【小説】Lento con gran espressione(8)
それから一週間が過ぎたけど、瑠璃子おばさんの家には行けていなかった。電話でお母さんに相談したかったが、できなかった。お母さんとわたしの隔たりが邪魔していた。わたしはお父さんと最後の別れをした時、お父さんはこう言った。
「お母さんと仲良くな。元気でいなさい。……本当にごめんな」
その言葉をお母さんに伝えたいけれどできないでいる。それはお母さんが仕事を優先させて看取らなかったからだった。わたしはどうしても納得できなかったし、でもだからといってその事を追求する勇気も持てなか