【海のはじまり】それぞれの密やかで微かな心の動き
『海のはじまり』第三話。誰にとっても簡単なことではないこと。いろんな思いが重なって捻れて、外に出たり出なかったり。登場人物みんなが愛おしくなる物語。誰かに共感するとか反感を持つとかそういうことではないお話だと思う。
先日第二話目見終わってとても素敵だったので思いのたけをnoteに書いていたけれど、あまりにもまとまりなく長くなってしまったのでそのまま放置していた。このドラマの余分なものが取り去られて必要な部分だけをさらりと穏やかに見せてくれてる形に惹かれて興奮して自分の感想を書き始め、それがその惹かれているものとあまりに対照的に余分なものだらけの醜いものになってしまったことにショックだったな。でもまた性懲りも無くこうやって書いている。自分はあの中の人たちのように美しくなれないけれど、その現実を受け入れよう。
『海のはじまり』、一話目では自分勝手な海の母親にネガティブな感情を持ち、夏の境遇に同情した。ひどーい、こんな突然人生変えられるんだー!って。でも一話目の終わりくらいから、いや、待てよ?と。自分が自分で決めたことだけで人生を進めていくことが最善で全てなんだろうか。夏に突然降りかかってきた「実は子供が産まれていた」という事実。衝撃的だし、今までの生活をガラリと変えてしまうことだけれど、それは不幸なこと?それによってより良い人生になる可能性もあるよね。自分に突然襲ってきた人生を変える何かに対する考え方が少しづつ私の中で変わっていった。そして夏がその衝撃的な現実を受け入れていく過程が私みたいな俗物と違っていて一つ一つ美しくて息を飲んだ。子供が産まれていたことを夏は「産まれていてくれてよかった」と思う。「あの時に命が失われていなかったことがよかった」ことだと思う。夏はいつも「何が一番大切なことか」を考えられる人なんだと思う。そして私との大きな違いはその何が一番大切かということが「自分にとって」ではなくてこう、宇宙の摂理的な(こういうふうにいうとなんか宗教じみて聞こえて怖いけれど)、大きな視点で考えての「人として」何が一番大切なのかという。だから、自分には知らされずに子供が産まれていてその母親が亡くなってしまった今、夏はその一連の事柄の中で考えるべきことは海のことだと優先順位をつけたんだと思う。そのためにどうしたらいいのかを静かに考えて進めていく。自分の瑣末な欲のために右往左往して悪態を晒している自分には夏の全てが眩しい。
また書き続けるとどんどんまとまりなくなっていくので、とりあえず今日はここまで。
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