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Edgerouter Xとの戦い〜転〜IPv6って何?前編

前回まで.NURO光にから貸し出されるへっぽこONUの代わりにEdegerouter Xを導入し,ルータ特有の設定コマンドなどを経て,NAT,UPNP,ハードウェアオフロードなどを設定してきました.しかし・・・何かが足りなかったのです.

きっかけ

新型コロナウィルスの影響で在宅勤務が増え,消費者向けのネットワークが遅くなっている・・・・その改善策に,IPv6を使えという書き込みをTwitterで見かけたことでした.NURO光は,デフォルトでIPv6が使えます.そして,調べてみると・・・・.あれ?IPv6の亀が踊らない・・・・.私のIPv6に対する認識は・・・・・・.

この程度のもんです.どうやら,IPv6とは,IPv4と関係ないし,そもそも色々違うみたいです・・・・というわけで,お勉強のお時間です.そして,調べてみると,クラウドファンディングでプロフェッショナルIPv6という本が出ていました.電子版の無料版もあります.

さっそく,この本を読んで.勉強を開始してみます・・・・・.・・・はい,勉強して,いくつかのサイトの情報をまとめると・・・・そして,まず基本中の基本.

IPv4を設定してもIPv6は自動設定されない(笑

はい,どうやら,ちゃんとIPv6も設定しないといけないのですね・・・.まずは,現状のNURO光のIPv6の状況と,ONU(HG8045D)の技術的なことを調査することから始めてみました.

プレフィックス

ONUの情報を見る限り,ONUには,プレフィックス/56のIPv6アドレスが割り振られているようです.IPv6はアドレスが全体で128bitあります.プレフィックスとは,アドレス全体の中のネットワークの識別範囲を示すものです.NUROは,プレフィックス/56のアドレスを振ってくれているので,私は,自分のネットワーク内で,ネットワーク識別に8bit,インタフェース(IPv6では単一のデバイスに複数のインタフェースを作ることができ,単一のデバイスが複数のアドレスを持つことが普通にありうる)識別に64bitを使うことできるわけです.つまり,私個人に72bitもアドレス(計算合ってるよね?)を振ってくれるのですから,大盤振る舞いです.IPv4が全体で32bitのアドレス長なので,すでに私個人としても,IPv4を超えるアドレスをNUROから借りていることになります.IPv6でアドレスが枯渇することはないとか言う人はいますけど,本当ですかね・・・こんなにじゃぶじゃぶ割り振ってたら,いつか・・・と思いますが,ここでは,それは次の世代のネットワークエンジニアに丸投げすることにします.IPv6は,グローバルなんで,ここでは,偽で1120:1234:5678:5600::/56というアドレスがONUに振られているとすることにします.

プレフィックスデリゲーション(Prefix delegation)

IPv6の本を読んだりし,DHCPv6には,プレフィックスデリゲーションという,ルータからルータへ,アドレスを割り振るためのプレフィックスを委譲する仕組み(DHCP-PD)が用意されていると,勉強しました.なるほど,「DHCPv6のdelegationの仕組みを使って,ER-Xに1120:1234:5678:5602::/64とかを割り当てて,その下にぶら下がるデバイスにIPv6のアドレスを割り当てればいい」と思うわけです.

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理想像

まさに,この理想像通りに動けば,IPv6の面目躍如.ONUの配下で顧客は,ローカルで/56のプレフィックス分のサブネットワークを組むことができ,すべての機器にグローバルアドレスを振って通信できることになります.

Prefix Delegationがあれども

しかし・・・・どうやら,試したり,調べたりしてみると,HG8045Dは,DHCP-PDに対応していないように思えてきたのです.つまり,ONUの向こう側から割り当てられる1120:1234:5678:5600::/56から,下流のルータへプレフィックスを委譲する仕組みが備わっていないようなのです(本当にそうなんでしょうか・・・・誰か助けて・・・・).これができれば,ER-Xのウィザードを動かすだけで,IPv6に対応できるのに・・・・・.最悪なことに,HG8045Dというルータは,ぶら下がるデバイスに,ONU自身でDHCPv6を起動し,繋がるデバイスに/64のアドレスを与えることしかできせん.satatic IPを設定することもできますが,内蔵のDHCPv6と同様にprefixを/64以外にすることはできないようです.ONUにぶら下がるルータは,/64のアドレスをもらっても,その配下でネットワークを組むことができません.IPv6の前半64bitがネットワークの識別子で,後半64bitがインタフェース(デバイス)の識別子になるためです.・・・・・このONUは,IPv6の資源を無駄使いしていると言わざるを得ません.

実際問題,同様のことはフレッツ光でもあるらしく,光電話というサービスを契約しないとルータは/64のアドレスしか振られないようです.でもね!!!でもね!!!ONUに触れられるプレフィックスが/64なら納得できるのです・・・・・/56でアドレスを与えておいて,使えないって・・・・.なんというゴミルータでしょう・・・.いやマジで.しかも,上流のprefix delegation を流していないようなので・・・・あぁ・・・・・.もういい.

というわけで,何かしら技術的にひと工夫いれないとIPv6を我が家のネットワークにER-X越しには導入できないことがわかったのです.

後半へ続く



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