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黄金虫
黄金虫は路の真中に踏まれつぶれこわれ体液はみでる死である
もういないはずのひとの歌
ひとびとはふたたび言葉をとりもどすはじめて言葉を把握するとき
くりいちゅあず
みどりいろにうろこひからせるあおいうお海水すべてがかれらの電力
海中をぼんやり上昇下降して十九世紀のきめららいるんだ
とどかないさ
ひととありしのびがたいかこんなにもそよ風や言葉触れるたびごと
いつであれあるしてくとはえがくだろうすべて生物の音楽曲線
私たちのダンス
テレビからあふれるように眼球が白目をむいて一個でました
夏だからつぎつぎ楽しいことがあると期待している八月晦日
おろかです
かなしさはこころに冴えるみづをもちちかいものみなとおざからせる
ひとのよぶ副交感神経というやすらぎのふいに死ぬほどのねむさ
生存認可不認可
かぎりなく大きな空とかぎられてやせほそる土星魚座問題
だれだってひとは当然のこととして生きる八十九十ものかは
「死」である
電話したい夕まぐれ悩む迷走はひとえに私に倫理欠けるゆえ
はるかいにしえから
天空の王の血をひくあほうどり海原の波はひとつひとつ火
いそのかみふるみづ堕ちる雲のなかつきさすことの意思をもって
もういないはずのひとの歌、ふたたび
昼も夜も都市はざわめきの川なのできらめく銀河がみずからを映す
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