きっとずっと、なんてことはない。けれど、。
遠ざかる札幌のネオンを横目に、
ぬるくなってしまったスターバックスのドリップコーヒーをすすった。
私には大好きな人がいる。
その人は気づいたら隣にいた。
気づいたら大好きでいつから隣にいたかも大好きだったかもわからない。
けどこれから先もずっと大好きだ。
音楽と映画が好きで、お酒と美味しいご飯が好きで、
私なんかよりもずっと女子力が高くて、すぐもの調べをしている。
そして優しい。
そう、なんだかんだいって昔から優しいのだ。
深夜に電話しても出てくれるし、
会いたいと言ったら文句言いながら予定をあけてくれる。
金髪ショートもタトゥーの柄もお洋服も、
「いいんじゃない」って一言言ってくれる。
そしてやっぱり私を心配してくれる。
本当にいいやつなのだ。
将来、就職でさらに離れて、いつかはお互い結婚して。
しっかりしているあっちと比べ、自由なわたしはきっとすぐどこかに行ってしまうだろうし、今みたいになんて、
きっとずっと、なんてことはない。けれど、。
これからも2人で美味しいご飯を食べてお酒を飲みたい。
きっとずっと、なんてことはない。けれど、。
これからも楽しい話や悲しい話を語り合っていきたい。
きっとずっと、なんてことはない。けれど、。
これからも私は迷惑をかけていきたい。
「最初から価値観なんて同じではなかった、2人の価値観はずっと平行線で、
たまたま趣味が重なった時期に出会って付き合って、でもだんだん趣味が変わっていった。
その変化を絹ちゃんは認められなくて、だから絹ちゃんと麦は別れたんだね〜」
って話す彼の私はいちばんのファンなのだ。
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