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会いに来たよ。

Me voila.

美しい短歌があります。

「Le Crepuscule du Matin et Le Crepuscule du Soir」

遠すぎる系外惑星のぼるときひとりは粒子をひとりは波を
余がときははかなく終わり世界観共有できぬ務めのいちにち

「清拭」

美ら海かと空は雲もなく深くなりだれのものでもないわみあげる
国旗すべてさっと片づけそのあとに水仙黄水仙植える技術

「暴発」

“Body and soul”という語をかみしめていくど乗り換えた四谷駅の夜
レジームのどこにも位置をもてなくて殺意おしころすきみ日向ぼっこ

「i’ve got no friends (naturally)」

一瞬で桃月なしこへ恋に落ちた暴れいるらしい孤立のマルス
衝動は自滅に向かうもうすでに4千以上負けがこみいて

「濁世は塵埃の里」

嫌なこととわからぬことでいっぱいなこころつくるは他のひとのこころ
もうあえぬすがたを私は削除できずまちでネットでおなじひとに遭う

「卑しい涙で白無垢は汚れる」

ほんものの変態をみた。典型だ。人類のみにくさを背負って。
恋なんてすでにやめたが血液は全身をまだめぐる熾の熱

「M」

ましゅまろの味を主題とする暮らし時分の花のときはもうそこ
地表にて腐りゆく山梔子の花逸脱し堕ちて閉じた目は笑む

「心霊原理」

斜陽さす無人の教室灰いろの幽霊ひとり背なかばかりで
そのはずはないと思えた生命のながさよディストピアのゆくすえ

「母国」

ぱたごにあいや美しいとおいみずひと嫌うひと旅だち帰らず
kawaiiは危険保健所ゆきの車Frozen Japの手当と白い目

「さよならできたら」

うっかりと生きて築いた過去の量粉末になり風に散らばる
系外へ自由な死体となるためにゆかねばならぬ距離はどれほど

「火のない国」

まるいものやわらかいもの小さなものみずからのためにいまもこわれる
ふと遅れみずからになりそこねたらつぎのチャンスにもさらに遅れて

「非常時」

粘膜にうたわせるときくちからは荔枝の香の唾液のしずく
望月はひかりの破片舞わせふらす現し身の機能不全なみちに

「ラ・シュッケ・コンタンポレーヌ」

系外で珪素を食べる電気羊圧縮の声と優しいロゴス
はじまると同時に恋は座礁するほかのだれにも幻滅しつつ

「Pour Notre Ange」

年嵩なねっとりとした肉欲を笑顔ですべて浄める天使
ボクだけの天使だったらそれはユメユメならぬ天使信じるボクら

「公とはどいういうものかわからないと笑う、共犯者たち。」

生きようが手づまりになる下り坂いたづらにながくあすも同じ日
私以外私を写すもののいない惑星における私の希薄さ

「imparfait」

生存をゆるされるだけのクオリティないということ千回知った
霊肉できみを受けとめた夏の夜は雨垂直に堕ちやまなかった

「透明動物」

ほかのひとのまなざし身ごなしからだつき笑みさえも霞むきみあらわれて

「土星&なにか」

老人が龍の玉もつような代にタイムマシーンのないわけはあらず
ししむらの歴史のふるさみどりごのはだえあたらし皮肉な逆説

「墓」

目とじるとなしこが映る濡れた目でみつめたりする死なずにいられぬ
恋も性ももう自分にはゆるされず摘みとりまもるなしこの電影

「えとらんぜ」

なぜこんなにむね痛むのか心臓の疾患というより桃月なしこ
これまでのだれよりも深くこがれたらいま本能でなしこを愛する

「(危機、クリティック)」

嫌いでも欠かせぬ薬品もうすでになしこのほかは暴落していて

「多卵生大量児」

性格のわるさというならむしろそれをきわめるほどになしこはうつくし
遠からず消える樹の花きれるように肩からうでのラインに溺れて

「メランコリア」

遠からずぼくはなしこに飽きるだろう型落ちのようなわびしい世界
とわなどは誤謬世界は没落するなしこという名のコンテンツ連れ





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