871ンスタライブ #011(三宅正一)

#871ンスタライブ  #011
2020年12月12日(土)

ライター、そして『ODD Foot Works』のマネージメントも手掛ける三宅正一さんを迎えてお送りした第11回。
ライター業やインタビューについて、そして"切り取り"の怖さやプロモーションについて、更にはライブレポートの価値について等、深いお話を聞くことが出来た。


主催:柳井貢(以下:871)
ゲスト:三宅正一(以下:三宅)


(871) 今日は、音楽ものを中心にライター業をやられている三宅正一さんをお呼びしています。先日の配信で音楽雑誌の話もしたし、見てくれてる人の中でライター志望の人とか、文章を書くのが好きな人とかが割といる印象を受けたので。三宅さんは『ODD Foot Works』っていうアーティストのレーベルとか事務所もやられたりもしていて、裏方仲間でもあるっていう感じですね。

(三宅) どうもどうもどうも!

(871) 宜しくお願いします!
今日は大きく2つ話したいことがありまして。一つは、配信を見てくれてる人の中で意外と音楽の物書きしたいみたいな人がいてくれるんですけど、そういう方に、例えば三宅さんはどんな経歴で何をしてきて、何が楽しくて何が辛かったとかを聞けたらなって思っています。もう一つは、『ODD Foot Works』やられてるじゃないですか?ライター業をやりつつ、アーティストマネジメントとかレーベルみたいなことを、何でしてるんですかっていう(笑)

(三宅) ははは(笑)よく聞かれます(笑)

(871) そういう話をしつつ、あとはちょっとだけでいいんですけど、三宅さんに公然でインタビューされたいっていう。

(三宅) なるほど!

(871) この配信の目的の9割くらいは、色んな人を紹介することなんですけど、1割くらいは色んな人に褒められてる僕を見せるっていうのもあるので(笑)

(三宅) 間違いない間違いない。

(871) 僕、好きな話があって。三宅さんって結構表で喋るじゃないですか?で、僕が『cutman-booche』のマネージャーをしてた時に、配信番組かなんかに来てもらったんですよね。そしたら後日、三宅さんから"あの時柳井が誘ってくれてからそういうのが増えた"みたいなことを言ってくれたのが1回あって。

(三宅) そうですね。本当にそうでした。

(871) ライターの仕事と、表で喋る仕事の違いってどういう感じなんですか?

(三宅)  あんまり分けて考えずにやっちゃってる感じはありますね。両方楽しいです。

(871) いつも思うんですけど、ライターさんの能力として、インタビューをする能力と、インタビューした音声を原稿化する能力と、何対何くらいの割合なんですか?

(三宅) それは5対5でありたいですね。
でも本当は、喋ったものをそのまま映像とかで流した方が早くていいなとは思ってます。

(871) なるほど。
でもこの前めっちゃ感動したのが、LIFE OF MUSICの(山中)拓也と僕の対談をやってもらったじゃないですか。
(対談はこちら→ https://sensa.jp/interview/20200819-lom.html )

僕が余計なことを喋りすぎて、出して良い情報と出したらダメな情報が分からなさすぎるから、一回書き起こし原稿を貰ったじゃないですか?その時に、僕が喋ってる話って文字にすると凄く読みづらいなぁと思って。一応、ざっくりここの下りはちょっと伏せておきましょうかっていうのを、2箇所ぐらいお話しして、その次に上がってきた完成の原稿を読んだらもう別人が喋ってるみたいに分かりやすくて!

(三宅) ははは(笑)でもそれが難しいですよね。生の言葉を残しつつ整理しないと読みにくいので。そこは凄く気遣うところですよね。どのライターの方も気を使うとこじゃないっすか。

(871) 勿論言い回しが多少変わったりするじないですか?僕は自分がインタビューされること少ないですけど、アーティストの原稿とか読んでて、ちょっとあいつのニュアンスじゃなくなってるな〜…みたいなことってやっぱあるんですけど、LIFE OF MUSICの時は僕じゃない感が一切無くて、且つ内容が整理されてて凄いなって思いました。

(三宅) それは安心しました。欧米は原稿チェックの概念が殆ど無いって聞くので、原稿チェックって日本独特の文化というか習慣なのかなと思うんですけど。

(871) でもそれって広告取引が多くなってるから、っていうこともありますよね。

(三宅) それは間違いないでしょうね。

(871) 金貰ってるから一応確認してもらわなきゃ、後で怒られるのも嫌だし、みたいな気がするんすけどね。

(三宅) 危機回避みたいな側面も強いですよね。

(871) あと踏み込んでいいのか分かんないんですけど…

(三宅) 全然大丈夫ですよ!何でも。

(871) 出役の人と色々喋ったりすると、"あ、怒ってる"みたいなことあるじゃないですか?(笑)

(三宅) あ〜、この質問良くなかったんだな、と思うこともありますね。

(871) 僕、棒映像を観て…

(三宅) あれか!あれ実は違うんですよね。
今日話出ると思わなかったんで言うんすけど、あれはコントっていうか、事前にこういう感じでって対象者の方と話して、ネタみたいになった箇所の一部分を切り取られて、勝手にタイトル付けられてあげられてるんすよ。

(871) あ!そうなんですね!

(三宅) それ正直、迷惑してて…。やっぱり周りも心配したりする人もいるんで、YouTubeとかに消してほしいみたいなメールを送ったりもしたんですけど。実は。

(871) えー!結構影響というか、レスポンスがあったんですね。

(三宅) 凄い数見られたりしてるし、本当に怖いなって思いましたね。一部分を切り取ってそういう風に仕立て上げることができることがやっぱり凄く怖いなと思いました。で、それを今の言葉でいうと"バズらせる"みたいな感じで、タイトル付けて拡散されて。その一部分だけが一人歩きして、前後関係が完全に無視されて本当のことを無かったことにするっていうか。

(871) 典型的な切り取りだったんですね。

(三宅) 間違いないっすね。ただ僕もそれを、どこかで言っても無意味だなって思ったし、迷惑してるんですってSNSで言ってそれをまた人に見られるのも嫌で。あれはちょっと僕の中では遺憾です、って感じですね(笑)だから怖いですよ編集って。

(871) そうですよね。

(三宅) ドキュメンタリー作家の方とかも言われてるかもしれないけど、ドキュメンタリーと謳われてても編集する人の視座が入ってるからどこまで実像を映し出してるかっていうね。アーティストのドキュメンタリーフィルムとかライブ映像の裏側を回したドキュメンタリーとかも、勿論チェックが入って表に出ているものだし、そこにはやっぱり何かしらの演出が働いてるわけで。それは踏まえて観た方が逆に僕は面白いんじゃないかと思いますよね。

(871) でも視聴者がその懐の広さで受け取るには、結構経験値が必要ですよね…。視聴者が"この表現には色んな可能性があるよね"って、出役の意図と編集者の意図を切り分けて受け取る能力はなかなか高いところですよね。

(三宅) 高いですね。でもそのリテラシーの高さはもっと共有されても良いことだと思います。じゃないとTwitterとかで流れてくるニュースを一つとっても、ある一つの切り口だけに左右されて転がされちゃう。本当に怖い時代だなって常々思います。

(871) 悩ましいですけど、悪い意味では無く今は発信元も増えて、ちょっとパンチラインのある表現だったらバズっちゃうじゃないですか。そういう世の中を生きてる以上、見る側も客観視を持っておかないと、自分自身が誤解した情報の中で生きてしまうし、じゃあそれをどこで学んでもらうのか、っていう話ですしね。

(三宅) そうですね。それは人間関係でも言えることで、僕が柳井さんに好感を抱いてる要素が、他の人にとっては悪い印象かもしれないじゃないですか。
例えば、柳井さんの仕事の在り方とか、自由度と責任感みたいなバランスの中で自分なりの美学や考え方を貫きつつ会社にも所属しながら、アーティストとの関係を築いてるっていうことは、僕は柳井さんの素晴らしいところだなと思うんですけど、違う立場の人は、もしかしたらジェラシーとかが入り込むかもしれないけど、柳井さんの自由度とか、仕事のあり方に対して反感を持つ人がいるかもしれないと。そういう点では人間関係でも同じことが言えますよね。その人の一部分だけを見てその人の全部を語ることはできないって、ここ数年特に思いますね。

(871) 確かに。

(三宅) 大人になると敵も見方も増えていく部分もあると思うんですけど、ある一つの印象を、本人がいない場所で語られてたとしてそれを鵜呑みにするのはあまりにも危険だと思います。

(871) 本当にそうだと思います。誰かのことを誰かに紹介する時に、どこにフォーカスして語るのかによっても印象が変わるけど、同じところにフォーカスしてても言い方ひとつでポジティブにもネガティブにもいけるじゃないですか。例えば僕について"6組のアーティストを担当してるマネージャーってあんまりいないですよね"っていう事象にフォーカスしたとしても、良い風にも悪い風にもいくらでも言えるっていうか。

(三宅) "6組全員に同じ愛情を注いでるんですか?"って茶々を入れる人だっているしね。

(871) そう考えると、さっき三宅さんが言ってた"人間関係についても同じことが言える"ってまさにその通りだなって。

(三宅) 今の世の中は、多様性っていう言葉が凄く大事にされてて。本当にそうだと思うし、皆が聴いてる音楽のメッセージにもそういう言葉が乗せられてることも多いじゃないですか。だから歌詞で表現してることや本質をどこまで自分の生活とか考え方に反映できるかっていうのは、勿論人それぞれだと思うんです。でも柳井さんが担当されてるアーティストとかもきっと、多様な考え方とかをサウンドのバリエーションとかも含めて提示してる人もいるだろうし。拓也くんも凄く自分のあり方とかで、そういう事を提示してるんだなぁとも感じるし。発信してる表現の中の奥にあることを自分に置き換えられて、キャッチできたら良いなあと思いますけどね。

(871) そうなんですよね。僕がどこまで出来てるかわかんないすけど、そっちの方が僕は楽しいんですよね。
さっきの話に戻りますけど、演出部分についても例えば好きな役者さんが出てる映画を見る時って、映画の役としても受け取るけど、この役者さんはこの作品をどんな気持ちで演じてるんだろう?みたいなこともあるじゃないですか。役としても受け取るけど、その役を演じてる役者さんの気持ちも気になるみたいな。そういう事を考え出すと作品のことが凄い好きになるんですよね。

(三宅) ならほどね!凄くわかる。
それってまさに想像力だと思うんですけど、"想像力"って口にするのは簡単だけど、自分の中でそれを活かす事は本当に難しいなって思いますね。表現に対峙する上で大事にしなきゃいけないなって思ってます。

(871) そうですよね。
ライターさんの話を聞こうと思ってたのに、物の見方の話になってしまいました(笑)
無理矢理ライターさん部門の話をまとめるとして、三宅さんってライター業何年ぐらいですか?

(三宅) 厳密に言うと大学卒業して出版社に就職して、今42歳なので、21年~22年とかですかね。怖いですね。

(871) 20年以上ライター業やられてる中で、強いて言うなら、これだけは大事にしてます!っていうことを教えてください。

(三宅) 事前準備!
たまに聞くんですよ。音楽作品のインタビューなのに作品を聴かないで行く人がいるっていう(笑)そんなことある?!って思うんですけど…。僕がインタビューの時にアルバムの感想を先に言うと、"あ、聴いてくれたんですか!"っていう人がたまにいて(笑)え?って思って、逆に聴かないで来る人いるんですか?!って、結構カルチャーショックでしたね。

(871) いなくはないと思うんですよ(笑)

(三宅) すごいなそれ(笑)

(871) それも発想の違いで、出役の人とかインタビューされる人は可哀想だなって思うんですけど、良いとは思わないですよ?良いかどうかはわかんないですけど、ライターさんが事前準備をしないインタビューってどういう現象が起こってるのかって、自分の音楽を既に知ってくれてる人に理解を深める話というより自分の音楽を聞いたことない人に、音楽じゃない形の言葉で音楽の魅力を伝える、っていう風に目的を変えちゃうしかないだろうなっていう気はしますけどね。ただ受けてる側は鬱陶しいですけど(笑)何で僕にインタビューしたいと思ったんですか、ぐらいの(笑)

(三宅) いやちょっと不思議なんだよなぁ…(笑)僕は本当に準備は怠らないっていうのはずっとやってきた自負はありますね。

(871) なるほど。でも純粋にアルバム聴こうと思ったら1周で40~50分かかるじゃないですか。そこでもしブッキングが重なって、"三宅さん明日ちょっと2本お願いしていいっすか"みたいになって、"どっちも新譜聴いてない…!"みたいになったらどうするんですか?

(三宅) そしたら断りますね。準備出来なかったら。

(871) 三宅さんの中で最低限、インタビューをする上でこれくらいの事前準備は必要だ、っていう目安があって、それができないなら受けないってくらい事前準備を大事にしてるってことですね。

(三宅) そうです。間違いないですね。
でもそれ当たり前で、基本のきだと思うんですけどね(笑)事前準備をしないと始まらない気がします。僕は評論家ではないと思ってて。最初の媒体がカルチャー誌の『SWITCH』だったんですけど、批評的なことよりも、まず一回その人と向き合って大切な話を聞き出しなさいっていう理念が共有されてる雑誌だったんですよね。今もそうだと思うんですけど。そこで育ったのが結構大きいと思ってて。それをやる為には、まずその人について調べないといけないし、当時は今みたいに便利なネットもそんなにはなかったので、古本屋さんに行って雑誌のバックナンバー買って過去のインタビューを読んだりとか。そういうのをすることから始まってるのが大きいかもしれないです。勿論、批評を売りにしてる雑誌とかも、準備をした上でインタビューに臨んでると思うんですけどね。だからありちゃん(『MUSICA』有泉智子)も凄い準備してるし、それは読んでれば分かりますよね。だからあんなに多くのアーティストに信頼されてると思うし、その上でプラス、彼女の切り口、批評画みたいなので勝負してるとも思う。それぞれライターさんのスタイルがあるかもしれないけれど、それは準備してからの話だと思いますけどね。準備するまではその人の色もくそもないっていう感じがします。

(871) なるほどなるほど。

(三宅) 『MUSICA』は年末に、年間総括特集あるから楽しみしてます!毎年本当に面白いですよ。皆さん是非読んでください。

(871) 12月15日発売の『MUSICA』チェックしてくださいね!
最近、僕は担当アーティストの原稿チェックするの辞めたんです。

(三宅) 何で辞めたんですか?

(871) 時間が追いつかないっていう物理的理由が1つ。あとは、やりだすとやりたくなっちゃうんですよね。考えすぎちゃって。もっと他に表現あるかなとか、本人が言いたいことは多分もっとこうなんだけど…とか。インタビュー現場に立ち会えてないこともあって諦めました。僕がそこの演出に携わることを。

(三宅) なるほど。まぁそれは柳井さんのスタンスだしね。

(871) そうそう。三宅さんもさっき、喋ったことをそのまま映像で流す方が伝わり方も速さ的にもアリみたいな話あったじゃないですか。切り取りリスクの話も途中しましたけど、とはいえ、何か表現して伝えていく上で、編集されることも含めてある程度受け入れるしかないなっていうのと、編集しようがないくらい普遍的なポリシーをもって社会活動をするしかないと思いましたね。何を切り取られても、"あの人が一番言いたいことってこういうことだもんね"って説明がついたり、誤解が解けたりするような。これだけ情報元が増えちゃって、誰もが好き勝手に言えるようになってしまった以上、小手先のポリシーとかスタンスじゃ成立しないんだろうなと思って。媒体に出る時だけオシャレしてカッコつけてても、私服ダサかったらすぐバレるみたいな。

(三宅) そうですよね(笑)めっちゃわかります。

(871) 編集はされるもんだと設定した上で、どう喋るか、どう生活するか、どう立ち振る舞うかみたいなことをミュージシャンと会話しながら一緒に考えてますね。勿論さっき話したみたいな準備不足が酷すぎたり、あまりにも酷いものは次お仕事をするのは辞めれば良いので。何でこんな原稿上がってくるの、みたいなことも確かにあったので。特にライブレポートとか。

(三宅) あ〜ライブレポートね。

(871) ライブレポートに赤入れするっていうのも一時やってたんですけど、不思議な気持ちになって。お金を払ってお願いしてるのに原稿をチェックして赤入れ、って先生みたいなことをしてあげてるって何じゃこれ!と思って。お金払ってる側ですよね?みたいな気持ちになったので、だからオフィシャルのライブレポとかは基本的に信頼できてる人にしかお願いしないみたいな。

(三宅) そういう風になりますよね。
僕、極力ライブレポートは受けないようにしていて。それはまた別の話になるんですけど、ライブレポート自体に価値を感じてないっていうのもあるんです。自分が熱を持ってるアーティストにお願いされると引き受けることもあるんですけど、ライブレポートはちょっと難しいなと思いますね。

(871) でもいいっすね。逆に、三宅さんがライブレポートを書いてたら断れないぐらい好きなアーティストだったってことすね(笑)

(三宅) ははは(笑)まあ基本そうすね。
「なんでライブレポートに価値を感じてないんですか?」っていうコメントがあったのでお答えすると…今はこういう時代になったから配信ライブもありますけど、ライブって生で体感したものや感じる主観がお客さんの数だけ存在するし、その極致みたいなものがライブだと思うので。それを代表者として語ることがなかなか難しいというか。MCを抜粋して何の曲をこういう風に演奏していたっていう事実関係だけを述べるスタイルもあると思うんすけど、それを読むことでライブに行った気持ちになるのか、っていったら全然ならないと思うし。だからといって自分の主観を乗っけたところで、そこにいたお客さんの主観の代表もできないなと思っていて。でもこれはまた、録音物と違うところがあると思うんですよね。ライブって身体表現を生で見てることに加えて会場の鳴りとか、その場で生まれる熱量とか空気を、それぞれのあり方で感じると思うんですけど、それをあたかも代表してるように言うのがすごく僕は難しいし疑問を感じてて。それなら何のチェックもされてないSNSの感想をみた方がリアルなそれぞれの人の気持ちが見えてくるんじゃないか、とか。そういうことを思ってます。

(871) その話を更に掘り下げると、僕、プロモーションをすることになかなかポジティブになれなかった時期があって。その時三宅さんに、プロモーションをすることの大事さを教えてもらったことがあったんです。その時僕はいわゆる、媒体さんに自分の担当してるアーティストを紹介してくださいって、時には物凄くお願いする感じでアポを取らなきゃいけない事に多分疲れてたんだと思うんですけど。僕が三宅さんに、「頭下げて時間もらって、取り扱ってもらえるかどうかわからないことに時間を使ってることにちょっと悩んでる」みたいな話をしたと思うんですよ。そしたら三宅さんが、「新しいアーティストや音楽を、聴いてくれる人が増える事はアーティスト側だけの幸せではなくて、リスナーが新しい音楽と出会えたっていうこともある。そういうハッピーを提供する行為がプロモーションでもあるよね」って考え方や見方を教えてくれたんですよね。その話は自分の中で"確かに!!"って思えて。要は、感動できる新しい音楽なりアーティストを知れることって、アーティスト目線だとお客さん一人二人増えたっていうことですけど、受け手目線だと"私がこの音楽に出会えた喜び"みたいなものがあると。それを生み出すのがプロモーションだよって言われて、プロモーションも悪いもんじゃないな、そう考えたらちょっと頑張れるかも!みたいになったんですよね。

で、話を戻すとライブレポートも、価値を感じないっていうワードで表現はされてましたけど全部がダメってことではなくて、そこには難しさがあるっていうぐらいライブの良さとか、ライブってなんぞやっていうのがすごい深いと。だから三宅さんは、なかなか難しいからライブに対して、こういう一個の価値があるよ、とはハッキリと言いづらい、っていうことだと思うんですけど。

(三宅) そうですね。

(871) でもそこには、リスナー目線のコンテンツに対する真摯な三宅さんの姿勢が、そう思わせるんだろうなって僕は思いました。

(三宅) フォローしていただいて凄く有難いです。

(871) やっぱり僕思うんですけど、ライブってステージで何が行われているかも凄く大事だけど、隣にどんな観客がいるかっていうだけでもライブの楽しみ具合が変わるじゃないですか。

(三宅) 間違いない!それ映画だってそうですもんね(笑)

(871) そんなこんなもひっくるめて、ステージで何があったかっていうのがライブだけじゃないよっていう。ライブレポでお客さんとしての体感値を伝えようとした時に、"今日のライブは凄く良かったんだけど冷房が効きすぎて寒かった"っていうライブレポ見たことないじゃないっすか。

(三宅) 本当にそうですね。

(871) でも実はそれって重要で。ビールがぬるかったとか色々あるはずなのに、ライブ感みたいなことが文字にしづらいっていうのは凄くわかるし、だから難易度が高いっていうことなのかな、と勝手に受け取ってますけど。

(三宅) いや、めちゃくちゃフォローしてくれてありがたいっすね。ライターなのに言葉足らずっていう(笑)本当にそういうことです。凄く難しいと思ってます。

(871) 「柳井さんが書いたら早いんじゃないか」っていうコメント頂いて、確かにそれはそうなんですけど、僕は言葉を選びすぎちゃうんで書き出すと時間がかかりすぎてむちゃくちゃ効率悪いんですよ。

(三宅) なるほどね。

(871) だから自分でnoteを書くことも諦めてて。でも1時間毎日喋るのはそんなにしんどくない。多分1日10時間ぐらいはずっと仕事で電話したり打ち合わせしたりで喋ってるんで。だからインスタライブやってる、っていうのもそうだし、今僕のインスタライブを原稿化してくれる人がいて。書き手志望の方なので、そこで色んなやりたいことがマッチしてて、あとは映像編集したい人にデータをあげてYouTubeに15分バージョンをアップしたりとかも本当はしたいんすよね。

(三宅) なるほど。

(871) 得意な事を得意な人がやるっていうのは結構大事だなと思ってて。

(三宅) 本当にそうですね。そう思う。

(871) やばい。三宅さんが何『ODD Foot Works』をやってるかの話が一切できなかった。

(三宅) ははは(笑)1時間って早いですね!

(871) 三宅さん、何か告知ごとないですか?

(三宅) 『ODD Foot Works』が12月9日に自主レーベルを立ち上げまして、そこからEP 『Qualification 4 Files』をリリースしました。デジタルリリースなのでストリーミングでも聴けるし、ダウンロードでご購入も頂けるんで是非聴いてください!
あとは、12月30日に久しぶりに有観客ライブを恵比寿LIQUIDROOMでします。配信もあるんですけど、今、世の中の状況が日々変わってる中なので、やる方も来てくれる方も皆色んな不安を抱えながらだとは思うんですけど、勿論色んな対策をしつつ、今のところ有観客も実施する方向で動いてるのでお時間があったら遊びに来てください。

(871) 因みに、ライターをしながらレーベルプロダクションもやりながら…そしてお父さんもやりながらの42歳はどうですか?

(三宅) めちゃくちゃ楽しいし学びばっかりですね。本当に学びばっかり。今回レーベルを立ち上げたのも、権利問題からお金の流れとかも含めて学ぶことばっかりで知らないことばっかりだったなと思いました。
で、それを教えてくれる人とか助けてくれる人が周りにいて、やっとこうやって無事にリリースできたのも本当に、お世話になった方々に心から感謝してますとしか言えないくらい感謝してて。そうやって学ぶっていうことはどんどん減っていくと思うので凄く有難いですね。

(871) むっちゃわかります。今、"学ぶ"っていう言葉で説明されてたんですけど、僕その部分を何か良い言葉ないかなってずっと思ってて。学ぶとか勉強するって日本人的には堅苦しいじゃないですか。

(三宅) そうですね。

(871) 僕、オリエンタルラジオの中田さんのYouTube大学とかも観るし、大人になって勉強しよう、みたいなのも凄く好きだし。学べるっていうのが三宅さんが仰るみたいに凄い楽しいっていうのは僕も日々感じてるんですけど、でもいざ僕らが学んでるなぁって思う時ってちょっと"勉強する"とか"学んでる"っていうのと違う感覚だったりもするんすよ、言葉として。例えばロールプレイングゲームの攻略本とか読んでどうやったら攻略できるかなあって考えたりするのって、勉強してる感じじゃなく勉強してるじゃないすか。あの状態とか経験を"学ぶ"とか"勉強"とかじゃない表現ないかなって思ってます。

(三宅) ロールプレイングに準えると、経験値を獲得するっていうことですよね。

(871) そこがすごい自分や周りの人の財産になるじゃないですか。知識とか経験とかスキルとかが。

(三宅) 自分がそれを得たら人にシェアも出来ますもんね。

(871) そういうのって楽しいよってうまく伝えていけると良いなと思ってるんですよね。

(三宅) 本当にメンバーにも色んなことを逆に教えて貰えるっていうか。新しい音楽とかもそうなんですけど、人間的にもこっちがアドバイスとか、時には注意めいたことを言うと自分に跳ね返ってくるんで。育ててもらってるっていう感覚が本当にあるんですよね。それは子育てにも割と通ずるものがあるんじゃないかなと思いますね。

(871) そうっすね。子育ては本当に勉強や…。

(三宅) ははは(笑)
だから本当に感謝してますね。メンバーにも。

(871) 良いお話を色々きけました。

(三宅) ありがとうございます!良かったです。

(871) こないだ唐突に電話して一時間ぐらい無理やり喋っちゃいましたけど、こういうインスタライブみたいに表の設定を作って喋る時間も結構好きなんですよ。

(三宅) うん。1時間なら1時間って決めて話すのはすごい大事だと思います。

(871) 今日話してた話を、2人で電話で話してたらちょっと気持ち悪いじゃないですか(笑)

(三宅) 確かにね(笑)でも柳井さんの今の画面に映ってる感じがもう完全に飲み屋のそれなので。飲み屋で話してる感覚ではありましたよ(笑)

(871) ははは(笑)
また、お声掛けするかもしれないです。

(三宅) 是非是非、いつでも!

(871) ありがとうございました!

(三宅) ありがとうございました!
楽しかったです!

(871) また引き続き色々宜しくお願いします!
見て頂いた人達もありがとうございました!

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