母よ、すまない。

私がいくつの頃だろうか??
母がぼそっとこう言った

「お母さんは、お父さんに、大口あけて笑ってみっともないって言われたことがある」

そのころ既に両親が離婚してたか、記憶が定かではないけど、父は色々なことでこうして母を小さく深く傷つけていたみたいだった。
おそらく母も違う方法で父を傷つけていたと思う。

父と母、それぞれ傷つくポイントが違ったろうし、相手が傷つくポイントには、自分は意外とタフだったりするもんだから、こんなことで人が傷つくなんて想像できなかったんだろうと思われる。
で、傷つけあって。。。

そして、母は、自分が人に傷つけられたポイントで私をよく傷つけていた。

最近、これについて気がついたことが幾つかある。

①「お母さんは、お父さんに、大口あけて笑ってみっともないって言われたことがある」
そう言われた時、私は、私もそうやって笑ってるからみっともないって言いたいんだと思った。
→ みっともないと言われたように「私は」思った。

②みっともないって思う人もいるから、やめた方がいいと言いたかった
→ 娘を守る愛情からきている言葉

ずっと私は①の、お前も大口あけて笑ってみっともないぞ、と言われているとおもっていた。だから、自分が傷ついたことで人を傷つける人なんだなと思っていた。
でも良く考えれば、いや、考えなくても、単に母はこんなことがあったと言ってるだけなのだ。

実は同じようなことが数十年後にも起きている。
「今の人はひじが黒くて汚れてる人が多い」
と何度か私に言った時、なんと私は
「私のひじがそんなに汚いなら、回りくどく言わないでくれ。お前の日字が汚いと言えばいい」と言ってしまったのだ、、、

その時の母のなんとも言えない顔に、本当に申し訳なさでいっぱいだ。。。

ただの世間話なのに、まるで自分が責められたかのように、私は受け取ってしまったのだ。。

母は、自分が人に傷つけられたポイントで私をよく傷つけていた。
と先に書いたが、これは全くの誤解である。

母よ、すまない。
ほんと、ごめん。。。

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