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沈みゆく星座

太古、白日、

ささやかな笑いも音楽打ち寄せる波また波は歌うように笑う

時よ、あともどりしないのはなぜ

熱風の季節吹きはじめ薬罐の湯沸きやすい気圧半袖の厚み

力とDNA

だきしめるだきしめられる知らずいる皮膚のおぼえでみとめあう社会
漆黒の緞帳まちは新月の夏至に熱を浴び謹慎している

真実暴落

ほんとうは思うよりとてつもなく悪い楽園でひとは虚偽の実をかじる
食卓で脳がつぶされるときみは思ったひとは動物のくずと

ファイナンシャル・バラッド

私くちをつぐむ言葉は口腔にくらく消えゆき私従順
誘惑にかてないゔぃいなす牡牛座の天王星におどろかされて

破綻のなりゆき

ちぐはぐな故障した会話たそがれは深くなりゆく暗い食卓
ばらばらなジグソーパズルをつくろえず私のゆびが鍵盤を散らす

不器用

不器用なおのれよあわれ新品にフィルムがすでに汚い画面
不器用さが不安ならいふお勘定でお釣りの小銭を拾いあげること

霊魂的闘争

生きようとするとき生きろと命じられる自由は義務へとさしかえられる
風と火とエレメントふたつ欠く星空泣きじゃくるカート裸の義を抱き

不適切+不適切+…

もうすでにこころの裏のやぶれいてすきま風でひからびるとき独り
もしなにをしようとであれまぼろしにまどわせられてただおどり終わる

カクテル、ダークブルー

実験の手ちがいからの泡のぼる液体に神のみ名をあてはめる
銀河の果てみちにまよった電子ひとつあはれに宇宙がふりつもるとき

ふぃっと

罰と罰した罪としない罪ゆえにまた人間の尊厳つぶれる
やや高価なやまはのあんぷ二十わっと少年にちょうどふぃっとしたサイズ

教育の結実

「暴動」はゆるされずなぜ警察や軍のテロルは「公務」…きず疼き
できなさで十二年くらいたっぷりとうつしみそまり天稟がない

北向き窓にお月さま

かすかすぎる発熱のときあるかなしの吐き気のような酔いのような月
ここはどこ私はだれいまというときを編集できたらつぎのステージへ

誤差

このひとはあのひとでないさっき脳にまっすぐな姿浮かんだ詩人
動物になればとくに一角獣になりえたら愛される、殺される?

Les Fleurs Vomissantes

脳内に鳥影のある梅雨午後のぺいゔのおちこち椋鳥がいる
いろいろな意味であうとなわたしです歌そらごととしてしかいえず

若い幽霊

洗いたてのブラウスのしろ木槿みればしろの正しいしろさがわかる
眠るとき意識は思い出すものか私がリアルな幽霊なのか

Real椅子取りゲーム

ひと不在の実母かえりみて面目をつぶされたほか思い出もない
出産でかるしうむ奪う子のせいで母骨粗鬆症をくるしむ
愛だとか母性本能だとかいうみえ透いた嘘で母勝ちほこる
生まれ以来母から父からいとこからくらすめいとからうち負かされる

奥を知る

上等なくりいむ盛られそよ風にも揺られるようなきみの贅肉
助監督のさだめと私の脳内の絵とが合わない一拍ずれる

従属の期間

日没と夜明けのあいだのひとときしかいのちないというないいのちのとき
薄暗い宇宙であつめる粒子であり波でもある星ただみえるはだえ

きゃんせるの季節

屋外は室内なのでゆるされぬ深い息だれも死をまぬかれず
きみみたいな落第生には特例だよそういいくちをくちでほどいた

ぶらんにゅう

こころ深みみなそこの泥になかば埋もれ私は死ねぬ死を祈っても


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