アンディオールとピラティスポジション

バレエを踊る上で必ず必要とされる技術、基礎のひとつにアンディオールがあります。
アンディオールを正しく行うためには股関節からの外旋が必須で、誤ったやり方をするとひざ下や足首のねじれ、足裏のアーチの低下、腰椎過伸展もしくは骨盤後傾、大腿四頭筋の肥大、などなど...
綺麗に見えない以前に怪我にも繋がります。

股関節は骨盤の寛骨にある寛骨臼に大腿骨頭がぱこっとはまっていて、そこがくるくると回転する事で股関節の動きが生まれます。
そのはまり方や骨盤のカーブの形によって、股関節の可動域というのは個人差があります。

バレエも体操もしてた訳ではないのに、開脚がベターっとつく人はもともと関節の可動域が広いからなのです。
では、もともと可動域が狭い人はもうそのままなのか?アンディオールは一生無理なのかというと、そうでもありません。

私自身、つい最近まで5番ポジションが完全には入らず、膝も伸びませんでした。脚が太いせいとか、股関節が硬いせいとか色々いい訳つけてあまり改善してきませんでした。
むしろ膝なんて一生伸びないものだと思い込んでいました。

ここでピラティスポジションというのが出てきます。
ピラティスポジションとは、内転筋を使って内腿をしめ、骨盤底筋を引き上げ、そして臀筋下部(深層外旋六筋)を使い股関節から脚を外旋させたポジションです。
そう、ピラティスポジションも名前が違うだけで、アンディオールのことです。

大腿四頭筋を使って無理矢理膝を伸ばして筋肥大させ、大臀筋を使って無理矢理股関節を開こうとして骨盤を後傾させるのは大間違い。(私がやってたこと)
ピラティスポジションでは180度も開きません。せいぜい90度で十分。
でもピラティスポジションを丁寧に意識してエクササイズしたら前よりも5番ポジションで膝が伸びてカチッとはまるようになってきたのです。

地上に二本足で立つ、立位の状態では意識しづらい恥骨の辺りから内転筋を使う感覚や、お尻の穴をすぼめるような感覚で使う臀筋下部を鍛えて、大腿四頭筋や大腿筋膜張筋などのストレッチを行った事で、股関節の外旋を筋肉で支持して骨盤を安定させる事ができるようになってきたのです。

でも正直にいうと、左前の5番はまだ甘いし膝が伸びない時もあります。
左前だとはまらない原因はやはり股関節の左右差が大きいのですが、しかし他にも原因があります。そもそも股関節の左右差ができる様々な原因が、バレエのみならず日常的に沢山ひそんでいます。
でもそれはまた次の機会に。

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