これは、トラウマではない。

2020年5月26日火曜日の深夜2時ころ、僕は、身体の震えで目が覚めた。

少し喉も痛い、風邪を引いたのかと思った。

ただ、身体の震えはそれのものとは思えないほど大きく、消えなかった。
過去にも似たような経験がある、中学生の頃だ。
寒い場所でもないのに、全身の筋肉が暴れ回り、
自分で制御することは不可能であった。

コロナかとも思った。緊急事態宣言が解除された今日、罹るか?
なんて不遇な人間なのだと思った。ただ、コロナ罹患者が身体が震えるとは聞いたことがなかったので、その可能性を頭から排除した。

「ストレス」

それ以外に理由が見つからなかった。ちょうど僕は仕事で大きな爆弾のようなストレスを急に持たされた日であったからだ。
真剣に転職を考えるほどのストレスだ、今も考えている。

寝たら治ると信じ、寝ようとするも、ぼくの痩せた身体はホラー映画のようにバタバタとベッドを震わせる。カタカタと音が鳴るほどだ。
少し寒気もあった。

シャワーを浴びた。治ると思ったからだ。縋るような思いでお風呂に向かう。

震えは止まった。

ただ、頭の中には、
ストレスの黒い糸が脳に絡みつくように、張り巡っていた。
何度も「大丈夫」と声に出した。
何度も彼女のことを想像した。
何度も心臓に手を当てて、鼓動を確かめた。
生きている実感がなかったから。

震えは止まった。

僕は明日生きているのだろうか。

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