エゴバッグ

レジ袋が有料となって、店員とのやり取りには少々煩わしさを感じつつ支出としてはたかだか1円〜5円程度、毎日支払ったって痛くもねえわと思い気にする事無く「袋下さい」を日常に取り入れようとしていたところ、ふと
ゴミ箱用に取っておく、といった時は別として
「直ぐに棄てる物に金を支払う」という行為に対し、例えそれがどんなに小額であっても、これまでそんな事をしようと考えた事すらなかったと気が付いた時に少しだけ頭が可笑しくなりそうな感じがした。

もう一つ感じたのは
一度の外出で複数の店に行ったり、階が分かれているような場所での買い物をする時、「ついで」が頭を過った時などに、袋のサイズを選ぶのが困難であるという事。
「直ぐに棄てる物に金を支払う」という行為を一日のうちに何度も繰り返し、片手に収まる程度の荷物を一つに纏める事も出来ないでいる。そんな己が何やら惨めでならない。

しかし良く考えてみると、使い捨てのマスクには何百円でも気兼ねなく支払うくせに、使い捨てのビニル袋に数円支払う事がそんなにも嫌なのか。そんなにも頭が可笑しくなるような事なのか。己に問うてみた。恐らく、購入してから使用し廃棄するまでに「充分に使用した、役目を果たした」感が、ビニル袋からは得られていないのだろう。じゃあ棄てなければ良いし、身勝手な考えだな、とは思う。それでも大抵は直ぐに使い道を失くして棄ててしまう。

エコバッグを持つという行為が果たして本当にエコなのかという真相については最早触れたくもないが、買い物一つでこんな変な気持ちになりながら頭を抱えるくらいなら、エコの為でも節約の為でもなく自分自身の精神の為にエコバッグとやらを持ち歩こうかな、と思い始めました。