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Kubotyのラストスパートから優勝まで

2019年10月22日

TOTALFATのKuboty(Gt.)が脱退を発表してからあっという間に月日が経った。

時間感覚は皮肉に出来ていて、過ぎて欲しい時程遅く、過ぎて欲しくない時ほど早い。

4月7日の事を昨日の様に覚えている。



2019年8月22日
ラストライブと同じ場所、新木場STUDIO COASTにてレーベルイベント「UKFC on the Road 2019」が開催された。



これが私自身、脱退発表後初めてのTOTALFATのライブ。


このイベントは毎年恒例となっているが
今年は「GO AHEAD TOTALFAT, GOOD BYE Kuboty」というタイトルの元、レーベルが総力あげてKubotyを送り出した。

TOTALFATがキュレーターを務め、ゆかりあるバンドをブッキング。

各バンドが、それぞれのTOTALFATやKubotyへの想い、そして宣戦布告や感謝、尊敬等、色んな気持ちをステージで叫んでいた。

また、豪華なコラボシーンも続出。
Kubotyのハードなギターフレーズが浮く事も無く馴染みつつも、楽曲の顔をガラリと変える。個人的にはBIGMAMAとのコラボ「ファビュラ・フィビュラ」が非常に印象的であった。ローテンポな楽曲に地を這う様にギターの爪痕を残していく。痺れた。


大トリを飾ったTOTALFATのステージでは
本当に脱退するよな…?と疑ってしまう程、今まで通り、いや、それを超えるほどのパワーとTOTALFATらしい明るく、パンクなライブパフォーマンス。

ライブ前まで感情が迷子で非常に複雑だったが、始まってしまえば自然と笑顔になり、ただ只管に楽しく、何か悲しい気持ちになる瞬間など無かった。
いつだってTOTALFATの音楽が萎れる事なんて無い。



2019年9月11日
「Let's go to the 30th Lucky」という千葉LOOK30周年を祝うライブシリーズに抜擢された「TOTALTALK」。
つまりKEYTALKとTOTALFATの2マン。

ライブ開始前にKEYTALK 小野武正(Gt.)とKuboty、そして千葉LOOKの齋藤店長が出てきて、30周年を祝うトークタイム。

Kubotyの残り僅かなライブの中で、これも1つ特別な時間が刻まれた。

TOTALFATのステージでは、KEYTALKのリクエスト楽曲を披露。八木優樹(Dr.)から「Wanna be」小野武正から「X-stream」。

音楽性は違えど、音楽が繋いだ素敵なバンドの絆。Shun(Ba&Cho)の言葉を借りるなら「音楽が良い接着剤となって素敵な出逢いが生まれている」 といったところだ。


10月22日を迎えるまでに、私が見れたTOTALFATのライブは以上の2本。
この2本を見て、感じた事が3つある。


1つ目。
TOTALFAT、そしてKubotyがファンやバンドマンから兎に角愛されていること。

UKFCのコラボステージや、KEYTALKとの対バンを見ていても感じる愛。この20年間、そしてKubotyの15年間が、先輩 同期 後輩 ファン ライブハウスの店長 色んな人から兎に角愛されていること。


2つ目。
Kubotyのギタープレイは改めて常人では成し得ない鬼の存在感を放っていること。

UKFCのコラボステージではKubotyの強烈なスパイスで圧倒的な存在感を与えていた。KEYTALKとの対バンでは「PARTY PARTY」で小野武正とコラボし、楽曲が終わった後にShunが「今まで、こんなにギターを弾き倒す人はいなかった、素晴らしい!」と言っていたものの、小野武正が手元を見ながら必死に指を走らせているフレーズを、Kubotyはニコニコファンを見ながら弾いていた。(自分の楽曲だからかもしれないが流石に凄い速弾き。)


3つ目。
"最後"という感じがしない陽キャバンド。

先程も述べた通り、本当に脱退するのかな…?と思う程の漲るパワー。寂しさ 悲しさを微塵も感じさせないライブパフォーマンスであった。



2019年10月22日

TOTALFATのKuboty(Gt.)が脱退を発表してからあっという間に月日が経った。

時間感覚は皮肉に出来ていて、過ぎて欲しい時程遅く、過ぎて欲しくない時ほど早い。

4月7日の事を昨日の様に覚えている。


TOTALFAT Presents
Kuboty's LAST SHOW "FINAL SHRED"
@新木場STUDIO COAST



クボティーシャツが売り切れ、Kubotyの生誕Tシャツを着たファンが多く、会場外では弾幕の寄せ書きをしている人もいた。


開演前から新木場STUDIO COASTは熱気に溢れかえっていた。

いつも通り「SING WITH US!!!!!!!!!!!!!!」で幕開けると待ちに待ったオーディエンスが大きく揺れる。


そこからは時の流れが倍速に感じる程、一瞬の夜であった。


Kubotyが駆け抜けたこの15年間で1番良い日にしよう、という決死の覚悟がステージからもオーディエンスからもぶつかり合う白熱した空間。

Shunも「お客さんのやってやる感がヤバいよね(笑)」と笑っていた。

静かになる時間がないくらいのKubotyを呼ぶ声、ギターソロで湧き上がるかつてないほどの歓声、強く上がる拳、感情に任せて飛び上がる人、お客さんが涙を流し合うシーン、その節々に如何にKubotyがパンクロックシーンで敬愛されてきたかが伝わってきた。


それでも、悲しさ 寂しさ しんみりとした空気感は一切無い。


それは、Shunが、Jose(Vo&Gt.)が、Bunta(Dr.)が、そしてKubotyがしっかり前を向いているから。


決して悲しいお別れでも 嫌々辞めた結果でもない。

Kubotyが自分と向き合い、見つけた夢を追いかける為の大きな一歩である。


「俺ら(TOTALFAT)は右へ、Kubotyは左へ行くだけ。それだけのことだ。またどこかで交わるかもしれない。」


Shunの言葉の通り、何も止まる訳では無い。


「バンドって本当に尊い。バンドマンって本当にカッコイイ。」


バンドマンの看板を1度降ろすKubotyが、この言葉を発する事に、15年間の誇りを感じた。
なんとも、素敵だ。


お立ち台に立ち、スポットライトを浴び、ファンの顔をよく眺め。
新旧含めた全32曲に渡る楽曲を
至高のギタープレーと共に駆け抜けた。

Kubotyが今までセットリストを作った事はなく、Shunが作ったセットリストに対し、かなり大まかなニュアンスのクレームをつけていたそうだ(笑)(もっと"勢い"を大事に、など。)

そんなKubotyが作った最初で最後のセットリスト。最初作った時には60曲を超えたらしいが、削りに削って選抜された32曲。

どの曲も、鳴る度に歓声が上がり
1音1秒一瞬を全員で噛み締めた。
(かなり"勢い"を感じた。)

この日の為に書き下ろされたのか?と思う程の抜群ソング「Good bye Good luck」をシンガロングし最後の1曲は、「Overdrive」で幕を閉じた。


終演後、ファンから貰った数々の弾幕をステージに並べ写真撮影をし、最後は皆でKubotyを胴上げ。

中央、上手、下手…。そしてステージに戻ったらピックを投げ、最高の笑顔でステージを去った。(最後にケツを晒したらしい。笑)


最後の最後まで、TOTALFATらしく、Kubotyらしい歴史に残る名ライブだった。

終わった後に、自分も頑張ろう、と思えるライブ。脱退ライブで、あんなに前向きに笑顔で終われる事なんてあるだろうか?

脱退を発表した日に、LAST SHOWの日を明確に決め、そこに向けて色んな場所へ思い出を掻き集めにまわり、沢山のフェスやイベントに出て、拠点八王子で主催イベントも行い、沢山の場所で15年間を詰め込んだ音楽を掻き鳴らしてきた。そして最後に、集めた気持ちや思い出を、約束の日に共有する。

「此処を選んだお前ら、大正解だよ」

TOTALFATに出逢い、Kubotyに出逢い、沢山見てきた今までのライブ、そしてこれからも応援しようという気持ち、全て大正解。

今後もギタリスト・Kuboty、そしてスリーピースバンド・TOTALFATを引き続き応援していこうと心に誓った。


Kuboty、ありがとう!


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