青と黄色の国の平和を願う。

この言いようのないショックにメンタルが削られている。
割とメンタル強いタイプでこんなことはほとんどなかったのに、人がこれほど非道な行いに進むことに、何もできないことに大分やられているんだと思う。
3.11の時もここまでではなかった。私には仕事があり、しなくてはならないことがあり、何より相手が自然ということに無力さはあっても怒りなんて湧きようがなかったし、とにかく今を生きるしかないと思った。
どちらかというならば9.11の時に近いんだと思う。あれはとても大きなことだったが、国に対する侵略とは少し違った。ありえないこと、映画の様な画面にすぐには理解できなかったこともあるかもしれない。

だが、今回は違う。

湾岸戦争の頃は知識もなく理解も乏しく遠い国のことに思えていたが、同じ遠い国のことでもこれほど非道なことが起きることに胸が痛い。ニュースを見ながら、何が起きているのか読み込みながら涙が出てきてたまらなくなる。

人が、一人の人間の言葉一つでここまで非道なことに進んでしまうことがあるのだろうか。

背景についてはいろいろ読んだ。微妙な均衡の上にある国なのだということも理解できた。その上であっても、独立した国なのだ。その国ごとに事情もあるだろうし、考えている未来もある。多くの人々が同じ国の中で何度も話をして争って、寄り添いあって生きてきたのではないのだろうか。同じ国の中で考えが合わなくて衝突することも、一応はわかる。

だが、他国が武力でその中に割り込んで侵略していいことにはならないだろう。

たとえ自分たちの同胞のためだと言ったとしても、他国は他国だ。勝手なる判断で武力行使することは、あまりにも非人道的にしか見えない。

多くの善良なる人々が戦争を望んでいない。
けれども、一部の狭い視界に陥っている人たちは悪いことだと思っていない。
理性を持って話し合いに臨むこともできないのだろう。話し合う準備はあるというが、一方的な形は話し合いとはいえない。
これ以上辛い犠牲増える前に、「本当の」話し合いに戻ってもらえないのだろうか。

とても辛い状況にあるだろうに、毅然と気持ちを保って発信を続けるあの大統領の姿に胸を打たれる。彼の政治的な判断が正しいことなのかどうかなんて私にはわからないが、あの状況にあって国を引っ張る人としてのまっすぐな姿勢は心に刻まれた。
どうか生き延びてほしい。攻め込まれ逃げる人々のことを祈っている。

青と黄色の国旗の美しい国に。
心から平和と愛を願う。



***
少しだけ気づいたことがある。
どうしてこんなにショックを受けるのか。おそらく私の中に「軍」というものの重さや怖さがなかったからだろう。

『彼女は空軍に勤めているのよ』

かつて、私にとって第二のママと思える人がニコニコとして言ったことがある。彼女の娘さんが空軍に勤めていると。
それは彼らにとって、その国にとって普通の、どこか誇らしいことだったのかもしれない。もちろんその街の大きさからいって良い勤め先がたくさんあるわけではなく、軍というのは身分の安定や様々なことを含めて安定の職業的なことがあったのだろう。一つ年上の娘さんは携帯にある制服姿の写真を見せてくれた。
大学生だった私は多少のショックを受けて、軍というものがこんなに身近なんだと初めて知った。
ただし、そのショックはすぐに薄れてしまった。なぜなら彼女の娘さんの仕事が『軍の中のジムの受付』だと教えられたからだ。(当時の私の英語力ではその理解が限界。受付やジム内の仕事であって、インストラクターでないのは間違いなかった)
軍といってもそういうカジュアルな、普通の職務なんだと理解して、彼女がどこかの戦いに行くわけじゃないのだと安心したのを覚えている。その後、別の駐屯基地に転勤になりかけたので退役?して、今は資格を取ろうと頑張っているなんて話を聞き、余計に気楽な場なんだと思ったのも大きいだろう。
つまり、私にとって『軍』とは大きな組織ではあるが、侵略とはつながらない絵空事のようなものになっていたのだろう。
あるいは自衛隊のように、人々を助ける組織のイメージが強いのもあるかもしれない。

だからこそ、侵略に動くことが信じられないのだろう。

メンタルに来る時はそういうものを読まない方がいいとわかっていても目が離せない。
生き延びてほしいと願うからだ。

無力であっても何かできることを、何が一番いいのか、今も考えている。


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