ANA・JAL株主優待券のこれからのシナリオ(番外編)

ANA・JAL株主優待券のこれからの動向について悲観的な見方と楽観的な見方の2通りで見てきました。

どちらのパターンもあり得ることですし、途中からパターンが入れ替わるようなケースもあるかもしれません。

そのような中でANAが株主優待券の有効期限延長を発表しました。

具体的にいうと2020年5月30日まで有効のANA株主優待番号ご案内書(株主優待券)の有効期限を6カ月延長して2021年11月30日までにするというものです。

JALについてはこれを書いている時点では未発表のが、ANA株主優待券に絞ってANA・JALこれからのシナリオ(番外編)として、書いてみたいと思います。

もし、2020年5月末まで有効の株主優待券の期限が延長されて、どのようなことが起こるのでしょうか?


この今回の有効期限延長の場合は結構相場に影響を与えるのではないかと思います。

まず2020年5月末まで有効の券ですが、11月末までの優待券と同等の価値を持つことになります。

4月24日現在で各サイトのANA株主優待券の買取価格を見てみると、高いところで500円、安いところでは100円になっています。

これが半年延長となるわけですから、この価格はかなり魅力的というより安すぎます。

一方で11月末までの優待券は現状1500円程度で買い取られているわけですが、5月末までの優待券の期限延長により価値が同等になります。

さらに来年5月末までのもっと魅力のある優待券が市場に出てくるわけですから、恐らく1500円では高く感じられるのではないでしょうか?

つまり現状安い2020年5月末有効期限の株主優待券は価値が上がり、11月末までの優待券はそのあおりで価値が下がるのではないかということです。

28日現在の買取価格を見ると本来の11月末までのANA株主優待券は1,000~1,500円、延長され11月末まで有効になったものは50円~1,000円位です。

50円や100円を付けているところはまだ延長の情報を知らないところだと思いますので無視します。

大体のところが、前日までの未発表の段階より買取り価格を上げています。

そこで、今後の買取価格の予想ですが、現状価格の中間位で1,000円~1,200円位に落ち着くのではないでしょうか?

ただそれは短期的な落ち着きどころの価格です。

恐らく膨大な量の株主優待券が使われずに残っているはずです。

感覚的な話になりますが、現在の状況を見ていると4月は例年と比較すると飛行機に搭乗する人は1割くらいではないかと思います。

同じく感覚的ですが1月末まではいつも通り、2月は70%、3月は40%、4月は10%、5月は緊急事態宣言が6日で解除されれば20%、されなければ4月同様10%位の感じがします。

いつもの年と比べると11月末まで有効の優待券は50%位しか使われてないと思います。

それに加えて本来5月末で有効期限が切れる券もかなりの数を持ち越して6月以降に使われます。

さらに6月1日から利用可能な優待券は昨年度ほぼ同数が市場に出てきます。

恐らく昨年同時期に比べて、使用可能なANA株主優待券は2倍近くあるのではないでしょうか?

価格に影響を与えるのは、それだけではありません。

5月6日に仮に「緊急事態宣言」が解除されても、すぐに飛行機にお客さんが戻ってきてV字回復というわけにはいかないと思います。

夏の様々な行事が中止になっていること、新型コロナによって生活スタイルが変わってきていること、経済的なダメージもありレジャーでも飛行機が進むことを考えると、相当需要が落ち込むことになると思います。

今回のANA株主優待券の期限延長は、対象となった株主優待券を持っている人には良い話だったと思います。

ですが、一方でか需要が冷え込んでいるところに、更に流通する株主優待券を増やしてしまったことになり、中期的にはかなり優待券価格の低迷を招くのではと考えています。

ポイントは次の株主優待券が市場で回りだす連休明けから5月中旬です。

恐らくこのあたりで、今まで経験したことがない位のANA株主優待券が市場にあふれます。

更に「緊急事態宣言」が一部の地域、それも東京と大阪を含む地域で延長されれば、一層飛行機需要が冷え込むことになりかねません。

このあたりで、在庫量と需要をみてもう必要ないと判断する業者が増えてくるのではないかと思います

今はJALが有効期限をどうするかを決めていないようですが、もしJALも追随するようなら、更に価格低迷は加速すると思います。

私自身は今はANA株主優待券もJAL株主優待券にも、あまり手を出さない方が正解ではないかと考えています。


ハイリスク・ハイリターンそれも、今ままで経験したことのない環境中でのものです。

ハイリターンを頭に描いて行動することも時には必要ですが、あまりにも不確定要素が多いので少なくともゴールデンウイークが終わるまでは、状況を客観的に観察していようかと思っています。




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