手触りの良いものを見つけて嬉しかった

それはステンレスの泡だて器だった。これに手を添わせて、にぎり、先端の金属線が密集して重なる部分に人差し指を挟み、おそらく壁などに引っ掛けるための輪に指を通すなど、この道具を介して線路脇の冷気を隅々味わった。泡だて器は、握る部分があり、その上に硬い線が張り巡らされているという点で、幼い頃握ったテニスのラケットと似ていると思った。しばらく歩いたあと、私は湿った狭い暖かな空間に、泡だて器を迎え入れた。そして泡だて器をくまなく洗った。今からこの道具を使ってアイスクリームを作る。
よろしくお願いします。

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