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871ンスタライブ #063(一人喋り)

#871ンスタライブ #063
2022年2月19日(土)

第63回目の配信は一人喋りでお届け。主に「学園祭」をテーマに、学校側のメリット、出演側のメリット、オファーすることに関して、などが語られました。なかなか聞く機会のない切り口でとても面白い1時間。ぜひ、ご一読ください。

主催:柳井貢(以下:871)

(871) こんばんは。
先日、学園祭の実行委員会的なことをやってた方からメッセージを頂いたので、学祭について話してみるのもいいかなーと思って今日のテーマにしてみました。でも、学園祭がコロナでちょっとよく分かんなくなっちゃってるのはあるので、基本的にはコロナ前の「一般的には」みたいな話ができたらと思います。あとは、かなり僕目線の話になっちゃうので、「それだけが全てではないと思いますよ」っていうのを前置きとして結構強めに伝えておきたいです。

ところで、学園祭行ったことある人います?…っていうのも変な質問なんですけど、多分、バンドとかアーティストが出るような学園祭って何種類かあるんですよね。いただいたメッセージはざっくり言うと「学園祭にアーティストを呼ぶ上で何が大事ですか?」みたいな話だったんですけど。

「去年、学祭にSUPER BEAVERを見に行きました」
そうそう。そういうのが自分の学校なのか、よその学校なのかも僕的には興味あるんですよね。この後そういう話もしますけど。

「現在学生なのでもちろんあります!」

「あります!実行委員会もしていました」

「プロのバンドが出ているような学園祭は見に行ったことないです」

みんなそれぞれですよね。でも、アーティストが出てるような学園祭ってだいたい大学の学園祭ですよね。でも学園祭自体は高校もあるし、中学校…はあんまないか。中学校は、学校によっては模擬店やったりするのもあると思うんですけど。だから(今日の話は)主に大学にはなっちゃうのかな。バンドとかアーティストとかを呼んだりするようなパターンで、一応僕らは呼ばれる側になるんですけど…、

「私の大学は毎年吉本の芸人さんが来てくれます」
あ、それも似たようなパターンですね。芸人さんがくるとかタレントさんが来るとかモデルさんがくるとか。

「大学生になったので来年から少し期待しています!去年はなかったので」
コロナで、ってことだろうね、多分ね。

「社会人でも、母校でもない他所の学校に行きました」
うん。ありますね。一般向けにチケット売ってるパターンがあるんでね。今日、そんな話もできたらと思います。さっき「学園祭の実行委員やってます」とか、学園祭の催し物、屋外ステージ、でっかい教室のステージとかの担当をしてますっていう話もチラッと出てましたけど、僕も明治学院大学の学園祭のお手伝いをしたことがあって。けど、学園祭って色んなスタイルがあるので、このあと、出演する側の目線の話をしたいんですけど、その話の前に、ミュージシャンとか芸人さんとかを呼ぶ学祭ってなんだろうね?学校はなんでそんなことしてるんだろうね?っていうところをお話ししたいと思います。それを考えた上で、出る側のメリットを考えた方が色々理解が進むのかなと思っています。

まず学園祭で、学生さんが模擬店出すとか、学内の軽音楽部がパフォーマンスするとか、演劇部や合奏部・合唱部がやるとか、そういうことじゃなくて、他所から、”プロ”っていうのかな。タレントさんとか芸人さんとかミュージシャンを呼ぶっていうのは、最近、コロナ前まで一般的になってましたし「大学の学園祭でプロのミュージシャン、アーティストきたらいいなぁ」とか「芸人さん来たらいいなぁ」っていう感覚とか認知があったと思うんです。あ、そうそう。今ね「大学の広報のため」っていうコメント頂いてますけど、そういったような大学側の思惑が何個かあると思うんですよ。

コメント頂いたのでそのまま拾うと1個は大学の広報ーー広報って何?っていうと、大学の認知を広げて名前をたくさん知ってもらって、要は学生をたくさん集めるっていうことですね。受験生を増やしたいっていうーーのが1つ、大学側がそういうタレントさんなりミュージシャンを呼んで、その名前なり催し事を…

「学生が学園祭に参加するきっかけにもなるかもと思っています」
そう、それもありますよね。あとは、外にインフォメーションすることもそうですけど、内部の学生さんに「うちの学園祭楽しいですよ」ってインフォメーションすることで「うちの大学の学祭楽しいんだよね」って思ってもらえる、楽しんでもらったりするっていうのも実は結構広報に近いところがあって。学生さんの充実度を上げることによって、学生さんの母校だったりとか兄弟だったりとか周りの後輩だったりとかに「どこどこの大学羨ましい」みたいなインフォメーションがいくので、それも大学の魅力を作るっていうことの一環になります。それが大学のバリューをあげたり、受験生を増やすっていうことに繋がっていくと思っています。

「先生方から学生さんへのエールという目線で見ると、学生さんが外部との関わりを持つことで器が広がるという意図もあるのかなーってふと感じました」
うーん!その辺もあると思うんですが、これはもう少し後でまた触れますけど、実際運営だったりとか、ブッキングって僕らいいますけど、そういう制作を学生さん主体でやってるのか、学校の先生や職員さんが主体的にやっているのかによっても変わってきますよね。あと、割と僕らにアクセスのある学園祭のブッキングのオファーとかは、大体代理店っていう、大学の学園祭を主な生業、まぁそれ以外もやってると思うんですけど、大学に学園祭用のパンフレットを配ったりしてる業者さんがいたりするんですよね。そういうところと僕ら取引させてもらったりしますが…、

「うちの母校には過去にBLUE ENCOUNT、04Limited Sazabys、go!go!vanillas、SUPER BEAVERが来ています。実行委員会をやっていて、コンサートの担当ではなかったので見に行けませんでした。学祭は興味ないけどコンサートは行くっていう子が結構いました。」
大きく学園祭自体は興味ないけど、学祭の中でコンサートにだけは行くっていう子もいたよーっていうことですね。

学校側のメリットって、ほとんどが広報活動及びそれに繋がるための学生の充実度であったりだとか、満足度が主たるところだろうなと思います。まぁあとは、実際そこに大学側がどのぐらいの予算を割り振っているのかっていうのにもよるんですよね。だから大学側が、出演料だったりそこの制作費みたいなものまで予算として工面する場合もあれば、まあ大学側はステージと音響設備とかまでは用意しますよ、でも、実際チケット売ってーー赤字になったら多分大学側が多少助ける場合もあると思うんですけどーー基本的にはそのチケット代で出演料等を工面しなさいっていう、実行委員会の学生さん達に主体的に、自分達で学祭を作るっていうところで、ある程度予算の作り方も含めて委ねてる学校もあるのはあります。おそらく。で、その場合はおそらく学生さんの社会経験をかなり重要視してるパターンだし、それはそれでなんかすごくいいなぁと僕は思ってたりもしています。何がダメってことは全くないんですけどね。コメントでも頂いてますが「私の学校はまさに代理店さん、仲介業者さんを挟んでいました。」

「学園祭のオファーと一言に言っても色々なバージョンがあるんだなぁって柳井さんのお話に触れてすごく目から鱗でした」

そうですね。だから僕らも学生さんから直接連絡をもらう場合、オフィシャルのインフォメーションのメールからもらう時もあるし、代理店さんみたいなところから「今年はこうこうこうでー、」みたいなやり取りをする場合もあります。

「私の大学の学園祭は大学側から一切お金が出ないので(機材代も全部学生持ちです)なかなかハードルが高いです。」
まぁそうですよね。でもね、それをやらせてくれるっていうのは、それはそれですごくいいなと思ってて。言ったらライブハウス借りてイベントやるのと一緒なんだけど、大学の学園祭っていう看板っていうか大義名分はそこで作れるので、それをどう利用してイベント制作みたいな経験を得られるかっていう部分で言うと、まぁ代理店入っちゃってるとわりと…。まぁ逆に代理店で入ってるとこっちの事務所は安心だったりするんですけどね。ある程度のポイントを押さえてくれていたりするので。そういう部分はありますが、でもすごく、経験にはなるんじゃないかなぁと思います。「学生さん側で予算繰りもやりなさいよ」っていうのは。それはそれですごくいいことだなと思います。

まぁそんな風に、大学側や実行委員会側、そもそもの学園祭っていうことに対する予算の割り振り方とか考え方、何に重き置いてるのかっていうのが学校によって微妙に違いますよと。そういうのを踏まえた上で、じゃあ僕ら側、アーティスト・事務所側は、なんで学祭に出る時は出るのか?みたいな話をしたいと思います。

で、コロナの影響もあるんですけど、僕自身、学園祭に対してすごく積極的か?というと、そこまで積極的ではないタイプで。これはどのアーティストっていうよりかは、スタッフサイドとしての僕自身の考え方ですね。このアーティストはこう、とかっていうことではなくて。

例えば、(今からする話は)実行委員会をやってて「あのアーティストを呼びたい」みたいなことを思われている学生さんに向けて話してる部分がそこそこあると思ってもらっていいと思うんですけど、そういう人たちに向けて事務所側の正直な露骨なことをお伝えすると、まずそもそもスケジュールを切るに見合うだけの何某の効果があるのか?ということです。"何某"っていうのはまた後程説明しますが、まずそもそもアーティスト側でいうと、1年のスケジュールを組み立てる上で、週末ってーー大体、学園祭って週末とか祝日とかに行われることが多いですけどーー週末・祝日っていうのは1週間のうちに2、3日しかなくて。土日祝で。月で8日から10日間ぐらい。まぁゴールデンウィークとかで多かったら11日か12日ぐらいあると思うんですけど、年間365日あるうちの大体100日~120日くらいあるのかな。なんとなくですけど。だから100何日ぐらいしかない中で、自分達のツアーもある、春場・夏場は野外フェスがある中で学園祭に週末、1日を割くことがどれだけのアーティスト活動に対する効果が得られるのか?っていうのが、アーティスト側としてはまず考えなきゃいけないこと。

で、そういうアーティスト側の事情があるよねっていうのを踏まえた上で、学校側のオファーやこっちから学校に持ちかけることも時にはあるんですけど、そこのバランスが取れているの場合は出演に至る場合もあるし、そうでないケースもある。っていうことだと理解してもらった上で、じゃあ何某の効果、アーティスト側が得たいメリットってなんなんだろうね?っていうことに触れていきますね。

ライブハウスのイベントとか野外フェスとか自分達の主催のツアーとか対バンイベントとかっていうのと比較した時に、学園祭は何が美味しいのか。何がメリットがあるのか。っていうと、まず1個は音楽フィールドっていうんですかね。ライブハウスとかフェスっていうところの発信ではリーチできない学生さんに対するインフォメーションだったり、ライブを見てもらう機会が提供出来る。でも一概に学祭だからそうとは言えなくて、特に「無料で学校の中の学生さんに向けて見れますよ」みたいな催し物の場合は結構学生さんに対するインフォメーション能力が高い。僕らも「あ、このアーティストのことを知らない学生さんに見てもらえるんだ」っていうメリットが得られる。

ただ、さっきちらっと出てましたけど、要はチケット代3000円とか4000円と5000円とかで一般向けも含めてチケット売ってる場合。もちろん学内選考とかあるんですけど、その場合って、そこである程度収益を学校側は取ろうとしているので、そのアーティストのファンが見に来るんですね。そこに向けて学校側もプロモーションすると下手すりゃイープラスとかチケットぴあとかそういうチケット販売会社がプロモーションしてるみたいな。そういった場合はアーティスト側からするとあんまり普段と変わらないんですよね。「学園祭だからこそバンドとかあんまり興味ない人に見てもらえる!」みたいなメリットってあんまりなくて。結局、学校が会場になってるだけで、学園祭って体裁を持った3000円〜5000円のチケット代を払った人が観に来るだけなので、それって渋谷のライブハウスでやってるライブと何が違うの?ってなると、場所が違うっていうだけの場合もある。そこの見極めを僕らは結構したりもします。お客さんとして誰が来てくれるか。問答無用で全校生徒が見てくれますっていう場合と、見たい人は来るけどそれ以外は一般の人で席が埋まってますよっていう場合で「学祭」と一言でくくっても実際得られる効果っていうのが全然違います。

そういう意味で、学園祭をプロモーション活用しようとすると、僕らとしては基なるべく無料に近い形で学校の学生さんが見てくれる催し事になってる方が、プロモーション効果は高いと僕は思ってます。僕はバンドだったりそういう音楽ものをやっている事務所の人なので、じゃあ例えば、BTSの方が好きな学生さんとか、LDHさんとかジャニーズさんとか、そういうところの方が好きな学生さんって多分今いっぱいいる中で「学校の催し事だから3000人の学生さんみんなこれみましょう」つって無理矢理でもいいからバンドのライブを見せてもらえるんであれば「あ、こういうのも良いじゃん」「私EXILE好きだけどバンドもいいじゃん」みたいに触れる接点を提供してもらえる。無料に近い形で学生さんが見てもらえるっていうのは結構僕らとしたら1個ありがたいことではあるんですね。だけど無料なり無料に近い価格でやろうと思うと、そこは学校が予算を持ち出さなきゃいけないので、さっきちらっと出てましたけど「学校からの予算は出ないんですよね」っていうような実行委員会の場合は、それはなかなか難しいと思うんです。お金を生み出すことがなかなか困難なので。チケット売らないと。

っていうようなことが学校側及び学生さん側と、出演者側のメリットの折り合いがつかないっていうことはあります。さっき「芸人さんがー、」とか出てましたけど、もう1個は広報活動についてです。僕はそこをメリットにやる事はそんなにたくさんはないんですけど、やらないとは言わないんですけど、純粋に学校が広報活動として学園祭を利用している趣が大きい時っていうのは、もはや出演者側にとっては営業だよねっていうケースもそこそこあります。要は通常のライブハウスのイベントとか野外フェスとかの出演料の倍とか3倍とかの出演料を学校側がお支払してくれる時に、金銭的メリットでアーティスト側なりタレントさんなり芸人さんなりっていうのは出演する場合があるはある。まぁ、どうなんでしょうね。学園祭を営業だと思っている事務所さんとかアーティストさんも結構多いと思います。僕ももちろんそういう風な感覚でお話をする時もあるし、そこにスケジュールを割くのか割かないのかっていうのはアーティストさんだったりマネージャーさんが、自分達のお仕事の中で何を思って優先しているのかっていうところで違いは出てきたりするんですけど、まぁでも学園祭を営業だとしているところも考え方もあるなっていう感じですね。その場合は、変な話、学校側が予算さえ出してくれれば「今年は学園祭営業で回りますよ」って言ってるアーティストは呼べると思うので。それでお金で呼ぶっていうパターンも全然ありえるし、それを積極的にやってる学校もあればそうじゃない学校もあるので、それは学校側の考えてることとアーティスト側の考えてる事とっていうのの違いかな、みたいなところですね。

だから大きく、お金の流れだったりとか学校側が求めてることとアーティスト側が求めてる事の折り合いがつくのか、どういう形でバランスを取れるのか、っていうのが一般的なケースですかね。さっき話した代理店さんがブッキングだったり制作で入ってるっていうのは営業のパターンが多いですね。代理店さんが仕事になるっていうことはそれだけ予算があるってことなので、変な話、代理店さんはその学園祭のイベントを制作することで、自分たちの収益もあげているので。「じゃあ今年の学園祭は3組ぐらいのバンドさん呼んでもらって500万円ぐらいの予算で仕切ってもらえますか?」「オッケーです」みたいな代理店さんとのやりとりがあって、代理店さんは例えば50万円と100万円と150万円かかるアーティストを松竹梅でブッキングして。じゃあ300万で出演料は仕切って製作費は残りの100万で仕切って、残りの100万円が代理店さんの取り分、みたいな。そういうようなビジネスモデルが成立しているってことなんで、主にそういう大学は認知度を上げるため、他所からその大学を知ってもらうため、オープンキャンパス見に来てもらうため、みたいなところでその予算を広報費として使ってるっていうパターンだし、それに出るアーティストは営業として出演しているっていうことが多いですね。はい。
…何かちょっと面白くない話が最初続いちゃったような気がしますが。

で、そうじゃないパターン。例えば「学校側は基本的に予算ほぼ出しません」みたいな。「その中で学生さん主体で学園祭やんなよ」「社会経験として学園祭、イベントやんなよ」みたいなパターンは、意外と僕好きで。勿論、赤字になっていいとは思ってないですけど、赤字だとしても得られるものがあるケースが全然あるんですよね。そこで稼働することが営業で呼ばれる以上に学生さん達の中に思い出として残って「うちの学校に誰々が来てくれた」っていうことが学生さんたちの人生のでかいトピックになったりすると。例えば、卒業後に社会人になってお父さんお母さんになっても「私、大学の学園祭の時にあのアーティストのライブを見れて、すごい勇気付けられたんだよね」みたいな。そういったような学生さんの思い出に残るライブをする場所を提供してもらえることがあった場合、アーティスト側はわりと自分達の普段の活動では出来ないプロモーションができることがあるんです。

が、これ結構難しくて。どんなアーティストにも当てはまるかっていうと全然そんなことないんですよね。やっぱり、なんて言うんでしょう。アーティストのタイミングの認知度だったりとか需要だったりがいい具合に噛み合わないと、要は学生さんも「誰ですか?この人」っていうアーティストが来てライブパフォーマンスをしてもそんなにこう、グッとこないっていうか。下手すれば見ようか見まいかも悩むくらい、みたいな。学生さん側が「あ、誰々さんが来るんだったらみたい!」みたいな…。
ん?英語のコメントなんだこれ?もう一言目の単語がわかんない…。

学祭の話、戻りますね。そう。だからどんなバンドでもそういうプロモーションがハマるわけじゃないってことですね。学生さんが来てほしいっていうアーティストって、なんだろうな…。すんごい平たく言うというと有名であれば有名であるほどたくさんの学生さんに喜ばれるし、名前がそんなに広がってないアーティストの場合はその学校の学生みんなに喜んでもらえるとは限らないし、そのあたりが予算にも跳ね返ってくるんですけど。ただ変な話、有名すぎるとわざわざその学生さんだけに向けて365日分の1日間リハーサルとか移動とか、地方の場合は移動とかも含まれるんで、365日分の2日とか3日とかを学校の学生さんやその界隈の地域の人達だけに向けて学園祭に出るっていうのがコスパが悪い時もあると。まぁ実名出すとこういう時あれですけど、要は大型野外フェスのトリをやってるようなアーティストだったりとか、ドームクラスでライブをできるような人とかになると、学生さんすごい喜んでくれるけど、アーティスト側からした時にそこまで効率がいいわけじゃないっていう不一致も出てくるので。「やっぱりちょっと有名になりかけだけどまだ伸びしろあるよね」とか「若い人達にもっと知って欲しいよね」とか、アーティストのバリュー・認知度とそこの状況?学園祭でやることがちょうどプロモーションとして有効だよねっていう…アーティストの旬の時期みたいなこともあるので。その辺を加味した上で事務所側は出る学園祭、出ない学園祭、そもそも今年は学園祭に出ていくのか?出ていかないのか?みたいなことを考えてたりしますよ、という感じですかね。

まぁでもやっぱりダイレクトに学生さんから学園祭のお誘いの連絡もらったりする時もあるんで、そういう時の断り方だったりすごく難しいなぁと思うんですけど、そういうお互いのバランスが取れるか否かっていうのが事情としてあるよっていうのを知っておいていただけるだけで僕らも会話はしやすいのかな、みたいなところですね。

あと具体的に「ワンマンライブの告知をできるかできないかとか、物販ができるかできないかとかっていうのはメリットになるのか?」みたいな質問も同時にいただいてたんですけど、それに関しては重きを置く事務所及び相手さんもいるとは思いますが、どっちか言うと「あったらいいな」ぐらいの話なような気がします。例えば兎にも角にも物販とかチェキ会みたいな?そういう、ライブと同等及びそれ以上にチェキ会の方がイベント性が高いみたいなアーティストさんの場合は、物販ができるから出演する、物販ができないんだったら出演しない、みたいなこともあるかもしれないですけど、僕が関わるようなアーティストやバンドに置いては、そこまでの判断基準にはなんないかなっていうのがあります。

なので、まぁどっちかいうと、そもそも取り組みとしてそれは学校の広報活動としての営業ライブなのか、それとも学生さんの社会経験としてのーーまぁ言い方良くないですけど、強制的にというか、低いハードルで学生さんたちに見てもらえるーーライブの場なのか、みたいな。僕が担当してるアーティストであれば、大きくそこの折り合いがうまくバランスが取れてる学園祭には出演したいなぁと思うし、そこがあんまりマッチしてないものはお断りさせてもらうっていうのが正直なところかなーと。あとは365日分の週末が120〜130日あるとして「今年はちょっと学園祭にはもうそもそもスケジュールきる余裕ないよね」「それよりも優先せざるを得ないことがたくさんあるよね」みたいなアーティストさんに関しては、そもそも今年は学園祭やらないでおこうみたいな判断もあるので。そういう場合はどれだけお誘いをもらっても、なかなか動く可能性は低いかなっていうのは事務所なりアーティスト側としてはあるんじゃないかなと思います。

…どうだろう。答えられたのかなぁ。学祭の話、もっとなんか具体的な質問頂ければ答えますよ。コメント及び質問箱でいただければ。なんか僕は学生の時、学園祭ほぼ関わってなかったので、「何かやってるなー」ぐらいに思ってたんで、あんまり学園祭の学校側の雰囲気とか学生さん側の雰囲気っていうのは自分としては体験してないんですけど。

でも、そういえば明治学院大学の学祭のお手伝い、学祭のお手伝いっていうか学祭の中で、要は大学のサークルの人達とかが学内の抽選に競り勝って「何日の第何教室を何日使えることになりましたー!」みたいな「そこからじゃあサークルでどうやって、誰を呼んでどうやって運営しましょう」みたいな、そこの人達と学祭の中の1つのイベントを一緒にやるっていうお仕事をしたこともありますけどね。もうでも10年くらい前かな。でもそういうのも面白かったから、誰を呼ぶかの前に「学祭一緒に手伝って」っていうオファーがあったら僕全然やるかも。

「高校の文化祭で生徒の思い出としてアーティストさんに出演を依頼して折り合いがつけば来ていただけるのでしょうか。」
折り合いがつけば行けますよ、多分。多分っていうかアーティスさんによるので、判断を一概に僕が「行けます」っていうとかじゃないですけど、高校の文化祭にアーティストを出演させていただいたことは事例としてはあります。

でも高校とかだとチケット売ったりしないから、その情報が外に出ないんですよね。基本的には。で、今コロナだから学内の人しか見にこなかったりするし、僕らもコロナの感染対策も含めて「どこどこの高校の学園祭に行ったよー」ってインフォメーションしないでおきましょう、みたいな取り決めをしたりするので。だからやってるっていうことが外に知られてないっていうのは全然ありますね。

「実際に今年の学園祭、11月頃に武道館経験済みクラスのアーティストを呼ぶ場合、オファーは何か月前までくらいが理想ですか?早ければ早いに越したことはないと思いますが」
うーん。まぁ、半年前には相談した方がいいんじゃないですかね。遅くても。でも武道館経験済みクラスのアーティストの場合、その学祭に出るメリットっていうのがお金の場合は安くても200万円は、お金がメリットの場合ね。お金がメリットの場合は安くても200万円、でも普通に300万円とか400、500万円とかするんで。それなりに学校の体力がないと呼べない可能性が高い。で、お金じゃない部分で口説く場合は、やっぱりそれだけのお金じゃないメリットを用意しなきゃいけないんので。熱量だったりとか。だからどういうアクセスをするのかっていうのもありますね。そのアーティストに対して。代理店使っちゃったらもうそれこそそのギャラの値段になっちゃうと思うので。

あとはあれっすね。さっき言ったみたいに、アーティスト側が学祭に出ることをその年のメリットだと思っているのか、もう今年の学祭無理だねってなるかっていうのもあるから、もう無理だなってなったらスパッと諦めて違うアーティストいくっていうぐらいのドライさもいるかなっていう感じですかね。

あとは出演形態を柔軟に考える。やっぱりバンドの場合、バンドでライブするってなったらそれなりのステージのスペック、照明のスペック、音響のスペックっていうのが必要になってくるんで、ライブを出来る環境を用意するだけで100万円とか200万円とかかかっちゃうんすよ。それなりの武道館クラスのアーティストだと。最低でも。だからアーティストの出演料だけじゃなくて、アーティストがライブをしてくれるだけの環境整えなきゃいけない。だけど例えばそれがトークイベントとかってなってくると予算がだいぶグンって下がるし、なんでしょう。じゃあそれが4人組のバンドだった場合、4人ともトークで呼ぶのか、その中の誰かを30分おしゃべりしに来てもらえませんかってなると、そりゃもうだいぶハードルがぐっと下がるので。それは金銭的な意味もそうだし、アーティストがライブするってなると演奏自体は自分たちのコンサートとか野外フェスとかっていうのとそんなに変わんないクオリティを提供しなきゃいけなくなるけど、「30分おしゃべりしてください、学生の前で」ってなると、自分達の活動では取れないコミュニケーションがトークイベントでは取れるので。そういう風に呼びたい人が明確な場合は出演形態を調整するっていうか、柔軟に構えておくっていうのもありかもしれないですね。それこそ基本的にはバンドでやってるんですけど、弾き語りをボーカルの人がやってるよ、とかっていうことであれば弾き語りのオファーにすることでハードルが下がるってこともあるし。

「実際にそのようなクラスのアーティストの学園祭オファーがあったことってあったのでしょうか?興味本位の質問です。」
うん、まぁそんなにアーティスト名を具体的に出して僕がこういう場所で喋るのはあんまり好ましくないとは思うんですけど、でもあんまりオブラートに包んでも面白くないと思うので、僕が今直接的に担当しているアーティストで、武道館のワンマンライブを経験してるアーティストってTHE ORAL CIGARETTESとSaucy Dogだけなんですね。で、THE ORAL CIGARETTESとSaucy Dogの学園祭オファーは全然いただいてます。

「その学校の学園祭の過去に出ていたアーティストさんが豪華だったりすると、主演の決め手になったりするのでしょうか」
いや、あんまり関係ないというか、毎年、認知度の高いアーティストを呼んでる学校って基本的に学校の広報活動として学校が予算作って、有名アーティストブッキングしているパターンなんですね、っていう見極めにはなります。実績があるっていうことは予算はあるんだろうな、みたいな。そういうことの判断材料にはなると思いますけど、それで出演するかどうかっていうのは実際その予算の折り合いがつくかどうかもそうだし、そもそも金銭的なメリットを目的として学園祭に出るアーティストなのか、そうじゃないのかっていうところがあるんで。例えば1000万円もらえたら絶対出るかっつったらそれは絶対出るとは限らないので、1000万円より優先するものがあるよねっていう考え方も全然あるので。金があれば出るって言うわけじゃなかったりもするので難しいところではありますよね。

「学園祭にアーティストをオファーした場合、そちら側の音響スタッフさんや照明スタッフさんが付くことはあるんですか」
これはもちろんバンドなり事務所の考え方によりますけど、基本的に、例えば東京で言ったらLIQUIDROOMとかO-EASTとか通常で1000人以上ぐらいのキャパシティでライブをするアーティストっていうのは専属の照明さんとか音響さんとかと一緒にライブを回っていることが多いので、多いですよ、絶対じゃないですけど。なので基本的に学園祭のライブでも、音響さん照明さん楽器さんみたいなスタッフさんはアーティストと一緒に来ることがほとんどだと思ってもらって間違いないかなって感じですね。

「今まで柳井さんが関わった文化祭で東京から一番遠かったのはどこですか?」
関わったっていうのは、出演者をブッキング受けてっていうことでいいんですかね。さっき言った明治学院大学みたいな関わり方は明治学院大学くらいなので関わったことほとんどないですけど、出演者側として関わったっていうことで言うと、東京から一番遠い佐賀じゃないかな、佐賀の学祭にTHE ORAL CIGARETTESが出たことある気がするなぁ。すんげえ若い時。でもほとんど僕やりとりしてないですけど。僕じゃないスタッフがやり取りしてたんで。

でも学園祭ってそもそも来てほしい……来てほしいんですか?例えば、お金ない、学校から予算出ない、出演料満足に払えない。でもある程度広さとか音出せる…音出せるっていうのは重要だと思うんですよ。音出せなかったライブできないし、それで近隣から苦情きちゃったらダメなんで。

あ、ちょっと一回質問読みます。
「質問したい場合は基本的にインスタライブのみで対応していただけますか?」
えっとー、そうだと思ってもらった方がいいかな。もちろんイレギュラーで僕がお話したいなって思ったら触れます。個別に返信…はあんまりしないようにはしてて、最近。ちょっといろんなDMが増えてきちゃったんで。でも見るには見てたりするので、内容によりけりです。僕のnoteとか過去のインスタライブ見たら喋ってたり書いてたりするよ、っていうことに関してはあんまりお返事しなかったりすることも多いです。

で、話戻りますね。音出せる場所と広さだけはあるんだけど、学校の予算がないケース。で、学生さんが「実行委員会やっててこのアーティスト呼びたいけど、どうしたらいいんだろう?」っていうときに、もちろん規模感にもよりますよ、規模にもよりますけど、僕ら側がグッとくるのは実行委員会の人がそのアーティストのことをむっちゃくちゃ学校の中で宣伝してくれてる場合ですね。「お昼休みの校内放送で毎日そのアーティストの音源かけて、学生さんに布教活動をしてます」とか、そういう熱量というか。僕らが得られるメリットってもうおっきく金銭的なメリットかプロモーション的なメリットで、学祭で得たいプロモーション効果は、やっぱり学生さんにどんだけ知ってもらうか、どんだけ聞いてもらうか、どんだけ好きになってもらえるかっていうのが一番の広報活動だと思うので。更に言えば学生さんの家族とか。だから新聞使ってどうとか、ラジオ使ってどうとかはアーティストさんのバリューがあれば学祭じゃなくても僕らできるので、基本的には学校の学生さんにどれだけプロモーション効果があるのかがすごい重要です。重要っていうか、僕らが得られるものがあるとしたらそういう部分なので、特に予算がない場合は、例えば全校生徒が1学年1000人の全校生徒4000の大学だった場合、そのアーティストを呼びたいですって学生で署名活動をして、2500人の署名を集めましたっていうオファーがあったら僕は多分凄い前向きに考えますね。その学校でのライブを。2500人の署名が本当だったら。

それは2500人集まらなさそうなアーティストなのに集めてくれた場合ってことですからね。どこの学校でやっても2500人そもそも集まるじゃん、っていうランクにアーティストがいってた場合は、そりゃそうでしょってなるので別に考えないですけど「このアーティスト、まだこのランクなのにそんなにもこのアーティストと呼びたいと思ってこのアーティスト応援してくれて2500人署名を集めたのか。もうそれは絶対行かなきゃいけないでしょ」ってなると思いますよ。そのアーティストのネームバリューにもよるし。だから武道館を経験してるアーティストを呼ぶっていうのは、その武道館のやってるアーティストの365分の1日及び2日を割いても、それを割かせるだけのメリットを提供できますよ、それはお金なのかプロモーション効果なのかわからないですけど、何某でそれを提供できますよ、っていうときにアーティストは動いてくれると思うので。っていうのを考えてオファーを出してみるのがいいんじゃないかなと思います。オファーを出すのは全然いいと思いますよ、勉強にもなるし。

で、事務所サイドのマネージャーさんとか制作さんとか窓口の人も、優しい人もいれば冷たい人もいるし、冷たいのが普通だと思ってもらった方がいいと思います。飛び込み営業だなんでね、オファーっていうのは。だって飲食店だろうが何だろうがちょっとわかんないですけど、どこの誰だか分かんない人に「出張来てください」って言われても、やっぱちょっと分かんないじゃないっすか。どのぐらいマナーがある方なのか。バンドがライブするってなった時にどのくらいの音響機材と照明が必要って分かってくれてる人なのか、そこはわかりませんっていう方なのかで僕らが割く労力っていうのも変わってくるんで。まぁ社会勉強として学生さんが「うちの学園祭来てください」っていう連絡、アクションするっていうのはすごくいいことだなと思ってるんで、もしそれで冷たくされてしまった場合は冷たくされるぐらいの内容のお誘いしかできてなかったんだなって思ってもらうのがいいんじゃないかなと思います。はい、ちょっと厳しかったかな。どうかな。わかんないけど。どうでしょう。1時間経ちましたので、こんなところにしようかなぁと思いますが。

「実行委員会でのライブ担当経験者です!当時プロモーションのために大学内で毎日音源をかけたり実行委員会の友達とカラオケの履歴をそのアーティストで埋めたりしていました。満席の会場を見れたことは今でもいい思い出です。」
あー!良かったですね!うん。成功体験。

「学祭についてのお話をしていただきありがとうございます。予算がない場合、グッズ販売ができる場合はいかがでしょうか。」

えっとー、そうっすね。ちょっとその話は途中でもしてはいるんですけど、軽く触れると、要はグッズ販売が出来ることがどのぐらいそのアーティストのメリットなのかによると思うんですよ。まずそもそも500人入る会場の500人を学生さんで埋めてるのか、有料のチケットで学外から呼んでるのかっていうのでも変わってくると思うので。あー…、でもちょっとアーカイブ見てください!アーカイブ残すので。その方が理解が深まると思います。すみません。

でも、グッズ販売ができるからでます、グッズ販売ができないんだったら出ません、みたいなのは、途中で言ってますけど、チェキ会をするぐらいグッズ販売がとにかくこのアーティストの生命線ですっていうぐらいグッズ販売にウエイトを置いてるアーティストじゃない限りは、グッズ販売ができるから出演しまーす!みたいなことはないんじゃないかなと思います。出るっていうのが決まった上で「販売できる方がいいのでさせてもらえませんか」って事務所側から言ってくることはあると思いますけど。

「ありがとうございました。アーティスト側にメリットを感じてもらえるような提案書作りなどを頑張ろうと思いました。」
頑張ってください!ね。すごいいい経験になると思いますよ。それか僕をよんでくれれば一緒に考えます。熱量は必要ですけど、たぶんすごい厳しいと思うんで。僕は僕で。「呼びたいんだったらこんくらいはしてなきゃダメだよ」って普通に言っちゃうと思うんで。

「学園祭実行委員会でコンサート担当を引退してしまったのですが、していた時にこのお話を聞けていたら活動に活かせることがたくさんあったなぁと思いました。後輩に相談受けたらアドバイスに使おうと思います。お話とても興味深かったです。ありがとうございました。」
こちらこそありがとうございます。後輩の方とかに相談受けたら全然このアーカイブの送りつけてください。とりあえず見てから喋ろう、つって。さっきちょっと喋りかけましたけど、コロナで1、2年ぐらいやれてないんですけど、山形に寒河江市ってのがあって、そこの寒河江文化会館で1年に1回「寒河江music day」っていうイベントをやってたんっすよ。で、それのブッキングを仙台の人と一緒にやってて。2018年の1回目がKEYTALKとSaucy Dog、2019年の2回目がSUPER BEAVERとLAMP IN TERRENだったかな、で2020年からコロナでできなかったのか?かな。多分ね。うん。そうなんですよ、そういうブッキングのお仕事とかお手伝いとかもしてるんで。

「大学学園祭運営に関わった経験のある者として大変興味深いお話でした。アーティストさんに限らず協賛会社さんなどの交渉も相手次第、相手の時間をお金を頂いて関わるのは厳しいことを承知で進む話だと思います。興味深いお話ありがとうございました。」
こちらこそありがとうございます。

「いつか学生さん達に夢を与えたりできたらいいですね。若いっていいな。柳井さんもちゃんと話してくれる姿勢がすごくいいと思います。」
ありがとうございます!

「社会人にこれからなるのでそれの参考にもなるいい機会でした。ありがとうございました!」
確かに。やっぱね、学園祭だろうが仕事だろうがなんだろうが、関わる相手のメリットを想像したり理解したりするっていうのはむちゃくちゃ重要で。だから、僕、あの、できてるかどうか分かんないんすけど、タイアップだったりとかその取り組みをする時はなるべく全力で…、例えば、こっち側の固有名詞は出さないですけど、去年から今年にかけてチョコレートのタイアップというかキャンペーンの仕事を、とあるアーティストでやってますけど、あれとかはもう、とにかくそのチョコレートが売れなきゃ意味がないので、チョコレートが売れるように取り組みを考えるし、逆にその取り組みをすることでこっちのメリットをいかに最大化するか?っていうこともすごく求めるし。その分、こっちもチョコレートう売りますよっていう。タイアップとかなにか相手と誰かとお仕事をする時は、こっち側の得たいものもちゃんと正当に主張するし、その上で相手の目論見はちゃんと達成するっていう全面協力する姿勢が、仕事をする上で重要なのかなと思っているので。学祭に限らず取引をする、取り組みを一緒にする相手にとって一番大事なんじゃないかなっていうふうには思います。

よし!じゃあ終わります!皆さん今日もご視聴ありがとうございました!
ありがとうございました!おやすみなさい!

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