心に届き続ける贈り物
生きていく上で
この先どうしよう、と
立ち止まると
読み返す本があります
『若き女性への手紙』
ライナー・マリア・リルケ
『教養に富む若い女性が
長い苛酷な生活に臆することなく
大地を踏みしめて立つ日まで
書き送った手紙の数々』
プレゼントで
頂いた文庫本です
オーストリアの作家で
ドイツ語の詩人だということは
最近検索して知りました
この作家さんのお国
音楽をする私のために
贈り主が
意識してくれたのかしら
贈り主は
初恋の相手です
私の初恋は高校1年生でした
これまで生きてきた中で
数少ない恋愛経験の
1番最初で唯一
一目惚れした人です
国語の先生でした
国語が
普通の成績だった私ですが
なんと運良く その先生が
2年、3年と担当の先生となり
以降、常にクラストップか2位
単純です笑
相手は先生ですから
当然
恋が成就するなんて
考えたことも無く
勉強を頑張って
褒めて貰えれば
それでいいと思っていました
片思いも
なんというか
とても楽しかったと思います
毎日が女の子らしく
キラキラしていたなあと
思い出すたび
ちょっと笑ってしまいます
この恋の行方は
またいつか笑
今回は
本のお話です
この
若き女性への手紙 は
卒業の時
先生から頂いた2冊のうちの1冊です
卒業プレゼントが
本だなんて
本当、国語の先生らしい笑
当時読んだ時は
難しく感じていた記憶
2度目に読んだのは
個人事業主として
仕事をして行こうと決めた時
3度目は
留学を迷っていた時
4度目は
結婚に迷った時
5度目は
仕事と育児の両立に
ヘトヘトになった時
6度目は
人生の大きな転換期
真っ只中にある今、
読もうとしています
次はどうしようか
この先どうして行こうか
目標達成できるのかな
理想の未来を手に入れられるのかな
など
「前向き」に立ち止まる時に
登場する本です
だから絶不調の時は
思い出しもしなかったんですよね
それにしても
こんなにも長い時間にわたって
読み返す本になるとは
思っていませんでした
先生は
幼さが残る高校生の私から
大変でも自立した人生を歩む事を
感じとっていたのでしょうか
私が本の中の女性のような
大人になれると
思ってくれていたのでしょうか
本の読み返し
あるあるですが
読み返すたびに
新しい感想を持ち
新しい解釈をします
その時の
自分にとって
必要な何かが
見つかりますよね
今回もきっと
何かが見つかるのでしょうね
だから読み返すタイミングが
またやってきたのでしょう
この本には
高校2年の時に
先生から頂いた
年賀状が挟まっています
この内容からして
当時から私は何かと
努力をしていたんでしょうね笑
そういえば
よく泣きながら
先生に話を聞いてもらっていた事を
思い出します
懐かしい...
「私は この先どうしたらいいのか」
ここのところ
常に考えています
色んなことが未来で
どうなるのか、どうできるのか、
気になっています
そしてふと
この本があったな、と
本棚の隅っこから
出してきました
挟まっていた
先生からの年賀状の
メッセージは
いつも私の心に
寄り添ってくれます
「今年はその一生懸命な努力が
花を咲かせてくれる事を期待しています。
頑張れ。」
...この1年頑張ったよ、先生
来年は花が咲くかなあ
咲かせたいなあ
今日ハガキに綴られた文を
読みながら
心で語りかけました
何かの折
手を差し伸べてくる人と出会えるのは
この頃から
恵まれていたんだな、と
思います
今も手を差し伸べ
寄り添ってくれる人達がいます
運がいいんだろうな、私
読書の秋だし
ピアノに気分が
向かないから(あら?)
ゆっくり読んで
気持ちを整えようと
最初のページを開くと
大好きだった先生の笑顔が
うっすら脳裏に見えてきました
もうその笑顔しか
思い出せないんですけどね
高3の頃の私が
この本を読みながら
未来の自分を
どう思い描いていたのか
記憶をたどって
今の自分と答え合わせをする
時間旅行もできたらいいな
贈り物は
今もずっと
心に贈られ続けています