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キャストQ&A: コトゥン役パトリック・ギャラガー編 抄訳


日本時間2021年1月31日、ダイスケ・ツジ、アール・キムの合同配信において、『Ghost of Tsushima』コトゥン・ハーン役パトリック・ギャラガーへのインタビューが行われました。が、パトリックが5分に一度おもしろいこと言わなきゃ死んじゃうのかな? というような勢いで配信を爆笑の渦に巻き込んでいたため、司会ふたりもおもに笑い死んでいたような。まさにゲーム内で対馬の人々を翻弄したコトゥンさながらの強烈さ。以下、その内容を抄訳します。ゲーム本編完全ネタバレあり、実際の配信アーカイブはこちら



◆「コトゥン・ハァアァアン!! 貴様に死を!!」

……というダイスケ・ツジのチャット欄における雄叫び(リアルで叫ぶと近所迷惑になるので自粛したという)とともに、コトゥン役パトリック・ギャラガーとの鼎談が始まる。

アール・キム、以下E: やめてーー! 今日はれっきとしたゲストなんだから、コトゥン・ハーンに死をとかやめてー(笑)

パトリック・ギャラガー、以下P: 何、なんだってぇ?

ダイスケ・ツジ、以下D: (文字入力しながら)僕境井仁なんで、やむにやまれずね。僕の指がいま境井仁(笑)

P: えっコトゥン不死身だよ? 頭なんて誰が要るの。

D: (笑)

E: みなさんどうもー! ようこそようこそ。(画面外を指差しながら)こっち側にはダイスケがいますが、下側には時の人パトリック・ギャラガー、ここにいるファンのみんなにとってはコトゥン・ハーンとしての方がお馴染みの、この人が来てくれていまーす!

P: 本人直々にな! 貴様らの首をとり、叩きのめさんがため来てやったぞぉ。

D: まって、誰の首?(笑) アールの首?

P: 誰であろうと、我の邪魔をする者の首よ。

E: 勘弁して下さいよ、典雄の家族はもう十分苦しんでるんだから(笑)

D: 確かに(笑)

P: そうか、では焼き殺してやろう。

D&E: (笑)

P: あるいはただ、我の偉大さを受け入れて身の安全を得るがいい。

D: そういう選択肢なんだ(笑)

E: 燃やされるのはごめんだなぁ、だって典雄は燃やす方だし!

P: ダイスケがヘッジファンドで、コトゥンがGameStop(※訳注: 時事ネタ。この配信があった2021年1月下旬、Reddit等で繋がった個人投資家たちにより米小売り大手GameStopの株価が乱高下した事件「Gamestonk」が話題になっていた)って風に考えてみ?

D: おおー。……えっ? 逆じゃなくてですか(笑)

E: モンゴル帝国の方が段違いに大きかったと思うから、仁の方がGameStop的な立場のような(笑)

P: いやいや、当時の日本の人口ってどの程度だったのよ。8000万人くらいじゃないの?

D: いやあ、対馬単体でいえば──

E: 微々たるものだったかと(笑)

P: 日本全土に馬はいたんだからそんなもん、いくらでも連れてこられたろ。我々の方がGameStopなの!!(あくまで抗弁)

E: (笑)偉大なるモンゴル帝国、GameStopだった!

D: 言われてみれば、そんな気もしてきたな……。



◆コトゥン、配信を乗っ取る

さっそく翻弄されている司会2人に対し、パトリックは攻撃の手を緩めない。

P: 貴様らがこの配信に備えている間、我が何をしていたと思う。学んだのだ。

D&E: (耐えきれず爆笑)

P: Twitchを学び、アカウントの作り方を学んだ。

E: パトリック、自分のTwitch始めるのか(笑)

P: どのアプリを利用し、どのアプリを利用せぬか。

D: (笑)というかもうここ、僕らのチャンネルですらなくなってるよね(笑)。完全に乗っ取られてる。

E: えー「DandE Saga」、改めてリブランディングを行います。新たな名称はこうなりました。「Khotun Saga」!(笑)

D: 「Khotun Saga」見たい(笑)

P: おもに焚刑と斬首な! ただしスナックと甘いお菓子の。

E: そう、たまに配信で生斬首があったりね(笑)

P: おう、マシュマロを火攻めにしてくれよう。

E: コトゥンがどの武器を使うかは投票で決めてー、チャンネルポイントで火をつけられたりもしてー。

P: それはちょっと手間がかかりすぎだな。(アールに向かって)おいどうだ、我に寝返れば命は助けてやろう。平和と安寧を望むならば何故、奴の側へついたままでいる?

E: えええ! ど、どうすればいいの(笑)

D: うわー、典雄を引き抜きにかかるかー。そういえば、あなたは実際にTwitchアカウント持ってましたよね。僕らの配信中にチャットでやりとりもしてたし。

P: それがTwitchでもインスタでも公式の認証マークもらえてなくてさぁ。

D: じゃあ本人だと信じてもらえないじゃないですか。

P: 俺だってなりすましかと思うもんな、そんなん。

D:もしいまログインしてたら、コメントで何が言ってみてもらっても? あ、秘密にしておきたければそれでも。

P: やっとくよ。でもコメントってどうやるんだっけか。

E: 下の方にある──

D: 「コメントする」のとこですね。

P: どこよ。「earlofsummitch」てとこにはいるけど。

D: 「学んだ」はずじゃ? いま覚えてるんですか(笑)

P: (説明を受けるもよくわかってない様子で、スマホをポチポチしながら) 道理で侵略失敗するわけだわ!

D&E: (大爆笑)


◆『Tsushima』出演シーン振り返り

キャストインタビュー恒例のこのコーナー。今回パトリックが選んだのは、破之段終盤のたか死亡シーン。

E: (シーン再生が終わって拍手)すごいシーンだ。

P: 俺だってつらかったんだよ、とは言っとこうかな。しかしすごいのは脚本の良さ。冗談はおいて正直に、本音で言うけども、全キャラのイベントシーンがここまですごい仕上がりになってるゲームに出る機会って、今までなかったよ。これもひとえにネイトのおかげだ、あと……えーとなんて名前だっけか……ビリーか。撮影中に思い付いたことなんかもかなり自由にやらせてもらえて、全員の最終的な出来に大きな違いが出たと思う。俺たちみんな、ク──ところでここで罵倒語って言っていいんだっけ?

D: どうぞ。

E: うん、僕らも言ってますし。

P: 良かった、こんなクッソたわけた話真顔でやれやしないもんな。酒を飲むとこなんだけど、顔の前に(ヘッドマウント)カメラ置いてモーションキャプチャーやったことのない人むけに言っとくと、杯を口の近くに持ってってる時、実際には文字通り、(横向きアングルになって、杯をあおる様子再現。口と杯のふちの間の距離がかなり開いている)こんな感じだったんだよ。

E: (笑)そう、口の真ん前までものを持ってくるなんてことは、できっこない作りになってますもんね。

P: しかし、たかはかわいそうにな。ただ逃げてさえすりゃ良かったのに。

D: 本当、そうですよね。僕も大好きなシーンなんですが、その理由は現場での共同作業と──あなたが面白い人なのはもうみんなの知るところですけど、そのおかしみがコトゥンというキャラクターからも滲み出てるところなんです。

P: うん、同意。コトゥン役でやろうとしてたことっていうのも、ある意味そこに凝縮されてて。俺はコトゥンを野蛮人だとか思ってないもん。よく言ってたことだけど、別に冗談じゃないんだよ。降伏しろ、そうすれば全部が丸くおさまるぞっていうのは。

D: 確かに。

P: なーのーにー仁ときたら何だか知らないがあんな調子で、俺をやな奴にならざるを得ない状況に追い込んだわけで。仁が衣替えして跳ね回って、ニンジャモードで暴れるたび更なる人死にを出さなきゃならなくなったんだよな!

D: (笑)

またコトゥンについてダイスケ・ツジは、正と志村という「父親たち」同様、仁が自己確立する上で大きな影響をもたらしたキャラクターであると考えているという。このシーンの肝は、文字通り棒杭に縛りつけられて強ばり切った仁と、終始くつろいだ様子で抜け目なく、柔軟に構えているコトゥンの対比だとし、

D: コトゥンは状況次第で柔軟に自分を変えるし、このシーンでもまさにそう。結果的には仁もそういう人間になってくでしょ? それはコトゥンから学んだことなんですよ。だから、彼も仁の原点の一部なんです。

P: なら俺は自分の墓穴を掘ったってことだな。まあ確かに、仁は敵から学んで適応したんだろう。で、俺をぎゃふんと言わせたと。

E: ネタバレ注意(笑)

D: だから、もしかしたらふたりは大の親友同士になって、一緒に日本本土の征服だってやってたかもしれないですよね。

P: なんでまだ手遅れにならないうちにその話持ち掛けなかった!?

D&E: (笑)



◆イジリ倒される安達晴信

パトリックが『Tsushima』撮影中、安達晴信に対して「ロード・ヒバチ」(※訳注:hibachiは日本の原語同様「炭を使った小型の暖房器具」だが、アメリカ英語では和風の「鉄板焼き」を指す外来語にもなっている)なるニックネームを進呈したというのは、ダイスケ・ツジが2020年夏に配信を始めた当初から披露されていた裏話。現場でパトリックが連発していたジョークの一例として紹介されていたのだが、チャット欄から言及があるやいなや、パトリック本人が物凄い勢いでネタを膨らませ始めた。

①安達殿メニューになる

D: あっチャットが思い出させちゃった。今回は話に出すつもりなかったのに(笑)

P: 名字がアダチってのは覚えてたんだけど、燃やしちゃったから名前を聞きそびれたんだよな。スモア(※訳注: 焚き火であぶったマシュマロをチョコレートビスケットで挟んで食べる、キャンプの定番菓子)・アダチ? ヒバチ・アダチ?

D: 輪をかけてすごい名前に(笑)

E: 次にフェオ(フェオドール・チン、安達晴信役)と顔合わせたら、あっヒバチ・アダチだってなりそう(笑)

P: Sucker Punchにかけあって商品化してもらわないか、アダチ・ヒバチ。

E: うわー、といいますか、実は僕らで料理本を作る案が出たりもしてるので、アダチ・ヒバチはそのメニューに加えときます(笑)

D: でもそれ何を食べる料理なの? ポーク・ローストみたいな感じで安達殿を……(笑)

E: 違う違う、僕が考えてたのは昔ながらの家庭料理風の、アダチ・ヒバチだよ。

P: 安達殿は食べたりしないよ。

E: ダイス、直でカニバリズムに行ったな(笑)

D: 安達殿は実際、しっかり火を通されてたじゃん。だからだよ(笑)

P: 使うのはヒバチのあいつから上がる炎だけだよ。

D: ああ、安達殿じゃなく、安達殿から出てる炎で作った料理を食べるわけか。

P: 火だるまになってたからな。安達以外で焼いたやつは偽物ね。

E: 真のアダチ・ヒバチにするためには、安達殿を燃料にしなきゃだめなのか(笑)

P: それかヒバチをアダチっぽい形にするかだな。ここにいるうち何人くらいがアダチ・ヒバチを買う気があるかね。

②安達殿商品になる

こちらはコトゥンが日本のものを燃やすなら典雄は蒙古のものを燃やす、という話の流れでのネタ。

P: 俺のお気に入りの紫のシャツも燃やしたの?

E: いえ、でもあなたの大親友は燃やしました(笑)

P: まあアイツはやな奴だったからいいけど。

E: ですよね、僕の兄を殺した奴なんで。

P: その時アダチ・ヒバチ使った?

E: アダチ・ヒバチ式のテクニックは使ってるかもですね(笑)

P: アダチ・ヒバチ、商品化して売らせてもらえないかねえ。まじめにヒバチ作って、アダチって商品名で。あの山のシンボルもちょっといじれば、著作権のゴタゴタも回避できるし。それかSony FlayStationな!(※訳注:Flayは「皮剥ぎ」の意) こりゃいいぞ! FlayStation!(笑)

E: コトゥンのお気に入りコンソール、Sony FlayStation(笑)



◆めざせスタンダップ・コメディアン?

映画『ナイト ミュージアム』シリーズのアッティラ王役や、ドラマ『glee』のアメフト部顧問ケン・タナカ役の俳優として最もよく知られているであろうパトリックだが、実は(というかここまで見ただけでよくわかると思うのだが)スタンダップ・コメディアンとしての活動歴もある。

D: 僕が知りたいのは、あなたのスタンダップについてなんです。実際こんなに面白い人ですし。スタンダップ・コメディもやられてるんですよね?

P: ああ、しばらくやってた。やり始めたのは、スタンダップが怖くて仕方なかったからでさ。

D: (興味を惹かれた顔つきで)え、そうなんですか?

P: The Comedy Store(※訳注:ハリウッドの老舗コメディクラブ。ウーピー・ゴールドバーグ、ロビン・ウィリアムズ、ビル・バー、ジム・キャリー、デイブ・シャペル、マイケル・キートンなど数々のスターも出演していた)にも何度か出たよ。初めての出番は一生忘れない。あまりに怖すぎて、自分の言ったジョークに人が笑っただけで「おお……」ってなったもんな。やってみてわかったけど、お笑い芸人てのは2タイプいるね。書くのが好きなタイプと、パフォーマンスが好きなタイプ。俺はパフォーマンス好きで、出番がないとひどいけど、出番があれば調子がよくなったりするタイプ。でもこういうシチュエーションでの方が普段より面白くなるかな。新しいネタもできてきたから、そのうちまたやろうかとも思ってる。まあツカミのネタがボツになったんだが。自分でダメにしちゃってな。

E: そんなあ。

P: 使ってたツカミは「俺って混血でさ。何人と何人のかはすぐ教えるけど、女の人と話す時はサモア系『パトリック・ポラマルマル』を自称してる。なんでかっていうと、セクシーデブってやつになることにかけちゃ、サモア人の右に出る者はいないから」ってやつだったんだけど、体重落としたんで使えなくなったんだわ。

D&E: (爆笑)

「スタンダップの経験は? やってみたいと思ったことないの?」とふと水を向けられた司会2人は、揃って首を振る。

D: いや、やったことはないです。

E: 人から勧められたことはあるんですけどねー。

P: やってみなって。俺は自分の恐怖に負けないようにしたいだけじゃなく、この業界でパフォーマーがやれることは全部やってみたくてやったんだけど、いま唯一やり残してるのがフォーリーなんだよ。

D: ん? フォ……何ですって?

P: フォーリー。

E: 効果音のことだよね。

D: いや、知ってはいるんだけど、やってみたいってことなんですか?

P: そう。とにかくパフォーマンスに関わることはまんべんなくやってみたいの。オーディオブックもやったし、 ボイスオーバーもやったし、スタンダップもやった。あと残ってるのがフォーリー。ほら馬の足音!(やおらデスクで馬の足音実演)

E: (笑)

D: 人形劇なんかもやってたり?(笑)

P: あーーっと、そうだな。演劇学校でやったはず。

お笑い芸人を心から尊敬しているというパトリックとしては、本職の過酷さを知っているだけにスタンダップはあくまで趣味の範囲に留めているようなのだが、お笑い愛は強いようだ。

P: というか皆でやろう。『Ghost of Tsushima』コメディナイト。『Ghost's Standup』!!

D: 実はスタンダップ、考えてみたことはあるんですよね。でも、僕のことを知ってる人には会場へ来て欲しくない。少なくとも最初の何回かは。

P: 面白い。

D: 自分に笑いのセンスがあるとわかって、よし、これなら大丈夫な気がするぞって手ごたえをつかむまでは来てもらいたくないなあ。

E: 仁みたいに「こちらを見るでない!」になってるな(笑)

P: 面白いな。スタンダップやる時は俺、なるべくたくさん友達を入れたい方だったんだけどわからなくもないよ。確かに彼らが気を遣って笑ってくれてるのか判断に迷うこともあったから。でも見には行くぞ?

D: 僕はただ──えっ?

P: やるなら見に行くよ。きっと最高だって。

E: 僕も。

P: 俺から出せる一番のアドバイスは、ただありのままの自分でいろってことと、自分なりの視点を見つけろってことだろうな。


◆ジョークは役作りの手段?

こんなに長く『Tsushima』の話題に集中してジョークを言いまくるゲストは初めてのような、ということでダイスケ・ツジから出た質問がこちら。

D: あなたが演じるキャラクターについては全部、こういう形で役作りしたりするんでしょうか? 背景を思いついたり、ネタにすることでそのキャラクターの考え方を身につけたりとか。

P: 確かに俺はジョークを飛ばしまくるのが好きだし、現場は楽しくないとなと思うタイプの俳優ではあるんだけど、それもちょっとウザがられたりするからなあ。そこは現場の空気を読んでやらないと。現場の雰囲気からの影響を受けやすい人もいるし、他の俳優の仕事の手順は尊重しときたいとこだよな。だから、俺のユーモアセンスを受け付けない俳優はすぐ見分けがつくし、それも道理だと思う。でもまあ──俳優って楽しい仕事だからな。やれてる俺たちはラッキーだよ。世界で2番目にいい仕事だ。

D: で、キャラクターをネタにして遊んでみたりは、やはりする方?

P: 時々はそうかな。いや、しょっちゅうかも。いまやってる『Big Sky』(※訳注:2020年11月からABCで放映中の推理ものドラマ。パトリックは準レギュラーで保安官を演じている)では冗談言ってばっかりいるけど、どうだろな。

E: 世界で一番の仕事って何なんです?(笑)

P: ロックスター。

E: (笑)なるほど。

P: 率直に言ってさ。女性だって偉大な俳優とミュージシャンだったら、ミュージシャンの方に行くだろ。俺たち負けるもん。人前で歌ったことは何回かしかないけど、それで人の心を動かせる気なんて全然しなかったよ。ステージでひと晩、2万人の観客の前に立って、自分の作った音楽で彼らを感動させられるなら、自分の人生の一週間を引き換えにしてもいいくらいだな。世界で3番目にいい仕事はアスリートで、3番目にしたのは一生はやれない仕事だから。その点だけでも俳優はアスリートよりいい仕事だと思う。彼らは限られた時間しか働けないからな。俳優は、理論的には生まれてから死ぬまでの生涯やれなくもないだろ。

E: ですね、はい。

P: だから俳優をやってて、仕事って感じは今までしたことないな。


◆ジフ派かギフ派か

P: ところでさ、誰かあのコトゥンのGIFを手に入れるやり方教えてくんない? というかあれ「ジフ」って発音でいいの?

D: です。

E: おー。

P: GIFの開発者は「ジフ」って発音してたけど。「ギフ」を使いたい奴の気が知れない。

E: だって「ギラフィック」とは読まないですもんね?(※訳注:GIFはGraphics Interchange Formatの略)

P: (giraffeは)「ジュラフ」発音であっで「グラフ」じゃないよな。いや、言葉自体はどうでもいいんだ、正直になろ。

E: ええ、でも……なんでこんな言い争いに(笑)。僕「ジフ」強硬派でもないのに(笑)

P: 両方読みあげるからどっちの方を聞いてたいか、みんなの意見をくれ。それぞれ10秒ずつな。
「ギフギフギフギフギフ…………」もしくは、(やや柔らかなトーンで)「ジフジフジフジフジフ…………」

D: 声の調子変えてるじゃないですか!(笑)

というツッコミが即座に入ったりもして回り道しつつも、チャット欄からの協力を得ながらコトゥンのGIFをスマホにダウンロードしようとするパトリック。ほぼ画面に頭頂部しか映っていない。

P: 何だこりゃ……どうなってるんだ……? 保存? 保存ってどうやるんだ。……テクノロジーなんか大っ嫌いだ! 何だよもー。……よしこれでどうなる……あっなんか送信された。やべ。まあいいや。

D: どこに送っちゃったんですか(笑)

P: 知らないよ!(笑)

E: (笑)あっ俺のGIFあった、イェーイって、よくわからない人がパトリック・ギャラガーからGIF送りつけられちゃうのか。ついてるなあ(笑)

結局やり方がよくわからず、「俺的に世界一の仕事はロックスター(俳優は二番目)」という話題が出ていたのに関連して、昔Ramonesの「I Wanna Be Sedated」をバラード風アレンジで歌った時の動画を(動画再生中のスマホを画面に見せるという方法で)紹介するところまで、見事なおっさん仕草を決めるパトリックだった。



◆『Tsushima』オーディションでの話

そんなこんなで『Tsushima』制作プロセスに関わる話がある程度まとまった形で出たのは、配信も後半に差し掛かってからのことであった。質問はキャストインタビューのお約束通り、「制作チームから言われた一番ヘンなことは?」(元は撮影監督ビリー・ハーパーが現場で演者に対してよく聞いていた質問だったため、「ビリーの質問」と呼ばれている)から。

P: いつだったか忘れたけど、やたら走らされたのを覚えてるなぁ。なんでだろ? なんでむこうからこっちの端まで走らされてるんだろって。

D: オーディションの時じゃありません?

P: オーディションで怪我した時の話は知ってるよな。

D: ええ、その話もお願いします。

E: え、そうだったの? 僕知らなかったかも。

P: オーディションではいい結果が見込めそうな手ごたえがあってな。終わりの方で「じゃあ今後アクションシーンもあるかもしれないんで、形だけで構わないんですが、攻撃を受けた体でマットの上に倒れ込んでもらえますか?」って言われてやったの。そしたら最後の一回で足の腱を痛めちゃってさ。最初に頭に浮かんだのは「この部屋から出るまでは、絶対に足を引きずっちゃならねえ!!」ってことだったな。

E: (笑)

P: なんで、いよいよ部屋の外まで歩きおおせてから、「(小声で)いってえええ」ってやってた。結局1年くらい治らなかったよ。

妙に走らされた以外では、現場にあった馬の模型が印象深かった(現場スタッフには「模型の馬のフンもゲームに出そう」と言い続けていたらしい)という。また、

P: あと怒られたのも覚えてるな。モーションキャプチャー撮影の時は顔にドットを書き込むだろ。普通はキャラクターの顔が別人だからそんなに数は書かないんだけど、このゲームはそうじゃなかったんで、ドットの位置も細かく具体的に決まってた。わざわざそれ用のマスクを作りにサンディエゴまで行ったりしてたんだよな。なのに、最初と2度目の撮影の間に体重を9kg落としちゃったんで、「こんなに痩せられたら、もう一回マスクを作り直さないと」って言われてさ。痩せた分マスクを顔に押し付けてもサイズが合わなくなってたんだな。(中略)でも仕上がった映像の見事さを見て納得したよ。まるで映画みたいだ。



◆コトゥンから見た竜三

不意に竜三役レオナード・ウーがチャット欄へ挨拶に訪れた(「娘の後を追っかけ回しながらなので挨拶だけ」とのこと)のに気づき、声をかける一同。

P: (チャット欄を見て)ん? 竜三来てるの?

D: おお、レオ〜。

E: レオ来てるんだ? レオー。

P: レオナード! cameoで竜三のこと悪口に使わせてもらってるぞ! 友達へのディスりメッセージの時「お前は竜三より誠実さのない奴だ」って言ってる!

(チャット欄にてレオナード「(笑)ほんとに? あーー最悪」)

D: レオナードが来たことだし、質問いきます。「個人的には、コトゥンは竜三のことを自分の右腕的な存在と見做していたと思いますか? それとも主に対馬で勝利をおさめるために利用していただけ?」

P: まあ利用してたよな。それも、って俺としての見方はこうなんだけど──コトゥンは自分の言ったことは守ってただろうと思うし、勝つためには使えるものなら何でも使う。だから竜三のことも利用してたわけだけど、優秀な戦士は武器を選ばないだろ。剣を使うのと一緒で、構うことなく手元にある武器は何でも使う。

E: ハーンが勝利してたら、竜三や菅笠衆にした約束は守ってたと?

P: もちろん、絶対そうだよ。思うにコトゥンにとっての大きな不満は、アダチ・ヒバチや何やらした時もそうだけど、降伏しろってのは別に冗談じゃなく、本気で言ってるのにわかってもらえないことだったんじゃないのかね。

E: お前たちを助けたいんだよ! ってことですね。

P: 降伏しろってのは心から言ってるんだよ。たかとのシーンでもずっと、そうすれば平和をもたらせるんだぞってのがあったのにさ。だからむしゃくしゃしたんだよ。お前から民衆に投降を呼びかければ、全部始末がつくのにって。で、竜三は……あー飯が欲しいのね、知ったことか程度。

D&E: (爆笑)

(チャット欄のレオナード「パトリックふざけんな(笑)」)

P: まあ人の弱みを見抜くくらいには頭のいい男なんだよ。そこにつけこんで利用するための糸口になるから。だから、竜三に関しちゃ道具だね。



◆たか動詞になる

関連して、たかの無惨な死に関するかなり突っ込んだやりとりもあった。

P: いっそ動詞にしよ。動詞に。「ああ、アイツTakaったわ」みたいに。

D: おおー(笑)

E: もう使われてそう。

P: 意味は何かっていうと、「人からまたとないチャンスをもらったのに選択を誤ること」。こりゃみんな使うべきだよ。せっかくのチャンスをふいにしたら「Takaった」って風に。

D: そう……なります?(笑) まあコトゥンの目から見ればそうかもですけど。

P: 俺はたかには「仁を殺しさえすれば見逃してやる」って指示を与えてやったもん。で、仁だって「承知した、貴方が正しい」と言うだけで良かったんだよ? たかがTakaるはめになったのはお前のせいだぞ。

D: (笑)

P: 仁が耳を貸そうとしなかったこと、それがたかの死んだ唯一の原因なわけ。

D: でも僕は確か、……たかにやめろ、抵抗するなみたいなこと言ってましたよ?

P: OK、違うんだよ。お前はたかをTakaらせた後、そんなことも言わずにただ、「わかった、投降する」とだけ言ってりゃよかったの。首を落としたのは俺の手だったとしても、たかを死なせたのはお前の心のあり方だから。

E: (両手で口を覆って)おおおーー!

D: うわあ……。

P: 仁の心がたかを殺した。仁のプライドが。刀を持ってたのは俺の手、でもその刃を研いだのは仁のプライドだろ。

E: パトリック、すごいとこへ踏み込むなあー。

D: 誰かがこの場面クリップしてくれるといいな。だって──

E: (ダイスケ・ツジへむかって)言い返せる、これ?

D: (アールにむかって)……いいや(笑)

E: ダイスが恥辱のうちに座り込む感じに(笑)

D: これには返す言葉がないよ。

P: (チャット欄のコメントを見て)「仁への中傷キャンペーンが最高潮に」? (笑) まったくその通り。俺トランプは大っ嫌いなんだけどさ、奴からひとつ学んだのは「敵はひたすら中傷すべし」ってことなのよ。それさえやっときゃ何とかなる。

E: そうですね。中傷もかなりの長期間、猛烈な勢いで続けていれば世間に根を下ろしてしまう。

P: 物語の展開を変えて、コトゥンの手下どもを対馬の議事堂にあたる場所へ乱入させちまおう。何かでかい嘘をついてさ、「コトゥンは実は死んでない」とか。

E: 「対馬はモンゴル領だ! 」とか(笑)

P: そう、「Make Tsushima Mongolian Again(対馬をふたたびモンゴル領に)」ってな!

D&E: (爆笑)

D: でもそれはかなりいいストーリーだなぁ。すごい戦術。

P: うん、ハッシュタグにしとくわ。「#MTMA」と……(チャットに書き込み完了)

E: はい、これで『Tsushima』続編はアクションじゃなく、仁が中傷キャンペーンに立ち向かう政治スリラーになりました(笑)



◆役者を志したきっかけ

P: 俺は中国系とアイルランドのハーフで、家族が教育を重んじててさ。両親どっちの家系も3世代が合計して博士号を7、修士号11、学士号を9くらい取得してて。

E: うわあ! 頭脳優秀なおうちなんだ。

P: で、俺だって学校行ったんだぞっつって家族にすっこんでもらうためだけに演劇学校入りしたのに、すっかり夢中になってな。面白半分にナショナル・シアター・スクールのオーディションへ出てみたら幸運にも受かって、この途で生計を立てられるかもしれないぞ、と真剣に考え出したのはそれからだ。恵まれてると思ってるよ。子供の頃、他になってみたかった職業は海洋生物学者。

E: 本当ですか?

P: うん、なりたかった。今も俺の夢のひとつは、いつかもっとスキューバ・ダイビングの腕を上げて、自分で水中ドキュメンタリーの撮影、ナレーション、編集を手がけることだったりするんだよ。

E: それはクールでしょうねー!

P: あと別の仕事をやれるかっていったら、リポーターにもなりたかったな。「以上、レバノンよりCBSニュースのパトリック・ギャラガーがお伝えしました」みたいな。

D: (笑)

P: 真剣に考えたことのある職業はあとこのふたつだけだよ。

E: すごいな。ジャック=イヴ・クストー(※訳注:フランスの海洋学者で、水中考古学の創始者)みたいなパトリックか。

P: それかダン・ラザー(※訳注:CBSのイブニングニュース等のアンカー。映画『ニュースの真相』の主要登場人物としても取り上げられた)みたいに「CBSのパトリック・ギャラガーが、レバノンからお伝えしました」な。

E: News and Guts!(※訳注:ダン・ラザーが現在Facebook上で運営しているニュースページ)

D: (ぼそりと)いつもレバノンなんだ……(笑)

P: まあ俳優になったけど。父親がシェイクスピアを研究する教授だったから、アートの血は濃い家系だったんだよな。でももちろん、プレッシャーはすごかったよ。アジア系の家庭は何をおいても教育第一だから、本当にきつかったな。アイルランド、中国系どっちの家系でも、家族で大学の学位を持ってないのは俺だけだもん。でもな! サンセット大通りの両側で、出演作のビルボードが同時にかかったことあるのも、家族では俺だけなんだ。

E: イェーイ!



◆日本料理に物申す

LAやパトリックが現在滞在しているバンクーバーの食べ物ネタで盛り上がっていた時に、ふとこんな一幕も。

D: そちらにはかなり美味しい日本料理のレストランもいくつかありますよね。

P: んー、そうなんだけど、実は俺、日本料理の大ファンってわけでもなくってさ。

D: (愕然とした表情をつくるが、すぐすまし顔になり) 所詮コトゥン・ハーン。

E: (笑)

P: いやいや、理由があるんだって。さて、俺たちはみんなアジア系。俺は半分アジア系(※訳注: パトリックは中国系とアイルランド系のハーフで、カナダとの二重国籍を保有)、アールは韓国系だったよな?

E: ええ。

P: オーケー、ならこの点は俺に同意しなきゃおかしい。

E: なんかいじめられてる気がする……!(笑)

P: いやいや、絶対わかるって。日本料理にはさぁ、どこかしらにスパイスの組み合わせってものを入れる気はないの?

E: (大爆笑)

D: そこはシンプルさの妙でしょー!(笑)

P: もっとスパイス出してくれよ!! 韓国料理もスパイス複数使ってるだろ!! タイ料理なんか微妙な違いのあるスパイスを混ぜて使ってる!

D: ワサビだってスパイシーじゃ!?

P: 違うね!! あのな、俺にとっての日本料理ってのは『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』みたいなもんなの。匠のワザの凄さはわかるし敬意は感じてても、好きにはなれないの。

D: (笑)

P: いい仕事してるのは見ればわかる、完璧そのものだ。ただその良さがピンと来ないんだよ。

D: (ずーっと微妙な顔つきで聞いていたものの、静かに)わかりました。

確かに他のアジア諸国ではスパイスやハーブを駆使する料理の方が多数派なので、非常に面白い言い合いであった。



◆カメラに近すぎるインタビュー

配信開始から2時間が経過し、そろそろしめくくりにかかろうかという雰囲気になる司会2人。しかし、パトリックはこれまでのキャストインタビュー最長記録がレオナード・ウーの3時間と知って謎の対抗意識を燃やす。

E: レオはキャストインタビューの最初のゲストだったから、僕らも色々脱線して話しまくっちゃったんですよね。

P: (今やめたら)レオの最長記録に、俺はかすりもしないってこと?

D&E: (笑)

D: 3時間もやってたのか。最初でまだ勝手がわかってなかったなー。

E: レオナード、本当に最高だよね。3時間もこんなだべりに付き合ってくれてありがとう(笑)

P: ここでやめてもいいっちゃいいけど、誰かから真面目な質問があれば、残り時間はずっとこの感じで行く。(と、やおらカメラに顔を近づけてどアップに)

じゃあみんなでやってみよう、ということになり、三人のカメラがそれぞれの目鼻のみで埋まった状態でインタビュー再開。

D: (どアップで)えー……じゃあパトリック。……あれ、マイクどこだ。

P: (どアップで)ハハ、全員でやんの?

E: (どアップで)今からこれでいきます。……あ、そうだ、マイクの位置(笑)。集音範囲外になっちゃったな。

D: 「これまで演じたキャラクターが恋しくなったことはありますか?」

P: コトゥンだな。

D: おっ、ホントですか。コトゥンだけ?

P: 恋しくってその仕事が? それともキャラが?

E: (笑)

D: んー、キャラってことにしましょうか。

P: コトゥンもそうだし、アッティラは昔も今も大好きだな。あとは……『MOACA/も~アカンな男たち』のジェシーもだ。

D: 出演作たくさんですよねぇ、羨ましいです。あなたのようになりたい。

P: これから全部のインタビューがこんなだといいんだけどなぁ。

E: 目しか見えないから吸い込まれそうかも。

D: どうやって運動習慣を維持してます? 毎日ロードバイクで出かけるの、うまく継続されてるようですけど。

E: あー、それは僕もアドバイスが欲しいかも。いつも「今日は疲れてるしぃ〜」とかいってサボってしまいがちなので。

D: そう、継続のコツは? 僕も最初の2週間はがんばれたんだけど、今はちょっと。

P: そうだな、まあ運動が単に自分が毎日やってること、習慣になるとこまで持ってったんだよ。バカみたいに聞こえるかもだけど、面白半分に「Noom」(※訳注: ダイエット支援アプリ)を使っててさ。前と違うことしたのってそれくらいなんだよな。でも、「Noom」が俺の色んな考え方を変えてくれたんだと思う。

D: それ何なんですか? ヌーマ?

E: 「Noom」だよ。

P: うん、面白半分にな。

E: ところで僕ら「Noom」からは協賛とかされてませんので、やってみたい人だけやってみてね。

P: 前までは104kgから下がったことなかったのに、今の体重は92kgだから、やっぱ「Noom」で考え方が変わったんじゃないか。

E: すご!

D: 「Noom」って僕知らないなぁ。

P: まあ手っ取り早く言えばとにかくやれってこと。俺が実践してる方法はこう。運動始めようとして、ただサイクリングのこと考えても何もしなかったりするけど、ロードバイクのギアを取り付け始めるとやる気になってくるんだよ。サイクリングしよって口に出すかわりにギアをつけるようにして、やる気を出す。そういう風に自分の考えを変える方法を覚えてったわけ。あと減量で113kgから27kg落とそうと思い続けてたら、かなり遠い道のりみたいに感じるだろ。だから115kgから112kgに落とそうと考えた。目標達成して、まずひとつ勝利と喜びを得たら、今度は次の目標108kgが見えて来る。小さな勝利と小さなゴールを重ねながらやる気を維持するやり方を覚えて、そしたら変わってきたんだよ。……さてみんな何て言ってるかな。(チャット欄を読み始める)

E: よし、じゃあ元にもどろ。(全員カメラから顔を離す)はー、3人で円陣組んでるみたいだった。パトリックから内緒話されたみたい(笑)

D: あ、ピンぼけしちゃってる。(手をかざしたり、顔を再度突き出したりして調整中)

P: まああとは、COVIDが役立ったところもある。他にやることなかったし。



◆イジリ倒される安達晴信、その果てに

最長記録に届かなかったことにパトリックは無念さを滲ませていたものの、いよいよ配信をしめくくる流れになり、シメに選ばれたのはやはりあの話題。

D: アダチ・ヒバチのことはいくら話しても足りない感じがするので、最後もそれで終わりませんか(笑)

アダチ・ヒバチ商品化にまつわる潜在的な訴訟リスクについて検討する一同。SONY以外の伏兵として意外な線も俎上にあがった。

P: 日本に住んでるアダチって名前の人がヒバチの権利持ってたりしてな。

E: 実在してたら訴えられるかもしれないですね。

D: そうかも。

E: (日本語で)アダチさん、すいませーん(笑)

P: 日本でヒバチの権利持ってるアダチって人、絶対いるって。

D: (笑)

E: 間違いないね。地元の小さなお店かもしれないから、その場合は応援しましょ。

D: で、その人が配信をヒタチのテレビで見てたりしてね。

E: ヒタチで!?(笑)

P: (笑)

D: 韻を揃えて面白くしようとしたんだけど(笑)

E: アダチ・ヒバチをヒタチで見るのか(笑)

D: 他の言葉でもいける。3音節がいいと思うけどね。

E: モロバシ?(笑)

P: アダチ・ヒバチをヒタチで……見てるのが、スワチ時間でだったりしてな(笑)

D: (笑) もうなんか──

E: グダグダになってきた。もう訳がわからない(笑)。えー、じゃあとにかくみんな、今日も見てくれてありがとう。

しかしその時、チャット欄でモデレーターの1人から「ヒタチってバイブレーターのブランドじゃなかったっけか……」という呟きが。

D: ヒタチがバイブレーターのブランド? そういうのも作ってはいるかもだけど。

P: 何だと!?

E: は!? やめてよ。そうなの??

P: ヒタチってもうテレビ作ってないの?

E: まだ作ってるはずじゃ?

(真剣に検索し始めるダイスケ・ツジとパトリック)

D: え、待って。僕はてっきり、ヒタチといえば日本製のテレビって思ってたんだけどな。

E: そのはずだよね。

D: OK、言い出しっぺが誰にしても、……ああ、取り扱い商品化の中にバイブレーター「も」あるって話なのかも……あるんだ。

E: すごい予算を注ぎ込んだビジネスモデルなんじゃ? だって基本をおさえるみたいな話だもんね。

D: あのヒタチと同じ会社が出してるのかな?

P: ヒタチのバイブレーションがどうって商品があったけど、これバイブレーターとは違うよな?

パトリックが画面に示したページにでかでか表示されているのは、「日立 マジック・ワンド」。本来は肩こり等をほぐす電動マッサージ機として開発されたのだが、別の用途での使用も一般化してしまったという、いわくつきの商品だ。

D: (笑)

E: (ソファに崩れ落ちつつ) 笑い死ぬ!!(笑) 境井様、不覚をとりました! 境井様ー!(笑)

D: (拳をかざしてゲーム中の「蘇生」仕草) 蘇生ー!(笑)

P: ヒタチの「マジック・ワンド」だってよ。

D: すごいなあ。なんかこういうのってヒタチだけが──

E: (息も絶え絶えで)境井様、境井様……私はもうだめかもしれません……(笑)

D: (笑)がんばれ、いま蘇生したじゃないかー。R2!

P: (笑)

D: バイブレーターを作ってるのってヒタチだけなんだね、すごい。(※訳注: 手持ち電動マッサージ機自体は日本の他家電メーカーでも作られている)

E: (まだ少し息切れしつつ)関心ある分野のビジネスモデルを拡げて新しい地平を拓き、何であろうと手がける。ヒタチはそういうことやってるんだね……(笑)

D: ヒタチはテレビじゃないの!? って一瞬不安になったのに、今じゃもう……(笑)

以上、パトリックが「アダチ・ヒバチの話を存分に出来たからもう満足だよ!」と晴れやかに笑って去っていったのが印象的な配信であった(なお終了後、配信チーム関係者のTwitter上では鉄板焼き料理としてのアダチ・ヒバチコラがさっそくアップされ、安達役フェオドール・チンもパトリックから投資を持ちかけられていた)。