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韓国のWebtoonスタジオが上場されたので会社説明資料を読んだ感想

株式会社ソラジマ萩原です。

YLAB社が上場されました🎉
調べていて気づきも多かったのでnoteにしました!
関係者の皆さま、おめでとうございます!
(サムネはYLAB社のHPのかっこいいトップビューです。お借りしました)

YLABとは
2010年設立のWebtoonスタジオでNaverやCJ ENMとの資本提携をしております。作家の育成、Webtoonの制作&人気作連載、映像化&ライセンス化まで一気通貫で行っています。同社が手掛ける「鉄槌教師」などは日本でも人気です

ちなみに、予想時価総額は1,108~1,267億ウォン(8/2時点では1440億ウォン)
公募金額は210~240億ウォンとのこと。

IR資料はこちら
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IR資料は韓国語でしたので勝手に翻訳したスライドを本noteでは使っております。文脈異なってる箇所もあると思いますので詳細知りたい方は元の資料をご覧ください。

衝撃:YLABはもはや映像の会社(!?)

韓国Webtoonスタジオの雄としてよく名前の挙がる同社ですが
売上の内訳を見てみると2022年からは映像事業の方が割合が多いです。
2022年はWebtoon事業が11.7億円(正確には117億ウォン)
対して映像事業が15.1億円です
※わかりやすくするために1円=10ウォンで計算します

2021年にStudioDragonと事業提携、CJ ENMからの出資を機に映像事業が加速したように見えます。

映像事業のビジネスモデル

原作から映像製作までを一気通貫で権利を有し、制作できることをアピールしています。

YLAB PLEX(=映像事業)の売上が2021に一気に9億円ちかく生まれております。配信料だけではなく、映像制作の発注を受けて作っており、その発注額を売上としているのかなと推測していますが、わかりません。
詳しい方いれば教えてください。

YLABが定義するTAM

コンテンツ市場の中でも漫画の4倍以上の市場が映像にあり、その市場を狙っていること、また、制作するコンテンツの世界観をそろえることでライセンス市場にも広がっていくことをアピールしています。

映像事業が順調なので
Webtoon市場は漫画を超えて映像市場もTAMであると言い切れます。

世界観を統一することでライセンス市場も狙うよ、とTAMの大きさをアピールするには十分な実績がありエクイティストーリーとして大変納得感があり勉強になりました!

YLABは世界観を売っている


ジャンルごとにレーベルを作りYlab Universeの構築を目指されています

資料によると世界観にファンがつき、課金額も良いとのことです

また、同じ世界観の新規作品がヒットすることで過去の作品も注目されるという複利が効いているそう。
実際に、「アイランド」のLINEマンガのコメント欄にはドラマ面白かったという賑わいもありました。


YLABの成長戦略は「縦と横」

成長戦略の資料です縦は作家獲得から制作ローカライズまでの一気通貫でやっていく
横はWebtoonで生まれた作品を映像化&ライセンス化していく
という構想です

縦の一気通貫戦略の始まりはアカデミー

作家を育てるアカデミーの紹介もありました。

YLABアカデミーについて


https://ylabac.kr/
Youtubeで授業の一部公開しています

アカデミー発の作家たちの活躍

アカデミー発の作家陣が機能している&退職していないこともアピールしています。コンテンツビジネスは長期戦なので長期勤務率を重視されるところは共感しました

YLABの制作組織体制について

自社戦略をストーリーテリングIP領域での拡張と定義しており、その戦略に沿って組織も作られているのかなと思いました。
具体的にはYLAB本部ではストーリー企画までを担当し、それ以降の工程はART本部が進めるような仕組みかと思います。

会社の名前が本部名にもなっている会社のコアであろうYLAB本部のトップは「鉄槌教師」も担当された入社9年目選手です。編集長ポジション、代表プロデューサーポジションは簡単にできるものではないと改めて実感。

このことからもコンテンツビジネスは短期でなく長期戦だなと。

次は、ようやくWebtoon事業の分析へ

Webtoon事業の売上はこちら

売上
2020年 4億円 
2021年 9.9億円
2022年 11.7億円 連載数20 新規連載数6
2023年 14.3億円 連載数22 新規連載数16(ここから予測)
2024年 25.6億円 連載数40 新規連載数18
2025年 36.9億円 連載数52 新規連載数20

勝手に1作品あたりの売上も予測してみる


2022年のWebtoon事業の売上は11.7億円

・累計63IP、20作品が連載中
・トップ3作品が1億円/年くらい売上があるはず(11.7億円-3億円で残り8.7億円)
・8.7億円のうち、連載中作品が60%、過去の完結済み作品が40%の売上を作ってるとする
・8.7億円の60%=5.2億円を17作品で稼いでるとすると1作品あたり3000万円/年
・連載中作品は月商250~300万円ということであまり違和感のないので淡々と積み上げられてるという印象です

※YLABのPFとの契約面を知らないので全く見当違いかも。あしからず。

その他、勉強になったこと


・3D資料DB蓄積
・線画&着彩は自動化R&D進んでるそうです

IPランセンス事業はこんな感じです

その他、Webtoonマーケットに関する資料

まとめ

今回、一番の衝撃はYLABが映像事業の方が売上が大きいということです
弊社でも映像事業への展開に興味があります!

事業連携、M&Aのご相談あれば是非一度お話させてください!!
まずはカジュアルに情報交換からでもお待ちしております!!

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