やがて君になる、全巻を読んだ感想
やがて君になる、という漫画をご存知でしょうか。
2018年にアニメ化され、その後舞台化などあらゆるメディア化がされた百合漫画の最高峰に君臨する作品です。
そんな、やがて君になるを読み終えた瞬間の私の心はといえばそれはそれは壮大なる達成感に満たされたものです。
愛が分からない主人公、小糸侑とそんな彼女だったからこそ主人公を好きになった七海塔子。
好きという言葉は相手を拘束する言葉だ、呪いだだのめちゃくちゃ深い概念も展開され、二人の恋模様を手に汗握りながら見守ると同時に愛についても深く考えさせられます。
そんなやがて君になるという作品を更に面白いものにされたという意味で、佐伯沙弥香の存在があります。
中学時代、先輩の女の子に告白された挙句こんな事は終わりにしようと向こうから振られた悲運の少女、そして七海塔子という存在を好きになってしまった少女。
最後まで恋が届くとい事はありませんでしたが、侑と沙弥香、それぞれの塔子に対する想いの対比という意味でこの少女の存在は欠かせないものでした。
言葉で形容できない深い過程があった後、塔子を好きになった侑、そしてその想いが打ち明けられた時、思わず硬直してしまいどうすればよいのか分からなくなった灯子。
そんな二人は愛というものを見つめ直し、例の沙弥香の告白があった修学旅行の後、二人は互いへの愛を打ち明けました。
互いの想いを全て吐き出した後、その愛は見事に成就しその後は永遠とイチャイチャが続き体内の養分を全て吐き出されるほどの尊みを享受させていただきました。
百合漫画としての尊さをこれでもかと享受できると同時に、愛の形やその他諸々について深く考えされられる、そんなやがて君になるという作品は、私自身の心に深く刻みつけられたと思っています。