ディープフロントライン

筋膜について学んだことがある人なら必ず聞いたことがあるであろう、ディープフロントライン(DFL)。ピラティスエクササイズにおいても、このDFLというものは、コアの引き上げ、正中化、正しいアライメントといった視点からも非常に重要な位置付けになっています。
簡単に言えば、身体の最も深部を走る筋膜のラインであり、人間の身体の核とも言えます。ここがしっかりすると軸がまっすぐとか、体幹が安定しているとも言えますね。
ピラティスではこのDFLをまずは意識して起動させることが基礎となり、またエクササイズを通してDFLを鍛えていくことが可能です。

筋肉は2週間程度ですぐ変化するのに対して、筋膜は半年から2年という長い時間をかけて変化していくと言われています。
運動初心者が身体を鍛えたいと思った時にいきなり重いバーベルでパンプアップしたり、長い距離を走ろうとするのは危険です。コアがなく、体幹が安定しないグラグラの状態で負荷をかけると、関節に負担がかかり怪我に繋がることもあるのです。

また、筋肉の急激な変化によって、ある一部分だけが肥大したり疲労したりする事で、一見関係なさそうな別の場所に痛みが出ることがあります。
身体を一つの建物として見たとき、一ヶ所の梁が歪んでいたら、その影響で別の壁が傾いたり、ドアの閉まりが悪くなったりするのと同じことです。
身体はアイソメトリックに切り取れる筋肉で構成されている、と捉えるよりも、筋肉の繋がりである筋膜のラインで構成されていると捉えて、鍛えたりストレッチしたりすべきなのです。
そして、その中でも前述の通り、DFLが最も重要であり、ピラティスのレッスンでも常にキューイングを行なっている部分です。
あらゆる四肢の分離した運動を行う際にも、このDFLがしっかりしていれば、体幹が安定して怪我をしにくく、無駄なく力が発揮できるようになります。
スポーツをする時に限らず、日常生活の中で重たいものを持ったり、中腰の姿勢保ったり、デスクワークをする時にも当てはまります。
必要な力を必要なだけ発揮して、無駄に頑張り過ぎず、負荷を最小限にとどめることに繋がるのです。
ピラティスの目的は「健康」ですからね。

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