見出し画像

【フェスレポ】HOPE 2023

2023/9/23 HOPE 2023参戦。
一般チケットで比較的後方から、自由に酒も飲みまくりつつ、開場から最後まで楽しんだ。

全体の印象は
そこそこの運営!カマすラッパー!カマさないクソラッパー!やばすぎるコラボ!アガらねえ客!長すぎるバドホのセットチェンジと退場!
って感じだ。

とはいえ、トータル楽しくて意義深いフェスだった。
Japanese Hip Hopだけで、ULTRAと同じ会場でフェスを開催。
市場の拡大が芸術性の向上とイコールではないだろうけど、ステージ上の中堅以上のラッパーが、活動を始めた頃には考えられない景色が見れていること価値を感じているように見えた。

十分楽しんだが、今後もやっていく上では課題も多い。ただそのハードルを超えていくこと自体が日本のHIP HOPを押し上げると思うのでトータル楽しみという話。

カマす実力者達と歴史とお祭り

ステージを総括するとこのコメントになると思うんだよな。
色んな要素はあれど、実力者がカマして、歴史とその到達点としての今回の景色を見て、今回のフェスでしか考えられないようなお祭りを感じて。

まずはカマす実力者から。
やっぱりシンプルに実力があれば会場はしっかりロックされる。曲を大して知ってるわけじゃなくても、きちんと響くものがある。そういうアーティストを知ることが出来るのもフェスの大きな魅力。
ANARCHY、LANA、Jin Dogg、IO、般若、AK-69、紅桜、R指定、ちゃんみな、YBあたりはカマしてたなあ。
正直ANARCHY出てくるまでは若手中心だったり、D.O、漢もドデカイ会場をロックするタイプのラップじゃなくて、ねむって感じだったが一気にANARCHYで一気に目が覚めた。他も挙げた人たちはデカい会場にもビビらず、多少客が乗らなかろうが揺さぶられずに、自分の世界観を押し通してた。
ただ多くの若手がロックできる会場ではなかったかな。アガっては冷め、アガっては冷めを繰り返す感じ。まあLIQUIDROOMをロックできるか怪しいのにあの会場で重めの客でカマせるわけないわな。リリック追いかけて終了~って感じのも多かった。

繰り返しになるがやはりベテラン勢ほど、日本のHIP HOPのみのフェスで、この規模を成立させていることに対する想いは重かった。
最近日本のHIP HOPは勢いづいてはいるけど、それでも10年前には想像もしなかったような光景が眼の前にあって、自分や仲間がそのステージに立っていて。そこに対するコメントをMCで残しているラッパーも多かった。客側としては今の勢い考えれば別にこれくらい出来るよねという感覚だったので、その重さを改めて気付かされた。

そして今回の大きなトピックとも言えるであろう、このフェスでしか考えられないようなお祭りラッシュ。
列挙していくと、
・KANDYTOWNプチ再結成
・TOKYO KIDS REMIX
・OSAMPO REMIX
・ビートモクソモネェカラキキナREMIX(般若、R指定)
・WHO ARE U REMIX("E"qual、AK-69、紅桜)
・OUTLAW REMIX(feat. Awich)
・PUNPEE日本語HIPHOP全振返REMIX
・働きすぎなC.O.S.A.
細かいコラボとかは他も無限にあれど、象徴的なのはこのあたりかな。
特にDJ RYOWのOSAMPOとTOKONA-Xの2曲REMIXはこのHOPEじゃないと不可能なんじゃないかという豪華さ。
KANDYTOWNは武道館で終わってた方がキレイだったのでは?流石に3月解散で9月にまた曲やっちゃうのはエモさ薄れるのでは?と思いつつ、やはり流れるとぶち上がった。
あとはHIP HOP50周年の年かつ日本のHIP HOPのみで最大規模のフェスにふさわしい、PUNPEEのエグすぎるREMIX。その場で全ての元ネタが分かったわけじゃ無いが、次々と出てくるクラシックのリリックラッシュにぶちのめされた。

あとは個人的なMVP、C.O.S.A.。ラインナップされてないのに異常な出演回数。トータルで一番ラップしてた時間が長かったんじゃないか。客演芸人すぎる。今年はもっと増えそう笑

ジャンルを1つに絞ってのフェスだからこそ出来るこの濃密なお祭り感。
普通に良いライブを見るだけでもぶち上がるのに、このお祭りラッシュはとんでもなく楽しかった。

つきまとうハード面

ワンマンライブであれば長くても3時間くらい立ちっぱなしでその場から動かずに見るだけなので、ライブの完成度を高めればそれで満足。ただ、フェスは1日中立ちっぱなしで、途中でトイレや酒や飯やと挟むので、如何にライブが素晴らしかろうと、運営面が大きくフェス全体の満足度に直結してくると思う。基本プラス要素はライブが良い、飯が美味いくらいしかないので、如何に客のペインが少ないかが大事。

基本後方で見てた目線で話すと、全体で言えば良かったんじゃないかな。酒飲みまくってトイレ行きまくっても大体のアーティスト見れたし、酒も飲む酒選ばなければ待たずに買うこと出来たし。日が暮れてちゃんみなあたり以降は身動きが取りづらかったけど、それ以外の時間帯は色々動き回ることも出来た。

終盤以外は短時間で次々とアーティストが出てくる状態で、セット替えもほとんど発生しなかったから辛い時間は少なかった。ただ最後のBAD HOPがバンドセットってこともあって、セット替えにめちゃくちゃ時間がかかってた。疲れ切った終盤にあれはキツイわ。あれならバンドセットいらねえ。

あとは都心だから終わったらすぐ行って帰れるのも良かった笑
退場にめっちゃ時間かかっててそこのペインは大きかったが、地方行くよりは数倍マシ。

そんな感じで個人的にはハード面でのペインは少なかったかな。

アガりきらない客

これはHOPE関連のSNSのコメントでよく見かけたし、俺自身も感じたんだけど、客が全然アガってないんだよな。半分以上の客が歌えるような曲でしかアガってなかった気がする。
もちろんライブの楽しみ方は人それぞれで、誰かにこうしろと強制されるものではないんだけど、流石に一定以上が盛り上がってないとアーティスト側にも影響するし、他の客もシラケてくる。あまりにもアガってない状況が多かったなと思った。

マジでBAD HOPの『Champion Road』とか面白いくらい前方盛り上がってない。これはラストで客側も疲れてたってのもあるし、正直BAD HOPの滑舌が終わってて、新曲だから客は誰も歌詞知らないのに何言ってるかよく分からんってのがデカイけど、本当に面白いくらい盛り上がってない。

客の盛り上がり不足にはいくつかの要因があると思う。
まずは野外4万人という会場と一部のラップの相性の悪さ。POP YOURSや2022年までのHOPEは屋内ということもあって、ある程度音が籠もったし、客側も気が散る要因が少なかった。ただ今回は野外で、ANARCHYバリに声張るようなラップか、ちゃんみなみたいなメロディアスで歌唱力があるようなスタイルじゃないと厳しかったと感じる。実力とは別の問題で。
KEIJU、BIM、PUNPEEとか終盤だったけどちょっと相性悪さを感じた。
あとは前述の通り、多くの若手がロックできない規模ではあった。

次にJAPANESE HIPHOPの多様化。
HIPHOPの中でもジャンルや好みが多様化してきている。結果、このアーティストは好きだけど、このアーティストは全然興味ない、別にライブ見たくもないみたいな人も多いわけだ。極論AKやちゃんみなだけ見に来た人もいたと思う。
よっぽどタイムテーブルに拘らないと、ジャンルが次々とかわり、一部の熱が上がれば一部が冷め、その一部の熱が上がった客も次の演者には冷めという形で客側に全く熱が蓄積していかない。

今回のHOPEのタイムテーブルで言えば、AK、DJ RYOWの東海勢→KEIJU→BIM→PUNPEE→ちゃんみなの流れはそれが起こってしまっていた気がした。BIM→PUNPEE→IO→KEIJU→ちゃんみな→AK、DJRYOW→YBとかにした方がジャンルが比較的シームレスで良かったのでは。

「客が冷めてて最悪だった」「客なんでこんな冷めきってんだよ!」みたいなコメントをよく見た。確かに「お前何見に来たの?いつになったらアガるの?」という客は多かった。ただ基本見方は自由なわけで客にそこまでの献身を求めるのは筋が違うわな。
この規模でやろうとするとHIPHOPオールスターズ揃えないといけないから難しいとは思うけど、今年は期待したい。

HOPE2023タイムテーブル

トータル楽しかった

全部ひっくるめて楽しかった。ただ最後のBAD HOPのセットチェンジのペインはマジでデカかったのと、周り全然アガってなくね?ってのは常に頭の片隅にあったな。

自分ではワンマン行こうと思わなかったけど、いざライブ見てみたらガッチリロックする実力者達。ここでしか見れない色んなコラボレーションと、ついにHIP HOPがここまで来たぞと噛みしめるアーティスト達、
Japanese Hip Hopだけでこの規模の会場を埋めるってことをしっかりやって、そこでしか見えない景色を見せる、良いフェスだった。
けどやっぱり野外との相性悪く感じちゃる。
今年も行くつもりだし、しかも今年は2days。しかもBAD HOPはもういない。どうなるのか楽しみです。

以上。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?