日、やけに良い一枚だったことに味を占めている。願掛けみたいな意味合いもある。結局、初年度しか晴れなかった。(曇りだったっけ?)

暗いとフィルムでは太刀打ちできない

4月頭(日付書き忘れ)

思い付きで友人と花見へ。ブルーシートは業者感が出て嫌だという話から、ブルーではないシートをわざわざ調達。こういう愛すべき無駄みたいなものがたまに歌詞になったりする。目的地の公園はとにかく人が多くて、とりわけカップルが多かった。確かにブルーシートを分け合う二人が、場所取りをしているサークルの人たちみたい。登場すべき人物はもう既に揃っているのに誰かを待っているみたいで勿体ない。

酒、肉、炭水化物 
ロマンス不足はサプリで補え

4月19日  午前8時10分

曲のラフが出来た。遮光カーテンのおかげで気づかなかったがとっくに朝。光の差し方が綺麗だと写真を撮る癖がついた。白い、くたくたの巾着がなんとも可愛かった。「自然光は無敵」だと誰かが言っていた気がするけど、誰が言っていたかを思い出せない。

作業明けの部屋は大体汚い

2023/05/05 午前10時

制作が落ち着いたので遅めのGW。幼馴染たちと長野へ旅行へ行く。道中で喫煙所付きの駅を見かけた。普段は滅多に出会うことはないので、それだけで遠出だなぁと思う。

普段吸う銘柄は地域によって置いていないことがあるので最寄りで買い溜める。旅だね。


2023/05/10

友人がネイルチップを作ってくれた。前に爪の型をとってもらった時、特に希望のデザインや色は伝えなかったのだけれどこれ以上ないというものが届いた。事前に「送った」という連絡はなく、それでも懇切丁寧にネイルチップの付け方が書かれた手書きの説明書、ポストカードにはメッセージが書かれていて、こういうサプライズ精神と気配りに長けた人が友人で居てくれていることは何ともありがたいし、大事にしたい。

魚と猫チップ!かわいい!


2023/05/31 撮影に向かう列車の中

東京に引っ越してきてちょうど三年の今日は「花火から逃げて」のMV撮影。撮影は拙作「じょー」のMVを撮ってもらった時と同じ宇都宮から電車で20分ほどの場所。宇都宮駅で高校生の渦に巻き込まれる。最近は朝に寝て昼に起きることが多いので、早朝に高校生の長蛇の列に巻き込まれるのは真人間に戻れたような気がして誇らしい。「じょー」の撮影時にあった喫煙所が移動&狭まっていた。二年で変わるものもある。

栃木に来ると大体買ってるレモン牛乳
毎回色味につられて買っている

2023/06/03

朝から国立で喫茶と小道具めぐりをして、お昼から蚤の市へ。去年も行ったが何回行っても良いものだなと思う。その時は灰皿を買いました。西東京はどこの街も比較的静かで、年代を感じるお店が多いので好き。物を増やすことに積極的ではないけれど胸がときめいたものは迷わず買っていきたい。

国立で買ったミニチュアケーキ
ケーキの曲を書いています
左から古いソーサー(?)、大きいのに安かった花瓶、ミニチュアケーキ、コースター

2023/06/10

「遺書」制作開始。

2023/06/12 午後4時

前々から「いつかお茶しましょうねー」と話していたHakubiの片桐さんと国立の喫茶店へ。最近は西東京開拓が再熱していて、あいにくの雨でお店もほとんど閉まっていたけれど街の雰囲気が本当に好き。住みたい。映画の話と音楽の話、実益的すぎるけど同じ道を進む人との会話は刺激に満ち溢れています。赤い傘がとても似合っていました。夜は友達のシェアハウスに泊めてもらってゲームをして、コンビニで各々お菓子を買ったりして、人間らしい充実した一日でした。夜に友達と「好きな人に人生を狂わされたい、音楽以外の決定権を握られていたい」という話で盛り上がりました。とってもわかる。少し意味合いが異なるけど最近読んだ平田オリザ先生の「幕が上がる」という小説を思い出した。吉岡という女性教師が、生徒に強烈な道筋を照らすだけ照らして自分はふといなくなる。でも振り回された側はもう戻る術を失っていて、というお話。(恋愛じゃないけどね)平々凡々な人生をたった一人が意識的にしろ無意識的にしろ狂わせてしまうのはなんとも恐ろしいし美しい。

クリームソーダとアイスでアイス被り...
お店の内装が可愛くて、他にお客さんがいなかったので雨音がよく響きました。

2023/06/19 午後11時過ぎ

ギターを買う。可愛い水色のストラト。澤田バンドでギターを弾いてくれている和田さん所有のストラトの音が好きすぎて、前々から万が一手放す時は絶対僕にとお願いしていた。この時期にはとっくに今後の音楽活動の話は固まっていて、何か節目になるものがほしいと思っていたので一生の相棒となり得るギターを探しにお茶の水へと繰り出した。普段から事あるごとに和田さんのストラトを触らせてもらっているので(ありがとうございます)、すぐに似ているとわかった。見た目もこの上なく好き。運命を手放さない力はこの先も絶対に必要なのでその場で持ち帰ることを決めた。一緒に着いてきてくれた和田さんも試奏して太鼓判を押してくれた。この日が区切りになればいい、分岐点になればいい、このギターで最後の曲を作ろうと決めた日でした。これからよろしくね。

淡い青(ダフネブルーやソニックブルーの類)大好き

2023/06/24

友人に誘われてアイドリッシュセブンの4DXライブを観に行く。ほとんど予備知識がない状態で行くのは申し訳なかったけれど面白そうなものには躊躇なく突っ込んでいきたい。全て経験で、全て糧。未経験のものには時間とお金を全ベット。自分の人生は歌の餌。基本的に映画は一人で観たいタイプだけど、エンタメに関しては別。むしろ一人ならそもそもこの映画の存在すら知り得なかったので友人には感謝です。揺れる椅子(なぜかテンポ同期していない箇所があって裏ノリがずれていた)、振り撒かれる匂い付きの煙(良い匂いもしたし、なぜか美味しそうな匂いもした)、顔面めがけて飛んでくる突風、何もかもが新鮮で終始ニコニコしていました。亥清悠(いすみはるか)という男の子が一捻りでは済まなさそうな偏り具合を見せていて、ちゃんと追ってみようと思いました。みんなかっこよかった。終わり際、アイドルたちが手を振ってくれるんだけど画面越しの僕らにではなくあくまで"画面内のファン"に向けて振っていて、所詮自分たちは追体験をさせてもらっているにすぎないのか..とちょっと落ち込みました。でもかっこよかった。その横で友人が膝上で小さく手を振り返していて、なんだかほっこりした。

Day1は朝早すぎて断念。朝練です、あれは。

2023/07/11 午前9時34分

昼夜逆転がついに一周して朝に起きられるようになりました。目立たし。ここからまた少しずつずれていくわけだけど、朝日はやはり気持ちの良いものです。書いていた歌詞の一部がほんのりと明るい表現に変わるくらいには。とある書き下ろしも同時並行で進んでいて、男女二人の電話パートのデモを録っていました。うちにあるマイクの中で一番可愛いとされるもの。友人が作ってくれたもので愛着があります。

古い電話をそのままマイクにしてもらった。音はもちろん見た目のレトロさも抜群。

2023/07/26

ワンマンに向けてリハがはじまりました。普段は一人、何もない殺風景の部屋(友人曰く"独房")にこもって曲を作るので、4人集まって機材をごちゃっと並べて大音量で音をかき鳴らすのは純粋に楽しい。音楽の楽しさって作る過程にももちろんあるけど、鳴らすという行為の純然たる"音楽をしている"力にはどう足掻いても敵わないと思う瞬間が多々ある。ギターの和田さんとベースのにむさんが豊富な経験値を元にこうしよう、ああしようと提案をしてくださって毎回発見が多い。決して楽ではない配線や運搬に加えてケータリングなど気を利かせてくれるマネージャーさんたち、どうにか良いものにしようと向き合ってくれる演奏陣、とてもありがたいです。音楽は孤独ですが、こういう機会があるからこそまた頑張ろうと思えます。ワンマンまで一週間と少し。ただただ楽しみです。

ごちゃっとね。これはこれで好き。

2023/08/03

ワンマン前のラストリハ。いわゆるゲネ。和田さんがちょうど当日に誕生日を迎えたのでサプライズ。バンドメンバーをケーキでお祝いって、ずっと一人で音楽をやってきた身からすると憧れだったので嬉しい。ゲネは「春の曠日」のゲネの時と同じスタジオで行われて、階段でみんなで煙草を喫う度に半年前の記憶が呼び戻される。あの時は久々のワンマン前で不安が先行していたけど、今回はむしろ待ち遠しい。場所を元手に記憶を作っていくこと。人生の美しい部分。

うちら歳とっても一生この階段で騒ごうね

2023/08/05 午前5時54分

ワンマン当日。もう朝。緊張で全然眠れない。このまま起きていたいけど一睡もしないのは流石にまずいので寝ます。自分にとってお守りのネイルを塗る。多分、これを塗るのは今日が最後だろうけどうまくいきますように。その前に起きられますように。

大事なライブや撮影はずっとこれをつけてきた。それも今日で終わり。

2023/08/09 終電

音楽の友達と上野で遊ぶ。(人生初の上野上陸)オモコロのキューバサンドを食べる記事を見て、どうにも美味しそうだったので...。食レポはできないけど美味しかったです。上野は喫煙可の古い佇まいの喫茶店が点在していて羨ましい。住んでたら入り浸っちゃうね。住もうかな...。そのまま友人宅にお邪魔して、恋とは、愛されるとは、みたいな話をしていました。いつまでやるんだろうねこれ。

LINEペイするだけなのに偉そう

2023/08/12

池袋の新文芸坐に岩井俊二監督のオールナイト上映を観に行く。同じ劇場で今泉力哉監督のオールナイトも観て、なんともありがたい企画だと思った。当時観られなかった映画を映画館で観る経験は何事にも変え難い。休憩の度に同じ面子が外の喫煙所に集まるのも、明け方、休日出勤のサラリーマンたちに逆らって駅へ向かい、重たい瞼できつすぎる朝日に充てられながら電車に揺られるのも、どこまでも非日常的で好きです。

スワロウテイルが何回見ても傑作。

2023/08/14~18

名古屋へ帰省。東京に慣れてきた(一度言ってみたかった)こともあって、最近は名古屋駅に着くと"帰ってきたなー"とより強く思うようになりました。とはいえ、少年期を過ごした家からはとうの昔に引っ越してしまっていて、高校も海外に居たので果たして愛知県のどこが自分の寄る辺なのかわからなくなっています。家族と幼馴染くらいかな。大学の同期と久々に会って、幼馴染たちと泊りがけで延々ボードゲーム(タイムボム)して、犬触って、短かったけど充実したお盆休みでした。向き合うべきことはそんなに残っていなくて、家族、幼馴染、友人、自分をいち人間として傍に置いてくれている人たちにとって誇れる存在になることが唯一の心残りであり目指すべき場所です。

東海道新幹線から車内販売がなくなるらしいね。固すぎて、名古屋/東京間では満足に溶け切らないアイスともお別れ。一個買います。

2023/08/23

友人と音楽機材をあーだこーだ言いながら試す会へ向かう途中、祭り前?後?の公園を見つけました。小学生くらいの頃ってこういう地域の公園のお祭りさえやけに大きいものに感じて、普段そんなに喋るわけじゃない同級生ともここで会うと話が弾んで、設営テントの白にかき氷が鮮烈に映えていて、溶け切った氷水に手を突っ込んで買ったラムネのビー玉がとれないだのなんだの言い合って、湿気の多い夏の夜が子供の頃は好きだったななんて思い出します。

我ながらお気に入りの一枚。

2023/08/26

ユニクロでの弾き語り。明るい場所で歌うのも、お子さんの声が途中で入るのも、バックヤードが楽屋なのも初めての経験で、そのどれもが普段から行くお店の延長線上で行われているのが不思議な感覚でした。背伸びはしないけど足りている、生活に根差した場所での弾き語りは一生忘れない思い出のひとつになると思う。

写真に映る時はなるべく物を持たないようにしなさい

2023/08/30

「ケーキの残骸」MV撮影。インディーズラストだから、みたいな感傷も余韻もなく、ただただ方法が変わるんだなという心持ち。スタジオが可愛い。作っていただいた衣装がフリフリで可愛い。僕も着たい。来世はブルべ冬、骨格ナチュラルで生んでくれると助かります。主演の岩波さんは物静かながら存在感があって、普段はやらないであろうコミカルな動きも流麗にこなしてくれました。今まではハレラマさんと演者さん+僕で撮影が進んでいくことが多かったけど今回は特に人が多かった。この日はそこへアシスタントさん、衣装さん、照明さん、演者さんのマネージャーさん、澤田チームも加わってそれなりの大所帯で撮影が進んでいく。これだけの人数が関わってくれているのだな、と改めて思わされる。それを重圧とは思わないけれど、返せるものはあるかと考える。みんなお仕事だから気負う必要はないけれど、無視はしたくないですね。ありがたい限りです。関わってくれた人たちに誇ってもらえるものを作れるように。

かわいい
ここが一番好き
ヘッドドレスまでフリフリね かわいいねえ

夏はここまで。キリがいいしね。また秋季〜冬季の日記でお会いしましょう。

2023/09/05

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?